2021年12月22日水曜日

令和3年12月22日

 [最大規模の対策がもたらすもの]


 昨日12月21日、冬の臨時国会は閉幕しました。12月20日、歳出36兆円の令和3年度補正予算が成立し、与党の税制改正大綱も12月10日に決定しています。


 最大課題はやはりコロナ対応の病床や治療薬の確保です。オミクロン株の急拡大を極力抑える努力をしながらも、今後、第5波ピーク時に比して3割増しとなるよう、全国で3万7千人の入院が可能になる計画に向けて準備します。

 ワクチンについては3回目の接種が極力早期に進むよう、自治体とも連携して在庫や入荷数、接種システムの管理を行います。


 新規感染者数が減少し、徐々に経済活動は復活しつつありますが、まだ厳しい状況にある方々に寄り添うことも必要です。

 これまで支給された給付金についての要件・金額・スピードなどへのご意見を踏まえ、新たに地域・業種を問わない最大250万円の事業復活支援金、資金繰り支援、雇用調整助成金特例措置の3月までの延長、米の需要減に対応する15万トンの特別枠設置・保管や販売の促進などの事業支援を行います。また、生活にお困りの個人の方々への給付や、緊急小口資金等特例貸付、住居確保給付金などの延長も実施します。

 主たる生計維持者の960万円未満の世帯に高校3年生までの子供1人あたり10万円相当の支給を行う件については、こうした各種支援策と別に、また自治体の負担や工夫を加味して実施する子育て支援策としてご理解いただければ幸いです。


 また、今後はこども家庭庁の創設により、子供の教育・健康などについて省庁の垣根を超えて、また自治体とも連携して取り組む体制を整えます。人材育成はこれからの日本にとって最大の課題の一つであり、しっかり予算を伴って進めていかなくてはいけません。


 これからの社会は一定期間、「ウィズコロナ」となることは避けられません。安心・安全を確保しつつニューノーマルの経済活動を確立します。

 電子ワクチン接種証明の年内発行、予約不要・無料のPCR・抗原検査の拡大を行います。旅行・宿泊・イベントなどの需要を喚起するとともに、キャンセル料の支援なども行います。


 岸田内閣は「新しい資本主義」を掲げました。「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」の価値観をもとに、税制・経済政策を実施します。

 賃上げを行う企業については大企業で最大30%、中小は最大40%の税額控除を行う一方、賃上げに消極的で設備投資の少ない大企業には投資減税の優遇を停止します。

 看護・介護・保育・幼児教育など現場で働く方々の収入を引き上げます。


 しかしここで必要なのは成長戦略です。私も党の会議で幾度となく主張してきました。

 まずは科学技術立国の実現に向け、大学ファンドに補正予算で6000億円を拠出し、財政投融資の追加と併せて10兆円規模にします。高速通信規格「5G」通信網の税制による整備支援を2024年度まで控除率を段階的に引き下げながらも延長するとともに、ポスト5G情報通信システム基盤強化に向けた研究開発を進めます。量子技術や宇宙・海洋分野の研究開発も加速化します。

 世界で進む人に優しいデジタル社会の推進を加速化します。デジタル田園都市国家構想を地方のデジタルインフラ整備などを通じて進めていくとともに、マイナポイント第2弾として、マイナンバーカードの新規取得・健康保険証の利用登録・預貯金口座の紐付けで、最大2万円相当のポイントを付与します。

 もう一つの大きな柱は環境です。化石燃料の高騰を補助を使って抑えつつも、私が会長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟で、安価・安定の再エネを拡大していきます。蓄電池の国内生産基盤の確保やグリーン水素(再エネで生成する水素)の利活用も進めていきます。住宅ローン減税についても環境性能の高さに応じて借入残高の上限に差を設けました。

 経済安全保障についても、そのための重要技術の育成や秘密特許の仕組みの開発、先端半導体の国内生産拠点の確保、重要土地取引規制などを通じて進めていきます。

 防災・減災など国土強靭化については5か年15兆円の計画的な投資により、事前防災の観点で大地震や自然災害に備えます。


 私は今日本に必要なのは、かつて昭和の先人が発揮していたアニマルスピリッツの育成と多様性の尊重だと思います。

 中小企業の事業再構築、生産性向上のための投資、リカレント教育と人材の流動化などを進めていかなければいけません。農林水産業の輸出力強化も進めていきます。オープンイノベーション税制として、非上場企業への出資額の25%を課税所得から差し引く措置を24年3月まで延長し、出資要件を緩和します。それ以外にも大胆な規制緩和をしっかり行うよう主張し続けます。


 目を世界に転じると、これからの複雑な情勢に鑑み、自由主義陣営の連携を安全保障面でも経済面でも進める必要があります。

 DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ トラスト)を世界で進め、サイバーセキュリティーも確保します。

 憲法を改正し、自衛隊の活動をしっかり規定するとともにコロナをはじめ危機管理の仕組みを構築します。


 私はコロナ対応を見ても日本の底力は並みならぬものがあると信じています。今こそその良さを生かしつつ、大きな飛躍をする2022年にできるよう全力を尽くす所存です。

2021年11月3日水曜日

令和3年11月3日

 [7期目のチャレンジ]


 10月31日開票の衆議院議員選挙にて、おかげさまで7期目の当選を果たすことができました。


 ご支援いただいた地元首長・議員の方々や支持者・ボランティアの皆様、そして友党公明党の方々、スタッフの皆さんたちに心から感謝申し上げます。

 選挙中各所でのご激励は本当に励みになりました。


 選挙中様々な場所で申し上げましたが、前回の追い風の選挙時ですら共産党候補を含む野党2候補の得票数を足すと私の得票数を2000票近く上回る計算でしたので、今回の選挙は厳しいものになると最初から見当はついていました。

 党本部が実施した世論調査では、今年4月時点に比べて8月のコロナ拡大期には私の支持率が大きく落ち込み、それが総裁選・新内閣発足によってもさほど回復していないという状況でした。感染者数はこの間減り続けましたが、党幹部であった私にはコロナ対策や党の体質について厳しい目が引き続き向けられていたと自覚しています。


 党改革については、自民党を代表してプロジェクトチームを立ち上げ、公明党の西田実仁参議院議員をはじめとするチームと、広島の事件を念頭に、当選無効となった議員にも全額支払われている歳費の返還義務を認める議員立法案を作成しました。もちろんこれ以外にも様々な課題に取り組む必要があります。

 コロナ対策については、ワクチン接種の普及に伴い大幅に感染者数は減ってきたものの、私がいつも口にしている「正直者が馬鹿を見ない社会」実現のためには自粛を余儀なくされた事業者が割を食うような仕組みを改めることをはじめ、この欄で触れてきた行政のガバナンスのあり方や、決定のスピード・IT化の促進などの課題が残っています。

 もっとも「正直者が馬鹿をみない仕組み」については遅ればせながら先通常国会冒頭で、感染症法と新型インフルエンザ特措法の改正による罰則と支援の仕組みが実現しています。

