2020年5月25日月曜日

令和2年5月25日

[著作権法改正への思い]

 今日5月25日、緊急事態宣言が全国で解除される見通しです。医療従事者をはじめ、収束に向かって尽力された皆様、様々な自粛要請などにご協力いただいた国民の皆様に心から感謝申し上げます。

 しかし油断するといつまた新型コロナウイルスの第2・第3波が来るかわかりません。引き続き感染防止に配慮した新たな生活をお願いするとともに、資金繰りの支援をはじめ今後の本格的な経済活動や医療体制の充実、地方創生臨時交付金の拡充などに向けて、大胆な内容の第二次補正予算の迅速な編成に向けて与党として全力を傾けます。また、既に成立している第一次補正予算の迅速な執行を求めていきます。

 そのような中、22日の衆議院文部科学委員会で、違法DL(ダウンロード)規制を映画・音楽以外の著作物に拡大することなどを内容とする著作権法改正案が可決されました。

 本改正案は、漫画村などの海賊版サイトにより、クリエイターやコンテンツ産業に深刻な損害が広がっていることから、私が文部科学大臣の際、通常国会への提出を目指していました。
 サイトブロッキングといった強力な手段については憲法に規定された表現の自由との関係で問題があるとのことで、より制限の緩やかな、海賊版サイトへの誘導を行うリーチサイトへの規制とともに違法DLを処罰する案を採用することを当時の平井IT大臣・石田総務大臣と合意したのです。

 表現の自由に配慮し、違法DL規制についても厳格な要件を設けていたのですが、「普通のスクリーンショットまで処罰される」「パロディーまで禁じられるのか」等の誤解が生じ、ツイッターなどで反対論の大合唱。本来後押ししてくれるはずの日本漫画家協会からも反対意見が出て、このままでは国会審議が紛糾すると官邸が判断。当時の西村官房副長官は私に「違法DL規制だけ落とした法案にしたらどうか」と提案されました。

 私は即座に首を横に振りました。あくまでリーチサイト規制と違法DL規制はパッケージで実施しなければ実効性がないと考えていたからであり、労働基準法改正が高度プロフェッショナル制度と裁量労働制をセットで導入しようとして国会が紛糾し、裁量労働制に関する部分を削除した結果本来の改正から遠ざかってしまっていることの轍を踏んではいけないと思ったからです。

 「もっと議論が必要というならリーチサイト規制とセットで全部出し直してもらって結構です。」と申し上げ、結局当該法案は自民党の総務会で出し直しが指示されることとなったのです。

 尽力してきた文部科学省の皆さんには申し訳ないことをしたのですが、一旦引っ込めて再度利害関係者や有識者に議論をしてもらえばこの改正が急務を要する状況下必ず再提出の機運が盛り上がると確信していました。
 大臣退任後もこの分野に造詣の深い山田太郎議員たちと自民党で慎重に議論をし、誤解が生じないような修文もして今国会に再度法案が提出されました。野党議員の一部から「故意犯処罰の原則から言えば重過失排除の修文はかえって誤解を招くのでないか」とのご指摘までありましたが、おかげさまで22日の委員会採決は全会一致で可決。参考人質疑でも法案に高評価をいただき感無量です。引き続き本会議での採決を待ちます。

 あの騒動を思うと、ネット世論について色々考えさせられるとともに、やはり政策決定はプロセスが大切なのだということを痛感しています。もちろん、法運営の誤りなきチェックも必要です。しっかりこれからの活動に生かして参ります。

2020年5月4日月曜日

令和2年5月4日

[アフターコロナの前にウィズコロナ戦略を]

 対象地域が日本全国となった緊急事態宣言は、5月末まで延長される見通しとなりました。

 世界の感染者は、米国の110万人超を筆頭に実に344万人以上に達しています。死者は24万人を超え、先月のこの欄を見ても短期間の間に恐ろしい感染爆発が生じていることがわかります。

 4月29日に出演したインターネット番組で申し上げたとおり、日本はこの間、かろうじて感染爆発を抑えてきた感があるものの、諸外国に比べて低い検査率、陽性率が初期より上がっていることなどを考えると、感染者数は公式発表よりかなり多く、それが自宅待機中に亡くなるなどの事例の増加につながっていると感じます。

