2021年1月8日金曜日

令和3年1月8日

 [スクラムのひと月]


 昨日7日、政府より東京・埼玉・千葉・神奈川の一都三県を対象とした緊急事態宣言が発出され、本日から施行となりました。


 遅きに失したとのご批判もあります。

 しかしデータで見ると、全国のコロナ重症患者が増えるペースが鈍化し、ピークアウトするかと思われた昨年12月18日から、感染者数が多い東京などに限ったGo to トラベル到着分停止・出発分利用抑制の呼びかけを行い、年末年始の人の往来の多い12月28日以降全国一律にGo to トラベルの全国一斉停止を行って、今回感染者数の急増に伴い緊急事態宣言を感染者数が多い地域に限って発出するという一連のプロセスは、感染拡大阻止と経済活動の両立という意味では合理性が見て取れるのではないでしょうか。


 今回の陽性者の急増は、年末年始の前、クリスマス前後の人の移動が起因していると思われます。三密防止や会食の際の留意事項などについては呼びかけていたものの、国民の皆様により強いメッセージを届けられなかったことについては反省の余地があると思います。しかし感染者・死亡者とも日本と桁が違う欧米のようなロックダウンを行うことは、法制上も無理がありますし、社会経済上も影響が大き過ぎます。


 まずは今回の措置をしっかり守っていくことが何よりも重要だと考えております。


 しかしながら、飲食店の営業制限のみがクローズアップされてはいけません。テレワークによる出勤者の7割減、大規模イベントの参加人数5000人及び定員割合50パーセントの制限、午後8時以降の不要不急の外出自粛、こうしたことにより多大な影響を被る業種が数多くあります。そうした方々にきめ細かな補償をしていくことが求められます。これまで立てた経済対策にしても延長を検討したり、劣後ローンがほとんど利用されていないなど不具合の是正に果断に取り組むべきです。


 批判を受けているビジネストラックによる外国人の入国に関しては、入国目的を達成できないような隔離について、72時間以内の陰性証明と入国以降の厳格な行程管理を条件として感染状況が深刻でない国に限って免除するという仕組みは合理性があるものと考えますが、このような状況になったわけですから、たとえ感染状況が深刻でなくとも感染力の強い変異種が対象国で発生した場合はもとより、国民の理解を得られるようなさらに強い規制をしていくのはやむを得ないと考えます。


 いずれにせよ、こうした施策の実効性の確保のためには、私が座長代理を務める党の新型コロナウイルス対策本部感染症ガバナンス小委員会で既に提言している、感染症法・特措法の改正が必要です。ずっと臨時国会での改正を主張してきましたが、今からでも迅速に、政府の措置に従った方への手厚い支援と、正当な理由のない違反についての行政措置(刑事罰は慎重にすべきと考えます)、偏見防止、また自治体と国との権限関係の整理やHER-SYSによる情報共有など、しっかり法律上の根拠を持たせるべきです。


 また、医療現場の負担を極力緩和することも急務です。

 予算措置による病床確保に加え、協力して下さる医師の方々への交付金を用いた支援をするとともに、清掃業務などを看護師以外の方々に外注することを促進したり、軽症の方々の自宅・宿泊施設での療養を促すとともに異変が起きた時に迅速に医療施設で対応ができるような体制の整備をしたりすることが必要です。


 施設・人材の医療資源はいまだ偏在しており、夏の時期に第3波に備えたシフトをしておかなかったことは非常に問題です。日本人は危機が過ぎると次の危機管理をしようとするモチベーションが薄れてしまうように感じます。前記したガバナンス小委員会の提言は多岐にわたりますが、政府には是非フルに参考にしていただきたいと思います。

 また、ワクチンについては2月下旬からの投与が予定されていますが、副作用の報告もあり、安全性の確保や対象者の優先順位の明確化などをしっかり行うべきです。


 学校現場の不安も大きくなっています。若年層の重症化事例が少ないことから今回の措置では一斉休校は求められず、また間近に迫った入試についても少なくとも大学入学共通テストは予定どおりのスケジュールで実施されるとのことですが、極力感染防止に努めるための留意事項を文部科学省から遺漏なく発出して欲しいと思います。


 いずれにせよ国難に直面する中、一致結束したスクラムでこの難局を乗り切ることが必要です。