2018年9月21日金曜日

平成30年9月21日

[厳しい時にこそ]

 昨日20日、自民党総裁選の開票が行われ、安倍晋三総裁の3期目の続投が決まりました。

 メディアの方々からは「石破さんが、議員票でも各派閥の推薦を得た安倍さんの329票に対して73票と善戦し、党員票に至っては全体の4割を超える181票を取ったということをどう思いますか?」と口々に尋ねられました。

 まずは党員票についてですが、確かに一般の世論調査では総理にふさわしい方として、安倍さんと石破さんがほぼ同数なのに対し、自民党を支持する方を対象にした調査はかなり安倍さんの支持が高いという傾向がありました。
 しかし、安倍圧勝の報道が続く中、党員投票率は6割台とさほど高くなく、このままでよいのかというバランス感覚が働いたと言えます。また、私の地元埼玉では、選挙戦開始当初の調査ではほぼ安倍2対石破1の割合だったということですが、石破陣営の度重なるオートコールやご当地動画の作成、安倍総理が公務に忙殺される間の必死の地方遊説が報道されるなど、懸命の選挙戦がやはりじわじわと効いてきたといえるでしょう。最終的には埼玉の党員票は安倍12,177対石破10,257とかなり追い上げられました。

 齋藤農水大臣へ安倍選対幹部から圧力があったという報道なども、「安倍さんのもとでは自由に物が言えない」というイメージを醸したと言えます。

 しかし、議員票の状況を見れば、「派閥の方針は安倍支持なのに石破さんに投票した」という議員は、青木幹雄元自民党参議院議員会長が石破支持を訴えかけた平成研究会(旧田中派)の衆議院側の対応が分かれていたことなどに鑑みれば、また派閥の締め付けが現在の小選挙区制度であまり機能せず、投票も無記名であることを考えれば、それほど大きな波乱ではなかったとも言えます(全体の議員母数が405ですから、説明のつかない石破票は5パーセント程度です)。

 私は(おそらく他の多くの議員も同じだと思いますが)、本心から、災害への迅速的確な対応、少子高齢化社会における生産性革命、極めて困難を極める外交・安全保障への取組みは、実績とリーダーシップがあり、海外からも評価の高い安倍総理に引き続き任せるしかないと確信しています。党内議論が活発でないというのは事実と異なります(確かにおとなしい若手議員が増えたとは思いますが、それは政界に固有のことではないと思います)。

 ただし、リーダーシップの強化と役所のガバナンスを両立させるのに問題が生じるなど、批判をいただいた部分にはしっかり対応していく必要があります。私自身、どんな難題だったり迅速な解決が求められたりしても、「結論ありき」でプロセスをないがしろにしてはいけないと官邸に意見したりもしました。

 よくメディアに聞かれるのが、同じ筆頭副幹事長であり、いつも役員会などで一緒に仕事をしている小泉進次郎議員の対応です。私は総裁選の対応について小泉さんに尋ねることはありませんでしたし、小泉さんが私にそれを話すこともありませんでした。
 小泉さんは、党の幹部として組織運営がどうあるべきか、いつも議論に参画し、私もそうですが、活発に意見を言い続けてきました。ですから、彼が本心から「物を言えぬ自民党だ」と危機感を持っているということはないと思いますし、もし本当にそう思っていたら、もっと早く石破支持を打ち出していたでしょう。

 彼はかつて石破地方創生大臣のもとで政務官を務めていたこともあるし、今回は、安倍さんと石破さんの両方に顔を立てたが故のこの時期の対外意思表明だったのではないでしょうか。ずっと黙っていて世論が「小泉さんは高みの見物か」と批判することにも配慮したと思います。いずれにせよ、それほど大きく取り上げるまでのことではないでしょう。ただ彼のしたたかさは、私のようなまっすぐな人間からすると、勉強する部分があるなと率直に思います。

 戦いは終わりました。これから非常に重要な沖縄知事選、日米会談など各種案件が山積しています。しっかりノーサイドで結束して力を尽くさなければいけません。

[災害対応と今後の進む道]

 台風21号が関西空港をはじめ各地に甚大な被害をもたらしたと思ったら、北海道胆振東部を震源地とする震度7の大地震が発生しました。被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。

 道路・鉄道・電気・水道などインフラの迅速な復旧、産業などの被害回復の為に迅速かつ万全な対応をしなければいけません。しかしこの機に日本の今後の進む道を真剣に検討すべきではないでしょうか。

 温暖化対策、また北海道に見られたような分散型エネルギーの未整備への対処、太陽光パネルも含んだ構築物の強化、防災情報の精度向上と住民の方々の対応促進など、課題は山積しています。私も意見を述べていますが、予算措置も含めて抜本的な対策を取っていかなければなりません。各省庁や地方自治体にまたがって対応する運用の問題であって、防災省という屋上屋の役所を作れば解決することではないのです。