 PCR検査の拡大が目標に比べてなかなか進んでこなかったのは、専門性のある検査体制が整っていなかったことと医療崩壊を恐れていたことが理由とされています。
 医師会のご協力により、地域外来・検査センターが設けられ、PCR検査体制が増強される動きが各地で広がっています。国からも助成や防護服の確保などのバックアップをしっかり進めます。
 また、PCR検査判明まで患者が待機したり、これまで自宅療養とされてきた軽中度症状の方々が入所したりするための宿泊施設の借上げを加速します。国からもようやく自宅待機より施設入所が優先されるとの方針発表がありましたが、私も自民党埼玉県連会長として、3月末に診療を終了したさいたま市立病院の旧病棟の活用を県に訴えかけ、現在手続が進んでいます。

 また、上記番組では、さらに感染者数が少ないからといって一部地域を除外するとそこに人が移動してしまうとの懸念を示しました。全国一律の規制をすべきと主張したわけではなく、地域に応じた規制を持続可能な形でかけていくという趣旨です。学校の再開の方法などもまさに地域の実情に応じて判断されるべきと考えており、文科省には的確な判断基準を示して欲しいと考えています。

 そのような中で浮上してきたのが「9月入学問題」です。

 これ以上学校の再開が遅くなるようだと、むしろ9月を入学・始業の時期と後ろ倒しすべきだという考え方で、知事会や一部有識者から主張されました。

 私自身は世界で例の多い9月入学を採用することは留学促進の観点からも悪いことではないと思っていますが、事はそう簡単ではありません。

 まず、自治体自身が会計年度も採用も4月からとしており、多くの民間企業も同じです。それを変える覚悟と国民的理解が得られるかです。
 保育園・幼稚園は卒園を半年遅らせると負担が増え、医療系の学生が社会に出るのが半年遅れることが現場でどのような影響をもたらすかの問題もあります。必要な法改正も多岐にわたります。
 何よりも現在、在宅でもオンライン学習を拡大するなど、GIGAスクール構想をはじめとした学びの質の向上をスピードアップする動きがこれで頓挫するのでないかという懸念があります。
 学校の再開がさらに遅れた場合はどうするのか、一年遅れたらまた元どおりとなるのでしょうか。

 かつて9月入学は何度も議論されてきましたが、日本に根付いた社会・経済の壁に阻まれてきました。今回の9月入学が、改革推進でなく改革後退の便法とならないことを切に願います。また、私も党であるべき検討を働きかけていきます。

 学校の問題でいえば、家計急変やアルバイト収入が途絶えた学生の窮状をどう救うかも極めて重要です。
 文科省は授業料延納・減免を各大学に働きかけるとともに、私が大臣時代に制度化したこの4月から始まる高等教育無償化策を、家計急変学生や在学生にも広げる方針を示しています。また、各大学独自の奨学金についても家計急変学生について国がバックアップする方針を示しています。
 自民党はこれに加えて、学生の家賃の問題解決や学校間格差是正、雇用調整助成金や小口融資など他の制度の周知も萩生田大臣に働きかけました。

 前回のこの欄で紹介した経済対策は、所得減少家庭への30万円の給付が閣議決定後に全国民一律10万円の支給と変更になりました。経済・社会の状況変化や、与党内調整などでこうした方針転換が生じたことは理解できます。しかし対象者が一気に増えたからといって支給が遅れては何の意味もありません。マイナンバーカードを活用したオンライン申請の普及や、必要書類・押印の削減など、効率化を徹底して欲しいと思います。

 これに限らず、雇用調整助成金の支給やつなぎ融資などをスピードアップするための具体的な改革に取り組みます。
 また、これまでは「収束までは自粛」「アフターコロナはV字回復」の経済対策を想定して来ましたが、これからは「きめ細かなウィズコロナの経済・社会戦略」を立案しないと、社会が疲弊してしまうと思います。テレワークやオンライン診療の普及、株主総会オンライン化、テイクアウトの普及などは検討されてきましたが、さらなるICT社会の推進や、都市集中モデルから地方分散モデルの社会、事業再編の促進など、省庁横断で政府に司令塔を作って検討していく必要があります。今の有識者会議はどちらかというと感染症の専門家が中心でしたが、これからは経済や危機管理の専門家もしっかり議論に加わってもらわなければいけません。

