2017年8月30日水曜日

平成29年8月30日

[炎の弾丸出張韓国編]

 8月28日からソウルにて重要な日程に臨んでいます。

 到着の夜、7日に河野外務大臣との外相会談を行った康京和外交部長官が主催する晩餐会に出席。同じテーブルには岡田克也元外務大臣や山本一太元国務大臣たちがいらっしゃいました。
 私から長官に、戦時中の韓国における徴用工が当時雇っていた現地日本企業に個別的損害賠償を求めることは排除されないと文大統領が発言したのは、日韓請求権協定に反するのみならず、韓国で活動する日本企業にとっても予測可能性を失わせる大問題で、日韓経済関係ひいては韓国の安定にも影響する重大事象であることや、自分が河野外務大臣と近い関係にあるがしっかり交渉をする人物であるということをお話ししました。これに対し康長官は、この問題は司法プロセスが進行中でそれを待って対応する、河野大臣とは馬が合うのできっと良好な関係が築けると思う、とコメントされました。

 歓迎の席ではいささか立ち入った話題でしたが、友好関係を確立しつつ懸案事項もきちんと解決すべきというのが私のスタンスです。

 政治家・有識者・経済人・メディア関係者などが集う日韓フォーラムでは、2日間にわたって政治・経済問題について活発な議論を交わしました。

 折しも28日に北朝鮮のさらなる核実験準備が報じられるとともに、29日の朝には日本を横断する形での弾道ミサイルが発射され、安全保障の議論は大変盛り上がりました。

 韓国側出席者の中には、日本や米国が厳しい対応をしつつ韓国が北朝鮮の対話窓口となって役割分担をすべきだと意見を述べる方もいましたが、今は対話の時期でなく、文大統領は現実問題として日米と結束して厳しい圧力をかけるべきだという姿勢だという意見が大勢でした。
 私も、今回のミサイル発射の手法は日本だけに危険を及ぼし、米国や韓国との分断を狙う卑劣なものだが、ここは日韓が結束するとともに国際社会、特に中国にもきちんと北朝鮮への圧力に向けた行動をしてもらわないといけない。中国が本気で対応するには日本も韓国も米国も盤石の政治力を発揮しないといけない。ただし中国がこの要求を自らの勢力伸長の交渉カードに用いようとする動きには注意が必要だと発言しました。

 もちろん日本の独自のミサイル対応能力、敵基地反撃も視野に入れた法律上・装備上の準備を加速しなければなりません。

 政治問題のセッションや経済問題のセッションでも発言しました。TPPに関して、米国の参加はかなり厳しくなっているがまずは高い水準のTPPイレブン(残存国)での妥結、そして日EUのEPA(経済連携協定)を固めたうえで、韓国とも協議してRCEP(東アジア地域包括的経済協定)に向かっていくべきと発言。韓国の放射能を理由とする日本からの水産物輸入制限の撤廃についてもプロセスを加速するよう訴えました。
 他の日本側参加者から慰安婦に関する日韓合意の着実な実施の主張がなされたことは心強かったですし、懸案事項解決と将来にわたる日韓協力はともに進めるべきだが、タイムスケジュールを分けてツートラックで臨むべきだとの韓国側の主張にも、それが着実に見て取れるのであれば首肯しうるものがあるなと感じました。

 各界、日韓の与野党の政治家がこうしたセッションを通じて共通の理解を増進することはとても重要だと思います。これからも全力を尽くして結果を出していきます。

2017年8月16日水曜日

平成29年8月16日

[平和への祈り]

 8月9日、自民党を代表して長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席したのに続き、終戦の日15日には安倍自民党総裁の代理で靖国神社に参拝し、先の大戦で尊い犠牲となられた先人の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げ、恒久平和への思いを新たにしました。

 それぞれの行事で戦争の悲惨さを体が震える程に感じ、こうした悲劇を二度と繰り返してはならないと強く思いました。今年核兵器禁止条約が採択されたのも、世界でこうした思いが広がったからでしょう。

 そのこと自体は素晴らしいことだと思います。しかし現実には北朝鮮等一方的にこの理念に背を向けて核開発を進めている国があり、そのような中で民主的先進国のみが条約に参加して核放棄をするということにはあまりにも無理があります。日本が核兵器国の核の傘に守られているからではなく、そのようなことが世界平和や核廃絶にかえって逆行するからです。

 私たちは核保有国・非保有国・核保有を目指している国も巻き込む形でいかに核軍縮を実効的に進めるかを考えていくべきです。私が外務大臣政務官を務めていた2009年、ニューヨークの国連本部で開催されたNPT(核不拡散条約)運用検討会議の準備委員会に日本を代表して出席した際、そのような趣旨のスピーチを行って評価されましたが、その後の国際情勢は依然として厳しいものがあります。
 今回の条約プロセスには日本は参加しませんでしたけれども、今後とも日本が唯一の被爆国としてどのように世界をリードしていけるか真摯に考えていきたいと思います。

 北朝鮮が米国へのミサイル攻撃を示唆する動きを見せていますが、諸外国と連携して自制を働きかけるとともに、日本に万一の被害が及ぶことがないようPAC3配備など万全の態勢を取っていきます。

 今年の靖国神社には、総理も閣僚も参拝をされませんでした。近隣諸国に対する配慮があったと思われ、私も「自由民主党総裁 安倍晋三 同総裁特別補佐 柴山昌彦」という肩書きで私費による玉串料奉納をした次第です。

 先人の国を思う気持ちを決して忘れず、またその思いに恥ずかしくない日本を築き上げるために、これからも全力を尽くすことをここに誓います。

2017年8月4日金曜日

平成29年8月4日

[心機一転]

 昨日3日、第3次安倍政権は内閣と党主要ポストの人事を刷新しました。

 私は一部メディアで法務大臣との報道が流れましたが、結論としては2年近く務めた内閣総理大臣補佐官を離れ、総裁特別補佐かつ筆頭副幹事長として党務にまい進することになります。同じ筆頭副幹事長に小泉進次郎議員が就任するという異例の体制ですが、これまで内閣委員会など様々な場面で共に仕事をし、改革を目指してきた同志だと思っています。色々学ばせていただく所存です。
 早速二階幹事長とお話をしましたら「思い切ってやって下さい」とのこと。これまでの様々な場面で私が本気になったらどうなるかよくご存じのうえでそうおっしゃったと思うので、そのとおり全力を尽くして参ります。相当汗をかくことになるでしょう・・・

 今回の人事は「心機一転と安定の両立」をいかに図るかが最大のポイントでした。国会で議論が白熱した問題に上川・小野寺・林大臣など、実力派の閣僚経験者でありながら外部の目で解決や説明に取り組むことのできる人事としています。また、党内融和に一定の配慮をしながらも、外務に河野大臣、農水に斎藤大臣など、適材適所の能力主義に基づく抜擢も行っています。閣僚のメンバーは全員私より年上ですが、年齢のバランスも取れています。
 色々と麻生副総理が存在感を発揮されているように思います。

 早々にアメリカと北朝鮮問題などをめぐり2プラス2(外務・防衛担当閣僚会議)を開催することになるでしょう。小池知事との関係、総理から意を受けた憲法の問題、経済問題など、難題は山積しています。前回のブログで述べたとおり「自民党は生まれ変わった」と国民に納得していただけるよう、しっかり結果を出していかなければいけません。

 皆様のご支援・ご指導を心からお願い致します。