 ただ、この法改正についても、要件が厳しくほとんど活用されていないうえ、私たち同僚議員の夜間飲酒や野党の反発もあり刑事罰は盛り込まれず、不十分なものでした。


 選挙区のカラーもあると思います。選挙区最大の自治体所沢市について言えば、私の得票数は81,601票と相手候補とは1,231票差でしたが、比例区の投票先を見ると

自民党 51,995票

公明党 20,236票

立民党 35,453票

共産党 16,725票

国民党   8,382票

れいわ     7,207票

社民党     3,126票

N裁党      2,318票

維新  16,545票

合計    161,987票

となっていますので、自民が弱く共産が強い土地柄と言えます。相手候補は無所属だったことから党派を超えた支持が集めやすかったと思われ、維新票の行方が勝敗を決したのではないかと考えます。


 文部科学大臣も経験しており、今回は大丈夫だろうという声を沢山いただきましたが、大臣時代在任中に進めようとした改革などについてもTwitterなどでは賛否両論がありました。ただ、自分としてはベストを尽くしたという自負がありましたので、あとは友党をはじめ地域の皆様の絶大なご尽力をいただいて、所沢を含む全ての自治体での勝利を収めることができました。

 ふじみ野市に関しては市長選とダブル選挙となりましたが、4期目を目指す現職の高畑博市長と活動をコラボすることができ、かなり得票を伸ばすことができたと思います。高畑市長の再選も心からお祝い申し上げます。


 結果としては過去2番目に多く、かつ久々の10万票超えの得票をいただいたので、そのご期待にしっかり応えるべく全力を尽くす所存です。


 11月1日に埼玉県庁で記者会見をし、今回の埼玉選挙戦の総括を行わせていただきました。

 立憲・共産の統一候補は確かに想定したほどの議席を得ることができず、埼玉県全ての小選挙区で自民党公認候補が議席を得ることができたのは大きな成果だったと思いますが、それは必ずしも野党連合が意味を持たないということではありません。

 共産党が付いたことで、中道層が保守陣営に寄ったという側面はあるものの、軒なべて一本化候補が接戦を繰り広げたことから考えると、先述したとおりコロナ感染が大幅に減少したこと、国民の関心事が経済対策、特に成長戦略の構築に向いていたことが勝因ではないかと考えます。維新が全国的にみて躍進を遂げたのもそういう側面を裏付けるでしょう。


 岸田総理は所信表明演説で「分配」を強調され、「改革」という言葉を使われませんでした。しかし国民が望んでいるのはやはり「改革」と「成長」であり、これがしっかり実現してこその「分配」であると確信しています。


 今回、総裁選で支援した河野太郎前ワクチン担当大臣が地元に応援に入って下さいましたが、すごい人気であり、国民が改革を求めていることを実感させました。

 これからもいただいた議席を存分に活用し、地域や日本の改革・発展のために尽力することをお誓い申し上げます。

2021年10月15日金曜日

令和3年10月15日

 [日本を守る責任]


 昨日14日、衆議院が解散され、事実上の選挙戦がスタートしました。


 新型コロナウイルスをはじめ、日本を取り巻く環境は内外とも非常に厳しく、時代は激動しています。

 私たち自民党・公明党の連立与党は、今まで以上に皆さまのご意見を丁寧に伺いながらも、理念無視の野合や単なるスローガンではなく、責任をもって、第6波を抑えつつ疲弊した経済を再生していきます。そして私は元文部科学大臣として、子育て支援や生涯学習を含めた教育の充実などに全力を尽くします。

 何とぞ、皆さまのあたたかいご支持、ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。ともに日本を前にすすめていきましょう!


1.コロナ対策と経済政策の両立に向けて


・党のワクチンプロジェクトチーム副座長として、ワクチン接種の後押しをしてきましたが、11月中に対象となる希望者すべての2回接種を完了できるようにします。

・ワクチン接種証明、ないし安価で信頼できるPCR・抗原検査の結果も活用し、経済活動を再開します。飲食・旅行、イベントの再開や基準緩和を合理的に進めていきます。

・国産ワクチン・治療薬の開発を強力に支援します。

・医療提供体制の予算を伴う充実、国と地方の権限明確化など感染症有事対応の抜本的強化を行います。

・非正規・子育て世帯・学生など、コロナでお困りの方々に給付金を支給します。また、痛手を受けた事業者への持続化給付金や家賃支援給付金の迅速な交付、既往債務の条件変更等の迅速柔軟な対応や資本性資金の提供を強く後押しします。

・「三方よし」の新しい日本型資本主義とともに、世界に後れを取らないための大胆な成長戦略やデジタル投資を進めます。利害関係者を広く参画させるコーポレートガバナンス、研究開発や人材育成・非正規の方々の条件改善や賃上げ、事業再編などへの支援や税制措置を講じます。10兆円ファンドの年度内設立により半導体・AI・量子技術・バイオなどの先端技術を官民で後押しし、若手研究者の支援を行うとともに、あわせて成長を阻む規制をしっかり見直します。9月発足のデジタル庁をフル活用し、セキュリティやプライバシーの保護の上でのマイナンバーの利活用も進めます。

・確かなクリーン・エネルギー戦略を成長の糧と位置付けます。世界水準の温暖化対策をリードできるよう、菅前総理の示した2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの最大限の導入、蓄電池・水素融合・自動車電動化などの推進、カーボンプライシングを後押しします。地産地消のエネルギーを広げていきます。


2.人づくりは国づくり


・文部科学大臣時代から取り組んでいる一人一台情報端末の整備や通信環境の充実に加え、デジタル教材を充実させて個別最適化された学びを確立。未知の問題に取り組む力も育みます。

・幼児教育、高校や高等教育の負担軽減をさらに進めるとともに質の向上を目指します。先生たちの勤務条件の向上、大学運営費交付金や補助金を充実させ、職業教育・生涯教育、世界や地域に開かれた学校を目指します。

・いじめ、自殺、不登校などの問題に真正面から取り組み、障害のある方々の就労支援や施設への助成も充実させます。

・こども庁を設置して、省庁間の横断や地方との連携を強化して子供のウェルビーイング(幸福度)向上を目指します。

・オリンピック・パラリンピックの成功を受け、スポーツの普及と健康寿命の延伸、心も含めたバリアフリーのさらなる推進を目指します。

・伝統芸能からポップカルチャーまで多様な文化を育み、生活の潤いを充実させます。


3.「信頼」「覚悟」の外交、安全の確保


・北朝鮮によるミサイル発射や中国の領海侵入に対し、日米同盟を軸として国際社会とも連携し、毅然とした対応をとるとともに、レーダー網や防衛システムの整備を進め、攻撃をためらわせる抑止力についても検討します。台湾海峡の安定・香港の民主主義問題・ウイグルの人権問題などについても法の支配と国際秩序の安定に貢献します。

・日本近海におけるグレーゾーン(武力攻撃とは言えない)事態に対し、穴のない法整備と海上保安庁の能力強化に努めます。

・経済安全保障の観点も含め、DFFT(自由で信頼あるデータ流通)の枠組み作り、サイバー防衛、サプライチェーン(生産拠点)国内化の促進、情報保護体制の強化を進めます。日本の名誉を守るための広報戦略の充実に努めます。