 昨日は憲法記念日でした。前回のこの欄で述べたとおり、緊急事態にどこまで私権の制限ができるのか、定足数緩和など国会の機能確保の必要がないのか、議論することは山積しているにもかかわらず、一部野党が憲法審査会の幹事会にすら出席しないという事態は大変問題だと思います。今は与党も野党も国難の克服のために全力を尽くすべきです。

2020年4月8日水曜日

令和2年4月8日

[総力戦の時]

 昨日7日、総理が記者会見で緊急事態宣言を、今日8日から5月6日までの期間、7都府県を対象として発令すると発表しました。

 約1か月少し前のこのブログでは世界の新型コロナウイルスでの死者数は3000人と書いていましたが、昨日の時点で実に8万人を超える死者が出ています。特に1万7000人を超えたイタリア、1万3000人を超えたスペイン、1万2000人を超えた米国では、医療の深刻な危機が生じていますし、イギリスでもジョンソン首相が感染により入院するなど、業種の別を問わず大きな被害に世界が苦しんでいる状態です。

 日本ではクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での死者を除き、死者はまだ81人ですが、国民的コメディアンの志村けんさんが亡くなったニュースなどは大きな衝撃を与え、特に高齢者や基礎疾患を持つ方々が高いリスクを持っているとされています。

 ここ数日の感染者の増加から日本もアメリカのようになるリスクは否定できず、私も発令は不可避だと主張し続けており、ようやくの感はあるものの、今回の決断は評価したいと思います。

 指定された府県の知事は、それぞれ法に基づき是非しっかり規制をして欲しいです。私の地元埼玉でも、新学期開始を1カ月遅らせることが急きょ決定されました。

 ただ、医療施設の開設のため土地・建物を使用する場合や、医薬品・食品の売渡しを求める場合等は別として、外出や営業を強制的に止めることはできず、あくまで対象が指定されても「自粛要請」がなされるにとどまります。
 本当の危機に直面した際、諸外国のようなロックダウンをする仕組みが本当に不要なのか、また、国会議員に感染者が出て、必要な補正予算の審議が定足数を満たさずできなかったり、任期満了になっても選挙ができなくなった時の任期の特例を設ける必要はないのか、これらは全て憲法の問題となります。私は先日のテレビ出演で今こそ憲法論議を行うべきと主張しましたが、広く野党の皆さんに協議に応じていただきたいと思います。

 昨日、政府は事業規模総額108兆円というかつてない緊急対策を決定し、これに基づき16.8兆円の補正予算を閣議決定しました。

 まずは感染拡大防止策と医療提供体制の整備、治療薬の開発に全力を傾けます。

 マスク・消毒液等の増産を支援し、マスクについては月7億枚を超える供給を確保します。医療現場、介護・障害者施設、保育所や学校に優先的に配布する一方、全国で1住所2枚の布マスクを4月以降配布します(少なさに批判が出ていますが、子供は上記のとおり学校を通じて配布されることとなります)。

 また、大きな批判が出ている検査体制の不足については、全国の検疫所におけるPCR検査機器の配備、保険適用後も検査における自己負担分を公費支援することなどによる検査促進の働きかけも行い、病院が必要とする検査を必ず迅速にできるような体制を整えます。

 何といっても病床や人的・物的医療資源の確保は喫緊の課題です。ECMO(体外式膜型人工肺)をはじめ、人工呼吸器増産支援、無症状や軽症の方々の入居のためのホテルや国の施設などの確保や、移動手段の自衛隊等による整備を行います。オンライン診療や服薬指導についても、一定の要件のもと規制緩和を行います。

 日本人はBCGの予防接種のため、重症化が防げているのではないかとの説があり、オーストラリアなどで検証が行われていますが、何といっても有効性・安全性が確認された治療薬・ワクチンの早期活用が必要です。研究開発への支援を行うとともに、アビガンについては海外と協力しながら研究拡大とともに令和2年度内に200万人分の備蓄を目指します。

 党で前文部科学大臣として特に強く訴えたのが、臨時休校が長引くことへの子供の居場所・学習機会・心身の健康の確保をしっかり行って欲しいということです。
 放課後児童クラブなどへの支援、学習指導員の追加配置、オンライン学習の活用も(後述するように今後も含め)充実させていきます。

