2021年9月30日木曜日

令和3年9月30日

 [次のステージへ]


 昨日29日実施された自民党総裁選で、岸田文雄候補が第27代総裁に選出されました。


 前回のこの欄で私は、「必要なのは、予測不可能な新しい時代に未来を切り拓くことのできるリーダーです。過去の言動が色々取り上げられますが、無論それは判断材料として重要なものの、これからの仕事と必ずしも一致するとは言えません。過去から学び、バージョンアップできるリーダーこそが求められているのではないでしょうか」と書かせていただきました。そして、色々言動が物議を醸しながらも問題点を先送りしない姿勢を明らかにし、ワクチン接種担当大臣としても実績を上げた河野太郎候補を応援させていただきました。


 昨日の総裁選での党員票で、党所属国会議員数382票に合わせて換算された全国の党員投票における河野候補への投票は169票。首都圏1都2県では河野候補の得票はほぼ5割、神奈川県では7割近くです。

 また、決選投票では各都道府県における多数投票を得た候補に1票が与えられますが、河野候補39票、岸田候補が8票です。特筆すべきは、原発立地県である福井県や新潟県でも脱原発依存を訴える河野候補が1位となっていることです。


 批判を色々受けながらここまで河野候補が支持を集めたのは、やはり政治が変わらなければいけないという危機感を多くの党員を含む国民が共有していることの現れではないでしょうか。


 岸田候補は政調会長時代、私も政調会長代理としてお仕えしてきました。また、外相時代には私は安全保障担当首相補佐官として、首相官邸における国家安全保障会議での議論をご一緒してきました。バランス感覚があり、敵を作らない人格者であって、心から尊敬している政治家の一人です。総裁選後は総選挙も間近に迫り、高市候補や野田候補、そしてそれぞれの候補を応援された議員や党員の方々と一丸となって、国民の皆様にご支援いただけるよう全力を尽くすべきです。

 しかし新総裁には是非上記した党員、ひいては国民の思いをしっかり受け止めていただき、今後の改革にまい進していただくことを切望しております。

[制限解除は段階的に]


 皆様のご尽力により、8月の半ば過ぎに2万5千人を超えていた全国の新規感染者数は、昨日は1986人となりました。病床利用率は全ての都道府県において50%を下回り、重症者は9月初めをピークに減少傾向にあります。一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けています。

 こうした状況を踏まえ、政府において19都道府県の緊急事態宣言及び8県のまん延防止等重点措置の全てを9月30日で解除し、飲食などの制限を段階的に緩和することが決定されました。ワクチン接種と中和抗体薬の投与が進んでおり、今後は一定の感染が生じても、安定的に医療を提供できるようになりつつあります。


 7月以降、病床、ホテルの追加に加えて、臨時の医療施設、酸素ステーションが全国で約80施設設置され、現在も増設が進められています。再び感染が拡大しても、すぐに使える病床や医療人材を確保できるように体制整備が進められます。ワクチンについては、全国民の7割が1回、6割が2回の接種を終え、アメリカの接種率を抜きました。高齢者の接種率は9割に達し、今回の感染拡大では、高齢者の感染者を10万人、死亡者を8千人減らすことができたとの厚労省の試算もあります。今後、10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する全ての国民が2回接種を終えられる見込みです。


 ただ、急速な緩和で第6波をもたらすことは避けなければいけません。10月1日以降、当面は、アクリル板の設置や換気などの対策をとり、認証を受けた飲食店において、都道府県の判断で、酒類を提供し、営業時間は21時までとすることも可能とされます。この欄で紹介したとおり、ワクチンの接種証明や検査結果も活用したさらなる措置の検討を進めて欲しいと思います。

 イベントの再開・基準緩和や、学校での感染防止と学びや行事の確保も、皆様のご協力を得ながらしっかり進めていきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

2021年9月12日日曜日

令和3年9月12日

 [新しい時代を作る!]


 新型コロナウイルス変異株が全国で引き続き猛威をふるっており、緊急事態宣言地域・まん延防止等重点地域は一部を除いて9月末までその指定が延長されることとなりました。


 しかしワクチンが順調に投与されていることや国民の皆様の多大なご協力により、新規感染者数は首都圏で急激に減少しつつあります。無論依然として医療現場のひっ迫は続いていますが、何とか療養場所の確保や既に2万件以上使用されている中和抗体薬の力などで乗り切れるよう応援していきます。

 田村厚労大臣はこのままのペースでいけば9月末には宣言解除ができるのでないかと見通しを述べ、その際の指標には新規感染者数よりむしろ医療提供体制に着目するとのことで、正しい方向を示して下さっていると思います。


 そのような中、17日から自民党総裁選がスタートします。3日の党役員会での菅総裁の突然の不出馬表明は、その場にいた私たち役員には事前に明らかにされておらずまさに青天の霹靂だったわけですが、これまでの政策は基本的に正しい方向で進めて下さっており、心からねぎらいの言葉を贈るとともに残された任期で全力を尽くしていただきたいと思います。


 今日12日現在、まだ候補者が確定していませんが、既に岸田・高市・河野の3人が出馬表明されています。私はお三方どなたともこれまで長年仕事やお付き合いをご一緒してきており、どのようなタイプでどういうお仕事をされるかは熟知しているつもりです。


 皆さん本当に立派な方で、一方私自身、政治理念があり、派閥に所属し、大変難しい立場にあります。

 ただ、内外情勢が激動する中、誰がリーダーとして一番ふさわしいか、また直後に総選挙を控えた今、どういう行動をとるべきか、極めて重要であることに鑑みれば、多くの議員が熟慮するのは当然のことだと思います。各派閥も明確に一本化支持を出せていない所が多いのも頷けます。


 必要なのは、予測不可能な新しい時代に未来を切り拓くことのできるリーダーです。過去の言動が色々取り上げられますが、無論それは判断材料として重要なものの、これからの仕事と必ずしも一致するとは言えません。過去から学び、バージョンアップできるリーダーこそが求められているのではないでしょうか。


 派閥の数合わせで決まるなら政策論争は必要ありません。国民に開かれた論議を堂々としていただき、悔いのない総裁選が実現し、新しいリーダーのもとで国難を突破できるよう、しっかり貢献する所存です。