・相次ぐ台風や地震に備え、事前防災の観点から国土強靭化やICTによる点検を充実させます。

・感染急拡大時も含め、有事対応ができるための憲法改正の実現を目指します。


4. 地方が輝く時代を目指して


・所沢サクラタウンの利活用や三富新田の循環型農法の世界農業遺産申請など、地域の文化や自然をアピールし、まち興しにつなげます。

・ふじみ野市公立学校大規模修繕、三芳町藤久保地区の公共施設建て替えなどにより、教育・生活環境整備を支援します。

・三芳スマートインターのフル化、交通審議会答申に出た都営12号線(大江戸線)の東所沢への延伸を応援するとともに、多摩都市モノレールの所沢地区への延伸を求める声も国に届けます。

・狭山茶をはじめ、農産物・地場産業の地域ブランドやコンテンツを応援します。

・コロナ禍で脆弱性が指摘された保健所について、利便性の確保を支援します。


2021年9月30日木曜日

令和3年9月30日

 [次のステージへ]


 昨日29日実施された自民党総裁選で、岸田文雄候補が第27代総裁に選出されました。


 前回のこの欄で私は、「必要なのは、予測不可能な新しい時代に未来を切り拓くことのできるリーダーです。過去の言動が色々取り上げられますが、無論それは判断材料として重要なものの、これからの仕事と必ずしも一致するとは言えません。過去から学び、バージョンアップできるリーダーこそが求められているのではないでしょうか」と書かせていただきました。そして、色々言動が物議を醸しながらも問題点を先送りしない姿勢を明らかにし、ワクチン接種担当大臣としても実績を上げた河野太郎候補を応援させていただきました。


 昨日の総裁選での党員票で、党所属国会議員数382票に合わせて換算された全国の党員投票における河野候補への投票は169票。首都圏1都2県では河野候補の得票はほぼ5割、神奈川県では7割近くです。

 また、決選投票では各都道府県における多数投票を得た候補に1票が与えられますが、河野候補39票、岸田候補が8票です。特筆すべきは、原発立地県である福井県や新潟県でも脱原発依存を訴える河野候補が1位となっていることです。


 批判を色々受けながらここまで河野候補が支持を集めたのは、やはり政治が変わらなければいけないという危機感を多くの党員を含む国民が共有していることの現れではないでしょうか。


 岸田候補は政調会長時代、私も政調会長代理としてお仕えしてきました。また、外相時代には私は安全保障担当首相補佐官として、首相官邸における国家安全保障会議での議論をご一緒してきました。バランス感覚があり、敵を作らない人格者であって、心から尊敬している政治家の一人です。総裁選後は総選挙も間近に迫り、高市候補や野田候補、そしてそれぞれの候補を応援された議員や党員の方々と一丸となって、国民の皆様にご支援いただけるよう全力を尽くすべきです。

 しかし新総裁には是非上記した党員、ひいては国民の思いをしっかり受け止めていただき、今後の改革にまい進していただくことを切望しております。

[制限解除は段階的に]


 皆様のご尽力により、8月の半ば過ぎに2万5千人を超えていた全国の新規感染者数は、昨日は1986人となりました。病床利用率は全ての都道府県において50%を下回り、重症者は9月初めをピークに減少傾向にあります。一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けています。

 こうした状況を踏まえ、政府において19都道府県の緊急事態宣言及び8県のまん延防止等重点措置の全てを9月30日で解除し、飲食などの制限を段階的に緩和することが決定されました。ワクチン接種と中和抗体薬の投与が進んでおり、今後は一定の感染が生じても、安定的に医療を提供できるようになりつつあります。


 7月以降、病床、ホテルの追加に加えて、臨時の医療施設、酸素ステーションが全国で約80施設設置され、現在も増設が進められています。再び感染が拡大しても、すぐに使える病床や医療人材を確保できるように体制整備が進められます。ワクチンについては、全国民の7割が1回、6割が2回の接種を終え、アメリカの接種率を抜きました。高齢者の接種率は9割に達し、今回の感染拡大では、高齢者の感染者を10万人、死亡者を8千人減らすことができたとの厚労省の試算もあります。今後、10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する全ての国民が2回接種を終えられる見込みです。


 ただ、急速な緩和で第6波をもたらすことは避けなければいけません。10月1日以降、当面は、アクリル板の設置や換気などの対策をとり、認証を受けた飲食店において、都道府県の判断で、酒類を提供し、営業時間は21時までとすることも可能とされます。この欄で紹介したとおり、ワクチンの接種証明や検査結果も活用したさらなる措置の検討を進めて欲しいと思います。

 イベントの再開・基準緩和や、学校での感染防止と学びや行事の確保も、皆様のご協力を得ながらしっかり進めていきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

2021年9月12日日曜日

令和3年9月12日

 [新しい時代を作る!]


 新型コロナウイルス変異株が全国で引き続き猛威をふるっており、緊急事態宣言地域・まん延防止等重点地域は一部を除いて9月末までその指定が延長されることとなりました。


 しかしワクチンが順調に投与されていることや国民の皆様の多大なご協力により、新規感染者数は首都圏で急激に減少しつつあります。無論依然として医療現場のひっ迫は続いていますが、何とか療養場所の確保や既に2万件以上使用されている中和抗体薬の力などで乗り切れるよう応援していきます。

 田村厚労大臣はこのままのペースでいけば9月末には宣言解除ができるのでないかと見通しを述べ、その際の指標には新規感染者数よりむしろ医療提供体制に着目するとのことで、正しい方向を示して下さっていると思います。


 そのような中、17日から自民党総裁選がスタートします。3日の党役員会での菅総裁の突然の不出馬表明は、その場にいた私たち役員には事前に明らかにされておらずまさに青天の霹靂だったわけですが、これまでの政策は基本的に正しい方向で進めて下さっており、心からねぎらいの言葉を贈るとともに残された任期で全力を尽くしていただきたいと思います。


 今日12日現在、まだ候補者が確定していませんが、既に岸田・高市・河野の3人が出馬表明されています。私はお三方どなたともこれまで長年仕事やお付き合いをご一緒してきており、どのようなタイプでどういうお仕事をされるかは熟知しているつもりです。


 皆さん本当に立派な方で、一方私自身、政治理念があり、派閥に所属し、大変難しい立場にあります。

 ただ、内外情勢が激動する中、誰がリーダーとして一番ふさわしいか、また直後に総選挙を控えた今、どういう行動をとるべきか、極めて重要であることに鑑みれば、多くの議員が熟慮するのは当然のことだと思います。各派閥も明確に一本化支持を出せていない所が多いのも頷けます。


 必要なのは、予測不可能な新しい時代に未来を切り拓くことのできるリーダーです。過去の言動が色々取り上げられますが、無論それは判断材料として重要なものの、これからの仕事と必ずしも一致するとは言えません。過去から学び、バージョンアップできるリーダーこそが求められているのではないでしょうか。


 派閥の数合わせで決まるなら政策論争は必要ありません。国民に開かれた論議を堂々としていただき、悔いのない総裁選が実現し、新しいリーダーのもとで国難を突破できるよう、しっかり貢献する所存です。

2021年8月11日水曜日

令和3年8月11日

 [さらなる体制整備を]


 東京五輪は日本勢が空前の金メダル27個をはじめ、大いに活躍した大会となりました。一方、先週政府が示したコロナの重症患者やリスクの高い人を除いて自宅療養を基本とする方針については、世論は厳しい反応を示しています。