 そして今回の対策の大きな柱は経済対策です。

 一部報道で「お肉券」「お魚券」など、部門会議の検討途中の案が大きな批判を浴びましたが、緊急に必要な対策と、需要回復期の対策をしっかり分けるとともに、政治主導で大胆な対策を取るべきだと主張させていただきました。

 大きな議論となったのは消費税減税です。確かに昨年10月の引き上げは「リーマンショック級の事変がない限り」ということで実施され、今回のコロナ禍は明らかにそうした事変に該当します。

 しかしながら、既にその引き上げの消費反動減対策としてポイント還元や財政支援など多大な支出を行っていることやその成果として景気回復の兆しが見えていたこと、税率引き上げに伴う大きなシステム改修や投資、診療報酬改定などが実施されていること、教育無償化などの財源となっており、この分についてまで国債の追加発行をするとなると(超低金利を前提としても)将来の償還が極めて難しくなること、何よりも仮に時限立法としても将来の再引き上げが極めて政治的に困難となることなどがネックとなりました。

 また、引き下げをアナウンスした場合の買い控えがさらにこの不況を悪化させるとの意見もありました。

 今回のコロナ禍は一時的なものです。そうさせなければいけません。短期迅速に大胆な支出を行い、もし収束までの期間が長引けば、あるいはさらなる対策が必要となれば、その時に再度追加の措置を検討するべきだと考えます。なお、各種の納税猶予や固定資産税等軽減措置などを行います(地方税なので国の補填をします)。

 まずは雇用・事業の確保が不可欠です。

 一昨日6日の党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部会議で、私から「使用者の都合で休業した時に支払われる休業手当が緊急事態宣言が出た場合には発生しないと厚労省が見解を出しているとの報道がある。これを改めるべきだ。」と訴えました。
 その日、私が主査を務める衆議院決算行政監視委員会第3分科会で、同じ指摘を野党議員から受けた加藤厚労大臣は、あくまで休業手当を免れるのは自宅勤務や他の業務への就業への検討も行ったうえでの不可抗力と言えるかにかかると答弁し、報道が不正確であると強調しました。

 雇用調整助成金をしっかり要件緩和(雇用保険対象外の非正規職員も含める)、手続迅速化、助成率の引き上げなどを行うことで、使用者の手当支給を後押ししていきます。

 内定取消者や雇用保険を受給できない求職者への相談体制強化や支援の拡大も行います。

 事業者の資金繰り対策に万全を尽くします。利子補給を組み合わせた無担保の融資について十分な規模の融資枠を確保するとともに、手続の迅速化に努めます。既存債務の無利子・無担保融資への借換えも可能とします。民間金融機関についても条件変更・猶予を金融庁から促すとともに、地方公共団体の制度融資、セーフティーネット保証などの保証料減免を国で補填しつつ、こちらもそうした借換えを可能としていきます。

 融資のみならず、給付をしっかり行うことも必要です。

 私は、感染拡大防止のために休業に応じた事業者や、所得の減少した個人に、手厚い補償を行うことは、法制度の実効性確保の観点のみならず「正直者がバカを見ない」という私のモットーからも絶対に必要だと訴えてきました。
 一律に給付を求める声も大きかったのですが、上記したとおり、今緊急に必要なのは「補償」です。総理が言われたとおり、公務員や国会議員は今回のコロナ禍に際しても収入は減りません。限られた財政のもとでそうした人たちにまで支給をするのは適切でないのみならず、広くなれば当然支給額も薄くなってしまうという問題、住所などを確認して数度手間となるよりは、手上げ式で迅速に支給した方がよいという配慮もありました。

 報道されているとおり、事業収入が前年同月比5割以上減少した事業者について、中堅・中小企業は200万円まで、個人事業種は100万円までの範囲内で減少額を給付します。制度周知をしっかり行うとともに、文化芸術をはじめ幅広い業態の特殊性を踏まえ、申請者の事務負担軽減や期間短縮に全力を尽くします。先述した納税猶予や社会保険料の猶予、テナント賃料の軽減要請(これについての国の補償も含む)なども行います。
 学校給食については、休校中の生産者への販路拡大支援策などを講じます。

