2020年1月2日木曜日

令和2年1月2日

[最〇限の努力で最大限の効果を]

 皆様におかれましては令和初の新年をご清祥にてお迎えのこととお慶び申し上げます。

 いよいよ今年は56年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。しかし多くの識者が「今年は海外情勢が不透明だ」「オリンピック後の景気が心配だ」などと悲観的な観測を立てています。

 ただ、私が昨年、日経新聞「リーダーの本棚」に紹介した中谷彰宏さんの「不器用な人ほど成功する」には、「観測に希望的観測以外いらない」と書かれています。確かにボーイスカウトのモットーには「備えよ常に」とあり、いかなることも想定しておかなければならないとは思いますが、それが絶望的な未来を強調するものであってはならないと思うのです。むしろ、リスクや変化への対応を成長へのチャンスだと前向きに受け止めるべきです。

 私が新入社員だった30年前、新人研修で講師が「最〇限の努力で最大限の効果を」の〇には何が入るかと質問したことがありました。多くの同僚が「小」という字を入れましたが、私は「大」と入れ、講師の答えも私と同じだったのです。
 仕事の効率を高めるのは無論必要なことです。しかし真に最大限の効果をもたらそうとするならば、その高い効率をもって最大限の努力をするべきであり、決して高効率が手を抜く口実となってはいけない・・・特にバブル期の猛烈社員にはそうした姿が求められたのでした。

 上記書籍では「ガラス細工は光の少ない北国で発達する」とも書かれています。太陽のありがたみがわかる地域でこそ、光の芸術が生まれるのであり、逆境を乗り越えてこそ次の高いステージに立てるのです。

 昨年のラグビーワールドカップでは、日本は事前の予想を覆し、見事ベスト8に進出しました。強豪国に体格が劣っても、最後まで頑張り抜くという精神力、高いレベルの戦術、そして流行語にもなった「ONE TEAM」としての組織プレーが奇跡を呼んだのです。

 今年も日本は、少子高齢化や環境・官民ガバナンスの問題、北東アジア・中東情勢の不安など、様々な危機に直面することでしょう。ちなみに私は2年前の2月13日、NHKで生中継された衆議院予算委員会の経済問題に関する集中質疑にて登壇し、役所から何も要請はありませんでしたが、自らの判断で、「外国人労働者の規制見直し」「コーポレートガバナンスにかかる会社法の改正」「公益通報者保護制度改革」「環境問題を乗り越えるための再生可能エネルギーの劇的な普及」について質問しました。何とその後現在に至るまで、前2者については法改正に結実しています。

 今年は何としても上記質問でまだ対応されていない、公益通報者保護制度改革と、世界的な重要課題である再エネ普及の前提としてのFIT法見直しについて、しっかり議論の先導役をしていきたいと思います。

 ゴーン被告の出国もそうですが、これから急速に進むグローバル化や高度な技術革新は多くの想定外の事態を生み、制度改革を必要とするでしょう。セキュリティーを含む安全保障の改革、ひいては憲法改正や、今年始まる大学等や私立高校の負担軽減とともに求められる学びの質の向上、高度技術を用いた社会保障改革など、皆様と力を合わせて、最大限の努力をし、結果を出していきますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。