 4日、党本部で開催された新型コロナウイルス感染症対策本部の会議でも異論が続出。私も「中等症であっても家族感染リスクが高く、緊急搬送体制が不十分であることを考えれば、空きが出ている宿泊施設の活用をもっと進めるべきだ」と訴えました。


 デルタ株の強い感染力を考えれば、40代や50代のワクチン接種が十分でない段階ではいかに部屋や食器を分けても確実に家族感染は広がり、しかも感染者の世話をすべき他の家族が倒れることにより重症化のリスクは格段に広がります。

 医師・看護師の機動的な対応や、複数の抗体を混ぜて利用するカクテル療法など先進的な取組みを生かすためにも、現在移動自粛により空室が目立つ宿泊施設をもっと積極的に活用して患者を家族から隔離するとともに、施設の空き部屋情報の公開や感染者受入れの際の補償の上積みを図るべきです。東京では受け入れ可能なのは3000室弱だと言いますが、倍以上の活用ができるはずです。

 また、やむなく自宅療養をする場合であっても、陽性者へのパルスオキシメーター(酸素飽和度測定器)への配布、健康観察を担う看護師や相談窓口の充実を行うとともに、重症化マニュアルの詳細化やオンライン診療の充実などにより、容態急変時に速やかに搬送できるような体制を整えなくてはいけません。現状、24時間体制で往診できる診療所は全体の1割強で、オンライン診療に対応できる診療所や病院も全体の15パーセントと言われていますが、これではとても足りません。また、昨年来強化が叫ばれている保健所の体制・通信環境の充実も待ったなしです。


 何より、人口当たりの病床数は世界一と言われながら、小規模病院が多く、専門人材もECMO(体外式膜型人工肺)などの治療機器も不十分な日本の医療提供体制のさらなる充実が不可欠であり、それには国のみならず自治体や医療従事者の方々のご尽力が必要になってきます。


 昨年来叫ばれてきた重症病床確保については国の1床あたり1950万円の補助金により1000床余り上積みされましたし、今年初め改正された感染症法は都道府県知事による病床確保の要請や勧告の権限が強化されましたが、大規模病院への集約化や県をまたぐ搬送への対応が不十分なため、有効に活用できていないとの指摘があります。広域医療計画を関係機関の関与のもと改正し、また軽症化した患者を速やかに大病院から引き取らせるルールも定めて欲しいと思います。


[ワクチンにおける前進]


 この欄で触れているワクチンの充実については、8月9日までに総接種回数が1億回を突破しました。また、8月16日からアストラゼネカ製5万2800回分を、緊急事態宣言発令中の6都府県に供給すると国から発表されました。ファイザー製ワクチンについても7~9月までの供給量を600万回増やすことが決定したとのことです。


 各自治体には9月までのワクチン供給量の見込みが提示され、これで供給の目処が立たず一時停滞したワクチン接種が安定的なペースで再開されると期待されます。また、自治体側には現在2000万回以上のファイザー製ワクチンの在庫があり、それを配分調整すれば相当接種速度のバラつきがなくなってくると思います。


 もっとも、対象年齢12歳以上の希望接種完了は10月から11月とされていますが、若い世代には、コロナの重症化度合が少なく、一方副反応が大きいと言われるワクチン接種がどれだけ進むかが懸念されており、また重症化リスクの大きい40代から50代にかけてはもっと集中的にワクチンを打たないと今の感染急拡大に追いつきません。


 秋口に在庫が増えるような事態になれば、感染力拡大とワクチンの効力維持効果も見極めつつ、3回目接種について検討を進めていくよう政府に働きかけていく所存です。

2021年8月3日火曜日

令和3年8月3日

 [57年ぶりの夏季五輪]


 連日熱戦が続く東京オリンピックでは日本選手が大活躍。8月3日時点で金メダル数は17個となり、お家芸の柔道や体操のみならず、フェンシング、卓球、ソフトボール、競泳など多様な種目で国民の感動を呼んでいます。


 要因の一つとして、この東京五輪に合わせた競技力強化策があると思います。私が文部科学大臣時代にスポーツ庁長官をされていた鈴木大地さんのもとで、各競技団体の強化策や大会成績をもとに競技強化費を配分。総額も2013年度の33億円から2021年度には103億円となり、上記したお家芸以外の強化にも貢献しました。


 先月4日に実施された東京都議選では五輪開催の可否が争点となり、確かに自民党は苦戦しましたが、開会式をはじめテレビ中継が高視聴率であること、五輪を通じて伝わる努力やチームの仲間の素晴らしさへの共感、ポストコロナに向けた世界との連携強化などを考えれば、やはり無観客会場がほとんどでも開催してよかったと思わずにはいられません。


 他方、デルタ株の強力な感染力は猛威をふるい、既に五輪開催前から首都圏以外にも広がっていた感染者数は1日1万人を超え、東京ではついに4000人を超える規模となりました。

 重症化リスクの高い高齢者へのワクチン接種がほぼ完了していることや医療提供体制の強化が進んでいることから、この冬に感染拡大した時ほどの医療ひっ迫には達していません。しかし40代、50代の重症者は、都内では6月末の18人から8月1日には53人まで拡大しており、熱中症などの救急搬送も相まって、すぐに入院できずに自宅で療養する人が増えています。


 前回のこの欄で、ワクチン接種は7月末以降若年層職域接種が進むという見通しについて書きましたが、8月中旬以降にずれ込んでいます。また、自治体のファイザー製ワクチンは、調整枠の削減措置が撤回され、懸命に自治体と国、また医療従事者の方々のご尽力により接種が進んでいますが、菅総理が示した「8月下旬に2回の接種を終えた国民が4割に達する」見通しを達成するには相当の努力が必要となります。


 かくなる上は、やはり国民の皆様に感染拡大防止のための行動にご協力をいただくことがとても大切になってきます。現在感染の大きな割合を占めるのが若い世代の方々であり、貴重な日々に自粛生活を送るのは本当に忍びないのですが、ご自分のみならず大切な周りの人たちを守るため、お力をいただきたく思います。都知事が「8月は旅行でなくテレビの五輪観戦でステイホーム」とおっしゃっていますが、そのとおりだと思います。


 2日からは東京や沖縄以外の4府県で緊急事態宣言が発効し、期間も31日までと長くなりました。影響は大きく、前回のこの欄で触れたとおり、緊急事態宣言に伴う営業制限についても再検討して、一律営業禁止ではなく感染対策不十分な営業や、その結果感染が発生した場合のより厳格な罰則規定を設けるなどといった議論を始める時だと思います。さらに、諸外国でスタンダードになっているワクチンパスポートないし接種済み証の活用を行うべきでしょう。

 また、支援策についても、飲食店への協力金の前渡しや雇用調整助成金特例措置の延長などに加え、融資について返済不要とする方策(出資への切り替えや金融機関への補助など)を景気対策として打ち出すなど、迅速で実効性のある対策が求められます。当然補正予算の編成も必要となるでしょう。


 そして今こそコロナ後の給付迅速化や新経済を目指すデジタル・イノベーションや、温暖化対策を強力に進めるエネルギー政策の議論、統治や経済のガバナンスの議論などを進めなければいけません。