 個々人については、世帯主(これについては家計を支えている実質的な方を柔軟に認定するよう、私が財務省に要望しました)の今年2月から6月の任意の月の月間収入が、
① 新型コロナウイルス発生前に比べて減少し、かつ住民税均等割非課税となる世帯
② 新型コロナウイルス発生前に比べて5割以上減少し、かつ住民税均等割非課税水準の2倍以下となる世帯
について、1世帯あたり30万円の給付を行います。大事なのは先述のとおりスピード感であり、市町村の事務負担や申請者の事務負担を軽減するための措置(オンライン手続やマイナンバーの活用など)を迅速に検討します。
 また、子育て世帯への児童手当を児童一人あたり1万円上乗せします。
 これらの給付金については非課税とします。
 給食費の返還も補助していきます。

 加えて国民健康保険、国民年金等の保険料免除や緊急小口資金特例の困窮者への貸付、免除も行います。住宅ローン減税の入居期日要件の緩和など、税制措置も講じます。
 DVが増えているとの報告もあるので、相談体制の拡充を行います。

 そして、感染が収束したら、経済活動をV字回復させていかなければいけません。

 観光・物流・飲食・エンターテインメント事業の回復のために、徹底的な消費喚起キャンペーンや割引クーポン券の交付を行います。
 また、感染症拡大の防止、地域経済・住民生活の支援に加え、収束後の必要な事業実施のために、地方公共団体に対し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を配ります。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が1年延期となったことは、この情勢下やむを得ないと思います。各競技団体の方々と連携して、しっかり選手強化などの支援を行うとともに、ホストタウンへの支援なども行います。

 前回のこの欄でも触れましたが、今後中国に依存したサプライチェーンを見直し、さらには国内への回帰も行うための投資を補助します。

 国土強靭化のための公共投資の前倒しは景気対策としての意義もあり、適切に進めます。
 また、これまで大臣時代から支援し続けてきた学校の遠隔教育や、生徒一人一台端末(GIGAスクール構想)の実現の前倒し、テレワークや株主総会オンライン化の取組み、押印制度の見直しなど、ICT社会をこの機会にしっかり進めていきます。

 いずれにせよ、この国難をみんなでワンチームとなり、しっかり乗り切っていきましょう!

2020年2月29日土曜日

令和2年2月29日

[正しい危機意識の共有]

 おかげさまで昨日28日、令和2年度予算案が衆議院本会議で可決されました。

 この予算が執行されることにより、私が文部科学大臣時代に法律を成立させた真に必要な学生への高等教育無償化など、全世代型社会保障・教育充実への対応がなされることになります。また、このブログでも紹介した総合経済対策を着実に実行することができます。

 新型コロナウイルスの蔓延による経済下振れリスクへの対応は、率直に言ってさらなる機動的対策を危機感を持って進めることが不可欠ですが、当面は予備費の活用やセーフティーネット貸付緩和などによる資金繰り対策、滞っている輸出入手続きや人・物の海外を含めた移動の円滑化に向けた取組みを迅速に進めます。下請け企業への配慮も要請します。

 自民党では新型コロナウイルス関連肺炎対策本部が機動的に開催され、私も出席・発言を重ねています。

 今後、雇用調整助成金の支給要件緩和、やむを得ず休業した場合の休業補償とその支援、私もテレビ出演で言及したサプライチェーン見直しにかかる設備投資の補助などの経済対策が必要です。

 しかし経済の問題も大事ですが、いかにしてウイルスの拡大を防ぎ、適切な検査・治療体制を確立するかが最大のテーマとなっています。

 既に政府は800人を超えるチャーター機による邦人帰国の支援や、3,700人あまりのクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号への対応・下船措置などに取り組んでいますが、今後医療関係者、民間企業の方々、自衛隊員、自治体・学校関係の方々も含め、総力を挙げる必要があります。

 対策や状況についての正確・迅速な情報公開、医師が新型コロナウイルスを疑う場合でもPCR検査が受けられないという切実な声にこたえての民間検査機関や全国の大学病院における保険付き検査体制の整備、必要な医療用マスク、防護服、消毒薬、病床・高齢者施設などの人的確保への支援を早急に進めてもらいます。相談窓口や電話受付も拡大します。

 検査キットや、アビガンなど治療薬の研究の研究・治験の促進も不可欠です。

 世界中にウイルスが広がり、既に3,000人の死者が出ている中、現在中国湖北省及び浙江省、並びに韓国大邱広域市などについて入管法5条に基づき実施されている入国規制について、迅速かつ機動的に拡大を含め検討するという意見も数多く出されています。

 そして一昨日27日、総理から、全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週3月2日から春休みまで臨時休業を行うよう要請がありました。
 ちなみに入試や卒業式などを終えていない学校がこれらを実施する場合、感染防止のための措置を講じたり、必要最小限の人数に限って開催したりするなど万全の対応をとるようにとのお願いも併せてされています。また、行政機関や民間企業等に引き続き休みが取りやすくなる環境を整えていただくとともに、子供を持つ保護者の方々への配慮をお願いすること、それに伴う様々な課題は政府が責任をもって対応していくとのメッセージも出されています。

 実は私は自民党の対策本部にて、その2日前に政府から出された基本方針が具体性に欠けわかり辛いとの批判が出ていることに鑑み、改善を強く訴えていたのです。
 感染拡大防止にはこの1、2週間が極めて重要であり、その危機感を総理が具体策として示したことには大きな意義があると評価します。
 しかし一方で、既に死者が2名出て教育委員会が登校停止を決めた北海道と、準備がおそらくそれほど進んでいない感染報告のない県が、一律の対応を来週頭の2日までに行うのはほぼ不可能だと思います。働く親御さん、特にひとり親のご家庭や、まさしく医療現場で尽力されている、お子様のいる看護師などに配慮し、保育園や学童・放課後児童クラブは対象外とされているものの、そのニーズ急増に伴う人的物的調整も必要です。

 これを受けて昨日28日急きょ開催された党の文部科学部会では、藤原次官名で文部科学省から、各教育機関設置者に宛てて、臨時休業の期間や形態については、地域や学校の実情を踏まえ、各学校の設置者において判断いただくことを妨げるものではありません、と通知を出していただいたことを紹介していただきましたが、しっかり現場の混乱がないメッセージを萩生田大臣や総理に示していただくことが必要ではないかと私が発言したことがニュースに取り上げられました。

 正しい危機意識が共有され、混乱なく実行されるよう私も尽力して参ります。

2020年1月30日木曜日

令和2年1月30日

[世界水準の危機管理体制を]

 中国武漢市から広がったと伝えられる新型コロナウイルスは世界中に感染を広げており、日本でも既に8人の発症が確認されています。

 自民党本部でも対策本部を設置し、田村憲久元厚労大臣を本部長として対応策を検討するとともに、政府に対して様々な要望をしています。
 私も昨日29日の会議では、東京五輪のある今年、日本の危機対応を世界が注視していること、他国が本件についてしていることを「日本ではできない」と言わずに政治のリーダーシップをもって実行し、国民の不安を払拭すべきことを訴えました。

 フランスではウイルスの潜伏期間を考慮し、武漢から帰国する人を14日隔離すると発表し、フィリピンでは武漢からの観光客634人を送還しています。
 感染症に関しては水際対策が重要であり、政府は28日公布の政令で、新型コロナウイルスを指定感染症、検疫感染症に指定しました。これにより患者に対する入院措置や公費による適切な医療の提供がなされることになります。医師は迅速な届出により患者の把握ができるようにし、患者への質問、診察・検査、消毒などが可能となります。

 しかし隔離などの強制措置は現時点ではできず、しかも政令には罰則規定があることから公布から施行まで10日の期間を要します。こうした限界を党派を超えて解消すべきではないでしょうか。

 何より深刻なのは、発症すれば政令の適用がありますが、サーモグラフィーをすり抜け、面談などもすり抜けた観光客などが日本国内で感染源となってしまうことです。現に、武漢からの観光客を乗せた観光バスの運転手が発症しています。
 上記党の会議では、なるべく政令の適用を実効化させるための簡易キットによる迅速な検査をできるようにすることや、観光客に過去2週間の滞在履歴を明らかにしてもらうこと、入国後のトレースを徹底することなどの要望も出されました。