 厳しい日々を何とか乗り切れるよう、引き続き尽力して参ります。

2021年7月14日水曜日

令和3年7月14日

[綱渡りの先に]


 7月12日から8月22日まで、東京では4度目の緊急事態宣言が発令され、沖縄では同宣言が延長されています。


 当初は東京はまん延防止措置の延長という見立てでしたが、急速に感染が広がり、重症者も増えてきたため、五輪やお盆期間の感染爆発を防ぐためにこのタイミングで緊急事態宣言とするのはやむを得ないと思います。しかし既に国民の間には「自粛疲れ」が広がっており、強力な感染力を持つデルタ株の急速な拡大も相まって、どれだけの効果があるか懸念がぬぐえません。


 特にまたも酒類の提供が禁止されるため、飲食店や酒販店の打撃は大きく、措置に従わない業者が増えることが想定されます。そのため今回はリスクを覚悟で措置に従う旨の誓約書を提出した飲食店には審査を簡略化して協力金を前渡しすることとしました。

 そして西村経済再生担当大臣は、さらなる実効性を確保するため、休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に提供すると発表したのですが、これが猛烈に批判を浴びています。確かにこれまで協力金の支払いが大きく遅れ、お店は借り入れでどうにか存続を図ってきたのに、その金融機関から圧力をかけるとも捉えられかねない方法を取るというのは不適切と言わざるを得ません。法的な根拠もなく、金融機関の優越的地位の濫用を助長することにもなりますので、この発表が早々に撤回されたのは仕方ないと思います。

 同様に、酒販店に対しても飲食店への酒類の提供を止めるよう新型コロナ対策推進室及び国税庁から行政指導が出されていましたが、一転して廃止されました。


 この間の混乱は政府に反省を求めるものですが、一方、宣言に真面目に従った事業者が割を食うようなことは、私が初当選以来モットーとしてきた「正直者が報われる社会を作る」という方向に反し、何としても防がないといけません。塩崎恭久議員たちと党の感染症ガバナンス小委員会で取り組んできて野党との合意で実現した、事業者への支援と過料を内容とする特措法の改正などにつき、再度の見直しを検討すべきです。

 この間知見が重なってきたわけですから、緊急事態宣言に伴う営業制限についても再検討をし、一律営業禁止ではなく感染対策不十分な営業や、その結果感染が発生した場合のより厳格な罰則規定を設けるなども議論してはどうでしょうか。また、支援策についても融資について返済不要とする方策(出資への切り替えや金融機関への補助など)を景気対策として打ち出すこともあり得ます。党で議論していきます。


[切り札はやはりワクチン]


 こうした中でやはり状況を打開する最大の鍵となるのはワクチン接種の加速化です。しかしこれについても、せっかく始めた職域接種の申請受付が6月25日で中断したり、自治体からのワクチン要請に対して供給が滞るなど、目詰まりが相次いで報告されています。


 昨日13日、私が副座長を務める党のワクチン対策プロジェクトチームの会議が、河野ワクチン担当大臣を交えて開催されました。実はワクチンの輸入が滞っているわけではなく、また一日の接種回数は既に目標とされた100万件を大きく超え、140万件になろうとしているのです。


 6月までにファイザー製ワクチン1億回分、モデルナ製1400万回分が予定どおり輸入されました。

 そのうえ、7月から9月までの3か月でさらにファイザー製7000万回分、モデルナ製3600万回分が輸入されるので、これにより希望する全国民に2回行き渡るワクチン総量は確保されます。


 このうちファイザー製8800万回分は既に自治体に供給されており、高齢者3600万人2回分以上の分量が確保され、7月末までに希望高齢者の接種が終わる見込みです。

 また6月25日までに受け付けた職域接種は3700万回となっており、配送が確定した自治体での大規模接種分1200万回を加えてもモデルナ製総量5000万回で賄うことができます。若年層職域接種が本格化するのは7月末以降になりますが、厚労省で順番を確定し、供給2週間前に配送量の連絡があるとのことです。

 先述のとおり新しい職域接種受付は現時点で停止していますが、各自治体で若年層への接種拡大が進んでいるので、その分職域接種の残量が減っていきます。

 また自治体へのファイザー製ワクチン追加供給は、在庫が十分ある自治体にはペースを落としたり、スピードが速すぎる場所と遅すぎる場所の調整をしたりして安定供給を図ります。


 こうして希望する国民全対象者への接種は10月から11月には完了する予定です。私からはとにかく国民や自治体にきちんと情報提供をすること、自治体連携を十分行い、住所地と違う場所での接種があることも踏まえてワクチンの融通に不具合が生じないようにすることを要望しました。


 東京五輪が間近に迫ってきました。安全・安心な大会にできるよう、しっかり後押しをしていきます。

2021年6月10日木曜日

令和3年6月10日

 [反転攻勢へ]


 昨日9日、菅内閣初めての党首討論が実施され、党執行部の私は会場の自席から傍聴させていただきました。


 総理は相当準備され、自信を持って臨んでおられたように感じます。オリンピックが感染拡大契機とならないための具体策や基準作りについて再三問われた際も、水際対策強化や検査・ワクチン接種の充実、人流抑制に関して今なお検討を続けている旨答弁されました。

 もしこの討論が数週間前に実施されたら、野党は間違いなくワクチンをテーマとし、「7月末に希望高齢者接種完了への具体的道筋は」「一日100万回接種など楽観的過ぎる目標でないか」などと追及していたに違いありません。そしておそらく総理は「自治体や医療従事者と連携してあらゆる手立てを尽くす」というような答弁をされていたのではないでしょうか。


 大きな課題の実施のためには、トップが高めの目標で号令をかけ、現場の方々も含め知恵と努力で達成を目指すというのはごく自然なプロセスであり、もちろんその過程での検証や目標修正はあり得べきですがことさらに不安をあおって政局にするようなことは控えるべきでしょう。現にワクチンに関しては皆様のご努力で目標がほぼ到達しつつあります。

 これに伴い、また緊急事態宣言の効果もあって、新規感染者の実効再生産数や病床ひっ迫度は首都圏では明らかに改善してきています。立憲民主党枝野代表は昨日の討論で、新規感染者1日50人となるまで緊急事態宣言解除はすべきでないとおっしゃっていましたが、リバウンドを避けようとするあまり過度な制限をすれば社会経済生活が疲弊してしまうし、また上記した実効再生産数や病床ひっ迫度ではなく新規感染者数を基準にするのは科学的根拠としても薄弱だと考えます。


 総理が述べられたように、安心安全のオリンピック・パラリンピックを開催し、子供たちを含む国民の感動と将来への活力が生み出されるよう願ってやみません。


[歳費法は国民の理解と法的筋を通して決着を]


 広島の参議院議員再選挙をきっかけに、選挙違反で逮捕・起訴されて議員活動ができなくなったうえ当選無効判決が出されたにもかかわらず、歳費や期末手当が全額支給される現在の歳費法を改正する動きが各党で出ています。


 自民党では法曹である私が座長となって検討プロジェクトチームが発足し、既にたたき台として提案されている公明党案(4割を返納する案)や、立憲民主党案(国会審査のうえ全額について国庫納付義務を負わせる案)を議論しています。

 大切なのは、たとえ場面は違っても民間企業や公務員の場合の処理も念頭に置き、国民的理解を得られるような制度にすること、また歳費請求権や司法当局からの議院の自律性を定めた憲法との関係をどのように整理するかという観点です。一部報道には、自民党が議論を先送りしているかのようなものがありますが、必要な検討を着実に実施し、他党とも協議していくのは当たり前であって決して先送りするようなことはありません。


 課題は山積していますが、これからも全ての課題に渾身の努力をしていきます。

2021年5月7日金曜日

令和3年5月7日

 [これでよいのか憲法改正への道のり]


 昨日6日、衆議院憲法審査会にて憲法改正国民投票法改正案の採決があり、2018年6月(私が大臣に就任する前)に提出されて以来8国会にわたって審議されてきた本法案はようやく賛成多数での通過となりました。


 内容は、大型商業施設への共通投票所の設置や地域ごとの期日前投票の弾力化など、既に公職選挙法で改正済みの投票の利便性を増進するための7項目を、既に成立している憲法改正国民投票法にも適用できるようにするようにする、ただそれだけの内容です。

 野党はこの間、国民投票法改正にはCM規制の強化などより抜本的な内容を盛り込むべきだと主張して採決を拒み続けてきました。私もかつて国民投票法成立の際に議論に加わっていましたが、「国民投票の機会の確保などについては公選法と同様に扱い、憲法改正に向けた国民投票運動の自由に関する規制については主権行使の重要性に鑑みなるべく規制を最小限にする方向で」現行法の仕組みとなったというのが経緯です。


 無論、時代の変化に伴い、規制の必要性が大きくなることはありますし、法成立後急速に発達したインターネットを用いた投票運動をどのように規制するかなど、議論の必要性があるのはよくわかります。しかし前回の憲法審査会で私が発言したとおり、同じ法律の改正を異なるカテゴリーごとに複数国会にわたって行うということは枚挙にいとまがなく、審議が尽くされた改正案の採決を遅らせる正当な理由にはなりがたいと考えます。

 また、最近になって立憲民主党から、期日前投票の地域ごとの弾力化を行うと投票時間が減ってしまう運用になるおそれについて指摘がされましたが、これも私が発言したとおりそうした運用にならないための工夫は可能であり、現に今回の立憲民主党から提案された修正案についてはそのことについては触れられていません。


 立憲民主党の修正案は、公選法で投票環境改善にかかる2項目の追加改正やCM規制などについて、本改正法施行後3年を目途に必要な法制上の措置その他の措置(法改正に限らないということです)を講ずるという内容で、与野党協議のうえ、こちらも賛成多数で可決されました。

 しかしこの間、与党幹事からも今回の国民投票法改正案が採決された後、憲法本体の議論と並行してそうした国民投票法改正に向けた議論を継続することは再三にわたって確約しており、正直言ってこの内容の修正案だったらなぜ今になって出してきたのか理解に苦しみます。今国会中に提出中の法案について結論を出すとの自民党と立憲民主党との幹事長合意がなされたことからしぶしぶ対応されたのだと思いますが、この間、時代は(CM規制を取り巻く環境のみならず憲法本体も)大きく動いています。


 新型コロナウイルスの拡大により、国会が憲法56条の定める定足数を満たすことなく機能停止に陥ったらどうするのか、大地震により総選挙の円滑な実施ができなくなった時の議員任期をどうするのか、私がNHK番組でまん延防止措置への国会関与について触れましたが、今後緊急事態が生じた際の国会関与プロセスをどうするのか、来年に迫った参院選の一票の格差をどうするのか、劇的に変わる国際情勢において自衛隊をどう位置づけるのか、などなど、議論すべきことがこの間停滞してきました。


 一部には「コロナ対策が緊急の課題であり、憲法論議は不要ではないが不急だ」という論調があります。しかし上記した課題が不急と言えるでしょうか?

 のみならず、コロナ対策が大切と言いますが、マイナンバー普及や行政のデジタル化が大きく遅れてきた背景に、国民総背番号制に対する国民のアレルギーがあり、ワクチン国内開発の遅れの背景に副作用に対する過度な不安があるということを忘れてはいけません。安全保障のまともな議論ができないこと、今回の国民投票法の改正についての反対運動をも見るにつけ、戦後日本が自らの未来を切り拓く力そのものを失ってきていることに強烈な危機感を感じています。

 国民主権と言いながら、74年間現行憲法がただの1回も国民投票を経ていないことは正常と言えるのでしょうか?


 文部科学大臣を務めた今、日本の教育のあり方こそが日本を復活に導くのか衰退に導くのかを分ける重要な問題であると感じるとともに、この憲法改正が極めて重要なテーマだと確信しています。高いハードルであっても全力を尽くして参ります。

2021年4月25日日曜日

令和3年4月25日

 [辛抱、その先に]


 菅総理が4月25日から5月11日まで17日間となる緊急事態宣言を、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に発令しました。


 前回のこの欄で紹介した緊急事態宣言解除からひと月(大阪は先行して2月末に解除)。まん延防止措置の活用はありましたが、コロナに慣れるとともに続く自粛に疲れている国民の方々の行動にはさほどの変化はなく、一方で変異株の猛威により、特に大都市圏では急速な感染拡大が問題となっていました。


 今回の変異株は感染力の強さに加え、従来型と異なり若年層の罹患・重症化事例が多く、既に大阪で入院対象者の病床が足りなくなっている状況に鑑みても同地区や周辺自治体への発令は当然と考えますし、東京でも第3波以来の感染者の急速な伸びを考えるとこのタイミングでの発令はやむを得ないものと考えます。


 内容も実効性を考えてかなり厳しいものとなっています。まん延防止措置ではオプションとなっていない休業要請を、生活必需品売り場を除く百貨店やショッピングセンター、テーマパークや遊園地などに行い、飲食店は午後8時までの時短営業に加えて酒類やカラオケの提供ができなくなります。

 スポーツの試合やコンサートなどの大規模イベントは、これまで入場客の規制緩和を検討していましたが一転原則無観客とし、公共交通機関の減便要請やテレワーク強化による出勤者7割減を目指します。


 新たにまん延防止措置の対象に愛媛県を加えるとともに、宮城・沖縄についても5月11日まで期間を延長します。また、埼玉県などでまん延防止措置の対象区域を拡大し、私の地元の所沢市・ふじみ野市・三芳町各自治体も範囲に含まれるようになるうえ、東京での酒類提供の禁止を免れる客の流入がないよう、この地区でも酒類提供自粛が要請されるとのことです。


 大切なのはやはり科学的根拠に基づく合理的な説明だと思います。これまでは飲食の場を主に制限してきましたが、先述した変異株の猛威に加え、ゴールデンウィークに伴う人流の大幅な移動そのものを制限するために短期集中的に対策を講じる必要があること、その趣旨に鑑みれば集団での路上飲みなども自粛せざるを得ないこと、見回りや罰則(過料)による徹底が求められることなどです。


 また、それに伴う支援措置も迅速で適切なものでなくてはいけません。既にまん延防止措置のもとで支援対象となっていた飲食店に対するものに加え、休業要請される大型商業施設については1日あたり20万円、テナントは2万円とのことですが、金額の算出根拠に加え、既存の支援策との関係についてしっかり説明をお願いしたいと思います。また、返済猶予や新規融資などの金融措置が遺漏なく行われることが急務です。