 さらに私からは、旅館がそうした潜伏期間の対象者の宿泊拒否ができるのか、指定病院との連携体制が充分できているのか、風評対策やインバウンド需要への影響にどう対応するのかなど、政府の姿勢を質問しました。政府からはしっかり対応するとの答弁を得ました。

 昨日29日、政府から派遣されたチャーター機で、武漢の在留邦人206名が帰国され、検査を受けているところです。現時点において新型コロナウイルス陽性反応の方はいないとのことですが、結果が判明するまで宿泊を引き受けて下さっているホテルには心から感謝します。在留邦人の輸送は2便以降も検討されているとのことですが、政府には帰国後も含め万全の対応をして欲しいと思います。

 岸田政調会長は感染症対策のための新組織を政府に設置するよう提案しましたが、省庁横断で感染症の医学的対応も含め、的確かつ迅速な対応をできるようにすべきです。まだかつて猛威をふるったサーズなどのワクチンもできていないのです。

[始まった国会]

 20日に通常国会が開会し、予算委員会が連日開催されています。令和元年度の補正予算、令和2年度の本予算をしっかり成立させることが、災害対応や経済成長、全世代型社会保障改革につながります。

 私は憲法改正や教育改革などをテーマとした講演に各地で呼ばれ、また、党の文部科学部会大学入試英語の適正実施ワーキングチームでのヒアリング、政調会長代理としての法案審査など、連日激務に取り組んでいます。体調に留意して引き続き精進する所存です。

2020年1月2日木曜日

令和2年1月2日

[最〇限の努力で最大限の効果を]

 皆様におかれましては令和初の新年をご清祥にてお迎えのこととお慶び申し上げます。

 いよいよ今年は56年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。しかし多くの識者が「今年は海外情勢が不透明だ」「オリンピック後の景気が心配だ」などと悲観的な観測を立てています。

 ただ、私が昨年、日経新聞「リーダーの本棚」に紹介した中谷彰宏さんの「不器用な人ほど成功する」には、「観測に希望的観測以外いらない」と書かれています。確かにボーイスカウトのモットーには「備えよ常に」とあり、いかなることも想定しておかなければならないとは思いますが、それが絶望的な未来を強調するものであってはならないと思うのです。むしろ、リスクや変化への対応を成長へのチャンスだと前向きに受け止めるべきです。

 私が新入社員だった30年前、新人研修で講師が「最〇限の努力で最大限の効果を」の〇には何が入るかと質問したことがありました。多くの同僚が「小」という字を入れましたが、私は「大」と入れ、講師の答えも私と同じだったのです。
 仕事の効率を高めるのは無論必要なことです。しかし真に最大限の効果をもたらそうとするならば、その高い効率をもって最大限の努力をするべきであり、決して高効率が手を抜く口実となってはいけない・・・特にバブル期の猛烈社員にはそうした姿が求められたのでした。

 上記書籍では「ガラス細工は光の少ない北国で発達する」とも書かれています。太陽のありがたみがわかる地域でこそ、光の芸術が生まれるのであり、逆境を乗り越えてこそ次の高いステージに立てるのです。

 昨年のラグビーワールドカップでは、日本は事前の予想を覆し、見事ベスト8に進出しました。強豪国に体格が劣っても、最後まで頑張り抜くという精神力、高いレベルの戦術、そして流行語にもなった「ONE TEAM」としての組織プレーが奇跡を呼んだのです。

 今年も日本は、少子高齢化や環境・官民ガバナンスの問題、北東アジア・中東情勢の不安など、様々な危機に直面することでしょう。ちなみに私は2年前の2月13日、NHKで生中継された衆議院予算委員会の経済問題に関する集中質疑にて登壇し、役所から何も要請はありませんでしたが、自らの判断で、「外国人労働者の規制見直し」「コーポレートガバナンスにかかる会社法の改正」「公益通報者保護制度改革」「環境問題を乗り越えるための再生可能エネルギーの劇的な普及」について質問しました。何とその後現在に至るまで、前2者については法改正に結実しています。

 今年は何としても上記質問でまだ対応されていない、公益通報者保護制度改革と、世界的な重要課題である再エネ普及の前提としてのFIT法見直しについて、しっかり議論の先導役をしていきたいと思います。