 多くの方々から「このような事態になってもまだオリンピック・パラリンピックの開催にこだわるのはおかしい」というご批判があり、また与党の中からも開催中止に言及する声があります。

 しかし今回の措置が大きな効果をもたらすと期待しています。また、前回この欄で紹介したとおり、ワクチンの接種が今後飛躍的に拡大し、高齢者向けの接種こそ7月までずれ込む見通しとなってしまいましたが、今後歯科医師の方々による接種をお願いしたり、なかなか予約ができない状況に自治体や施設と連携して対応したりして、五輪までに状況の改善が見込まれます。病床の確保についても、それぞれの自治体と医療機関がよく連携して行うことが、改正感染症法で知事の病院に対する勧告権が付与されたことに伴って見込まれます。それぞれの機関の機能分化と連携に、しっかり国としてもサポートをしていきます。

 たとえ海外からの観客がいなくてもオリンピック・パラリンピックがもたらす気運の盛り上がり、それがもたらす世界的報道の充実や消費の拡大などに鑑みれば現在経済的苦境に立っている日本にとって大きな意義があると確信しており、辛抱の先に明るい光が見えることを信じて日々頑張りたいと思います。


 今日投開票となる衆参の補欠選挙・再選挙は、これまでの政府与党の不祥事やコロナの拡大が影響して厳しい戦いとなっていますが、一丸となって今後の政局にも臨んでいくことが必要です。国民投票法について議論する憲法審査会も衆議院でようやく審議が再開されました。デジタル化やグリーン化を含め、国の抜本的な改革を進めるためには大きなパワーが必要です。自らその一員として精一杯尽力する所存です。

2021年4月1日木曜日

令和3年4月1日

 [第4波をくい止めろ]


 3月21日、一都三県の緊急事態宣言は解除されました。前回のこの欄で示した病床ひっ迫度が改善されたということで、飲食店の営業時間が午後9時まで延長されることも決まり、よかったと思います。おかげさまで21日の自民党大会や、私が会長を務める自民党埼玉県連主催の政経フォーラムも、感染防止に万全の対応をして無事開催することができました。前者では手話での党歌が、後者では前スポーツ庁長官鈴木大地さんのスポーツが未来を創るという内容の講演が、それぞれメディアでも注目されました。


 しかし関西圏や宮城、愛媛など地方で感染リバウンドの傾向が見られ、大変憂慮しています。28日に出演したNHK総合テレビ「日曜討論」で、今後のリバウンド対策としてまん延防止措置の活用に言及しましたが、オリンピック・パラリンピックを控え、何としても第4波をくい止めなければいけません。

 自治体とも連携して、病床確保や医療体制の強化を進めるとともに、高齢者施設などでのクラスター対策、国境での水際対策、変異株も含めたPCR検査体制の抜本的強化やゲノム解析などを進めます。ワクチンを国力を挙げて確保し、前回この欄で述べたとおり今年前半には高齢者向け配布を完了できるよう努めます。


 おかげさまで年度内に令和3年度予算が成立しました。既に成立している補正予算と合わせ、コロナ対策で厳しい事業者の方々に協力金・一時金の支払いをするとともに、資本性資金を含む融資の拡大や、持続化補助金や事業再構築補助金などの活用を進めます。文化芸術・スポーツ活動の支援も拡大します。


 これまで支援が十分行き届かなかった非正規雇用の方々のシフト減にも対応し、生活の苦しい子育て世帯に向けた融資や給付、フードバンクや子ども食堂への支援、NPO等を通じた孤独・孤立・自殺対策のための補助や居場所作りなどを進めます。


 待機児童対策、育休取得支援、不妊治療への公的助成拡大や来年の保険適用に向けた準備も行います。


[デジタル化・グリーン化のメリットを全ての方々に]


 コロナ支援、医療や行政サービスの利便性確保、新たな産業の展開などのために、9月のデジタル庁発足をはじめ、オンラインや人工知能の利活用のための法整備を行います。そのためにの情報人材の育成、プライバシーやサイバーセキュリティの確保も手当てします。また、携帯電話の通信料やNHK受信料の引き下げを行います。


 これからの成長戦略のもう一つの柱が「環境」です。菅総理の2050年カーボンニュートラル宣言を受け、議員連盟会長として尽力している再生可能エネルギーの普及を加速します。温暖化対策法や脱炭素化促進のための産業競争力強化法等の改正を今国会で実現します。


[ひとづくりは国づくり]


 40年ぶりとなる小学校での35人学級を実現するとともに、教育の個別最適化を進め、オンライン学習と対面学習のバランスを確保します。

 今問題となっている先生方の業務負担を減らし、併せて学生や研究者の支援を充実させます。また、ベテランの方々の生涯学習や文化・健康の増進を応援致します。

 10兆円の大学ファンドを創設するなど産学連携を促進し、外部人材や地域の方々の教育への参加も後押ししていきます。


[地方の輝く時代へ]


 コロナ後を見据え、地域から徐々に観光や移動を復活させていきます。

 そして引き続き農商工連携や農産物輸出を進め、テレワークの支援や企業・自治体のマッチングを行います。

 地元ではサクラタウンの賑わいや入間インター付近の開発、三富新田の世界農業遺産に向けた取組みなどを応援するとともに、防災の優位性を生かし、国土強靭化の進んだ地域として人々を呼び込みます。


[激動する国際社会での存在感を発揮]


 バイデン大統領に交代した米国やイギリス・インド・オーストラリアなどと連携し、自由で開かれたインド太平洋地域を断固として守ります。経済安全保障も含め、急速に強大化する中国や、ミサイル・核開発を進める北朝鮮に対して、きちんと国益を主張します。サプライチェーンの国内回帰やワクチンの国内開発も進めます。


 他にも憲法改正国民投票法改正など課題は山積していますが、日本の素晴らしさ、多様性や創意工夫を大切にした寛容な社会づくりを大切にしつつ、引き続き全力を尽くすとともに、綱紀粛正にもしっかり取り組んで参ります。


2021年3月7日日曜日

令和3年3月7日

 [希望の糸を切らすな]


 政府は5日、一都三県の緊急事態宣言を21日まで再延長すると決定・発表しました。追加宣言の大阪・京都・愛知などは2月末に既に宣言解除が実施されており、今回の延長は残念です。


 これまで宣言解除の目安とされていた新規感染者数など各指標のステージ4からの脱却は達成できたものの、5日時点の病床使用率は埼玉・千葉が基準50パーセントに比し、それぞれ41・46パーセントと依然高く、新規感染者数も安定的には減少していないということです。今後年度末を迎えて各種行事が実施され、その後オリンピック・パラリンピックも控えていることを考えれば、何としても感染のリバウンドを避けたいという趣旨は理解できます。


 しかし、あらかじめ示した基準を動かし、ようやく終了だと思って頑張ってきた方々に「あと2週間頑張れ」と言うのは、「では結局どうなれば宣言は解除されるのか」「もう限界を超えている」という批判にさらされることは当然だと思います。

 ついては、各指標について、より明確に解除条件を明らかにすること、特に病床使用率を引き下げるというのであれば、医療サイドにもコロナ患者を受け入れる病床を「これだけ増やす」という目標を示していただくことが必要ではないかと考えます。党のコロナ対策本部で訴えていきます。


 三次補正予算の成立により、飲食店をはじめとする打撃を受けた方々に対する各種支援策の実施が決まりました。コロナ関係設備の導入や企業再編、困窮世帯や学生の支援なども、スピード感をもって進めていかなければいけません。また、窮状をしのぐ融資についても、前回のブログで触れたとおりまだ現場に十分積極的な対応が浸透していないという報告を受けており、監督官庁を通じて徹底をしていきます。


 しかし何と言っても最大の経済対策は正常な社会活動の再開です。


 そのため、今回の緊急事態宣言延長では、特に大都市や高齢者施設などでの大規模なPCR検査を実施するとしています。また、私が党のプロジェクトチーム副座長を拝命したワクチン接種に関しては、河野大臣や各自治体・医療関係者などのご尽力により医療従事者に対する接種が始まっており、アナフィラキシーといった副反応などの情報公開も進んでいます。幸い現時点では重度の副反応は少ないうえ適切な措置により回復も順調とのことですので、是非6月中に各自治体向けに配送が完了するという高齢者向けワクチンについて、国民の皆様には積極的な接種をお願いしたいと思います。また、施設での個別接種の際には若い職員も一緒に打てるなど、柔軟な対応を進めていただければ幸いです。

 これまで日本ではワクチンの開発については、副反応に対し、社会のアレルギーや責任回避の姿勢が顕著で対応が遅く、また、感染症がそれほど深刻でなく治験も制度面も含め進んでこなかったこともあり、先進国の中では後手に回ってきました。中国など諸外国が現在ワクチン外交でリーダーシップを取っているのを見ると、他国のワクチン確保に汲々としている日本の現状は本当に問題だと思います。

 マイナンバー普及をその弊害がもたらす懸念が遅らせていることもそうですが、しっかり合理的な対応・説明をしつつ改革を前に進めるという姿勢をもっと示すことが必要と考えます。今後日米豪印首脳がワクチン配布計画を協議するとのことですが、国産ワクチンの普及をしっかり加速させる努力をしていきます。


[震災から10年]


 東日本大震災からまもなく10周年を迎えます。先週「朝まで生テレビ!」に出演して福島県の復興の状況を現地から報告していただきましたが、いまだに原発処理の遅れが復興の大きな足かせになっていることを痛感します。今年はエネルギー基本計画も改訂されます。菅総理が表明した2050年カーボンニュートラルの目標は極めて高いものですが、イノベーションを加速し、この冬発生したような電力供給不足を市場の健全化を進めて防ぎつつ、再生可能エネルギーの最大限の普及に向けて取り組んでいきます。

 鍵となるのはイノベーションです。日本発のイノベーションを起こし、地方創生をエネルギーを用いて進めていけるよう頑張りますので、引き続きのご支援を心よりお願い申し上げます。

2021年1月8日金曜日

令和3年1月8日

 [スクラムのひと月]


 昨日7日、政府より東京・埼玉・千葉・神奈川の一都三県を対象とした緊急事態宣言が発出され、本日から施行となりました。


 遅きに失したとのご批判もあります。

 しかしデータで見ると、全国のコロナ重症患者が増えるペースが鈍化し、ピークアウトするかと思われた昨年12月18日から、感染者数が多い東京などに限ったGo to トラベル到着分停止・出発分利用抑制の呼びかけを行い、年末年始の人の往来の多い12月28日以降全国一律にGo to トラベルの全国一斉停止を行って、今回感染者数の急増に伴い緊急事態宣言を感染者数が多い地域に限って発出するという一連のプロセスは、感染拡大阻止と経済活動の両立という意味では合理性が見て取れるのではないでしょうか。


 今回の陽性者の急増は、年末年始の前、クリスマス前後の人の移動が起因していると思われます。三密防止や会食の際の留意事項などについては呼びかけていたものの、国民の皆様により強いメッセージを届けられなかったことについては反省の余地があると思います。しかし感染者・死亡者とも日本と桁が違う欧米のようなロックダウンを行うことは、法制上も無理がありますし、社会経済上も影響が大き過ぎます。


 まずは今回の措置をしっかり守っていくことが何よりも重要だと考えております。


 しかしながら、飲食店の営業制限のみがクローズアップされてはいけません。テレワークによる出勤者の7割減、大規模イベントの参加人数5000人及び定員割合50パーセントの制限、午後8時以降の不要不急の外出自粛、こうしたことにより多大な影響を被る業種が数多くあります。そうした方々にきめ細かな補償をしていくことが求められます。これまで立てた経済対策にしても延長を検討したり、劣後ローンがほとんど利用されていないなど不具合の是正に果断に取り組むべきです。


 批判を受けているビジネストラックによる外国人の入国に関しては、入国目的を達成できないような隔離について、72時間以内の陰性証明と入国以降の厳格な行程管理を条件として感染状況が深刻でない国に限って免除するという仕組みは合理性があるものと考えますが、このような状況になったわけですから、たとえ感染状況が深刻でなくとも感染力の強い変異種が対象国で発生した場合はもとより、国民の理解を得られるようなさらに強い規制をしていくのはやむを得ないと考えます。


 いずれにせよ、こうした施策の実効性の確保のためには、私が座長代理を務める党の新型コロナウイルス対策本部感染症ガバナンス小委員会で既に提言している、感染症法・特措法の改正が必要です。ずっと臨時国会での改正を主張してきましたが、今からでも迅速に、政府の措置に従った方への手厚い支援と、正当な理由のない違反についての行政措置(刑事罰は慎重にすべきと考えます)、偏見防止、また自治体と国との権限関係の整理やHER-SYSによる情報共有など、しっかり法律上の根拠を持たせるべきです。


 また、医療現場の負担を極力緩和することも急務です。

 予算措置による病床確保に加え、協力して下さる医師の方々への交付金を用いた支援をするとともに、清掃業務などを看護師以外の方々に外注することを促進したり、軽症の方々の自宅・宿泊施設での療養を促すとともに異変が起きた時に迅速に医療施設で対応ができるような体制の整備をしたりすることが必要です。


 施設・人材の医療資源はいまだ偏在しており、夏の時期に第3波に備えたシフトをしておかなかったことは非常に問題です。日本人は危機が過ぎると次の危機管理をしようとするモチベーションが薄れてしまうように感じます。前記したガバナンス小委員会の提言は多岐にわたりますが、政府には是非フルに参考にしていただきたいと思います。

 また、ワクチンについては2月下旬からの投与が予定されていますが、副作用の報告もあり、安全性の確保や対象者の優先順位の明確化などをしっかり行うべきです。


 学校現場の不安も大きくなっています。若年層の重症化事例が少ないことから今回の措置では一斉休校は求められず、また間近に迫った入試についても少なくとも大学入学共通テストは予定どおりのスケジュールで実施されるとのことですが、極力感染防止に努めるための留意事項を文部科学省から遺漏なく発出して欲しいと思います。


 いずれにせよ国難に直面する中、一致結束したスクラムでこの難局を乗り切ることが必要です。