 ゴーン被告の出国もそうですが、これから急速に進むグローバル化や高度な技術革新は多くの想定外の事態を生み、制度改革を必要とするでしょう。セキュリティーを含む安全保障の改革、ひいては憲法改正や、今年始まる大学等や私立高校の負担軽減とともに求められる学びの質の向上、高度技術を用いた社会保障改革など、皆様と力を合わせて、最大限の努力をし、結果を出していきますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。

2019年12月18日水曜日

令和元年12月18日

[一点刻みの入試・卒業が易しい大学との決別を]

 17日、萩生田大臣が来年度から始まる大学入学共通テストにおける国語・数学の記述式試験の導入を見送ることを表明しました。
 大量の答案を採点する中でのミスの可能性や、特に国語における自己採点の難しさなど、指摘されてきた問題への不安の払拭に至らなかったということです。

 党の文部科学部会では、とにかく現場の状況をしっかり精査して受験生に不利益の生じないようにして欲しいと申し入れをしていたので、その結果このような方針となったことは受け入れざるを得ないと思いますが、これまで中教審をはじめ有識者を交えて長きにわたって進めてきたプロセスがとん挫し、英語の民間試験の大学入学共通テストの見送りと共に改革の柱が失われてしまったことは残念でなりません。

 私が大臣の会見を聞いて疑問に思うのは、いかなる改革も絶対に不都合が生じないように行うということはそもそも不可能だということです。不都合が生じないようにベストを尽くし、それでも何かが起きた時にはきちんとフォローする体制を整えるという姿勢が大切ではないでしょうか。

 同じく17日に英語教育に熱心に取り組まれている昭和女子大学附属昭和小学校にヒアリングに伺ったのですが、同大学の坂東眞理子総長が、「記述式問題も取り入れた入学試験を行う代わりに入学者は多めに取り、進級の過程で単位の付与は厳しい基準として卒業が難しい大学としていかないといけない。」とおっしゃっていました。大学改革の視点からも素晴らしいご意見だと思います。
 「記述式問題の導入は二次試験で考えればよいことだ」とおっしゃる方もいるでしょう。しかし二次試験で記述式・小論文などを課す大学は減り続けているうえ、3日に3年ぶりに発表されたPISA(国際学力到達度調査)において、日本の15歳の生徒の読解力が前回の8位から過去最低の15位に低下し、論理的に意見を構成する力も不振だったことを深刻に受け止めなければいけません。使える英語もそうですが、中国などアジアの国々が国家をあげて教育全体の底上げをして上位にランクされていることは危機感を持って受け止めるべきであり、日本も今後記述式試験や論理的思考力・表現力をどうトータルとして充実させていくかについて速やかに検討すべきです。

 その過程においては今回の大学入試改革について異論を唱えていた方々の意見にも耳を傾け、また議論のプロセスを極力オープンにし、誤りなき対策を導いていただくよう切に希望します。

[重要な経済対策]

 今年度の税収が景気減速を背景として3年ぶりに前年度を下回り、60.2兆円となる見通しです。

 一方、政府は災害復旧や経済対策などのため、補正予算で追加歳出を4.5兆円計上し、赤字国債・建設国債をそれぞれ2.2兆円ずつ発行することとしました。

 財政再建はもちろん大切ですが、消費増税や海外情勢不安などで弱含みの景気が腰折れになってしまうのは何としても避けなければいけません。将来しっかり経済成長につながり、財政再建をも実現できる投資を進めるべきであり、その意味で私も進めてきた「20年代初頭の小中学校における一人一台タブレットの実現」など未来への投資が盛り込まれたことは評価したいと思います。

 来年度予算についても費用対効果を考えたメリハリのある内容になるよう政府に働きかけていきます。

 そのような中で12日、来年度の税制改正大綱が与党の合意のもと決定しました。今回は目玉がないと言われていましたが、ベンチャーや5G設備への投資の促進や未婚のひとり親家庭の所得控除の充実など、重要な内容を含んでいます。一方で資本取引で赤字を出す節税策に対応したり富裕層の資産把握を厳しくするなど、課税の適正を図る措置も取っており、バランスの取れたものとなっています。党の文部科学部会が主張していたゴルフ場利用税の引き下げ年齢要件の緩和などは見送られましたが、是非成立を急ぎたいと思います。