2023年10月27日金曜日

令和5年10月27日

 【真摯な受け止め】

 去る10月22日に開票となった所沢市長選挙で、応援していた現職藤本正人候補は残念ながら結果を出すことができませんでした。

 ご支援いただいた皆様に心から感謝申し上げるとともに、候補の過去12年の実績や地域への思いを十分伝えられず、ご期待に応えられなかったことをお詫び致します。選挙結果を真摯に受け止め、今後の糧として参ります。

 また、同日実施された衆参補欠選挙では、長崎4区では議席を死守したものの、高知・徳島選挙区では野党統一候補に苦杯を喫しました。

 選挙直前に埼玉県議会で自民党が提出した虐待禁止条例改正案が影響したのではないかとの報道もあります。選挙結果には様々な要因があると思いますが、住民の皆様の信頼を得る努力は国・県・市あらゆるレベルで不断にしていかなければいけないと肝に銘じなければいけません。

【しっかり詰めなければいけない経済対策】

 20日に始まった臨時国会で総合経済対策の議論が行われています。コロナ後経済は好転しつつあり、需要が回復してきていることから、経済対策は効果のある物に絞っていくことが必要です。過剰な財政措置はインフレを加速させるおそれもあります。

 経済対策第1の柱は物価高対策です。前回のこの欄で述べたとおり、燃料、電気やガス、食料品などへの支援は、いつまでも続けるわけにはいきません。今回はやむを得ず4月末まで期間を延長するものの、脱炭素との関係など不断に検証し、外交面での改善や省エネ政策の推進などに本気になる必要があります。

 そして注目されているのが空前の税収増の国民への還元です。国民の多くは防衛費の増額や少子化対策の充実により将来負担が増えることに不安を感じており、税収増はそうした取組みの財源に充てるという意見もありますが、当面の物価高を超えて賃上げが浸透し、手取りの増加を実感できるまでの間に国民に対する給付を行うことに合理性はあると考えます。

 野党は手厚い給付を所得制限付きで実施する方針を示していますが、国民に減税への要望が強いことから、一定の給付を中低所得の方に対して行うとともに定額減税を組み合わせる方針は(後者の効果が法改正などで遅れるとはいえ)理解はできます。不公平や過大な事務負担とならないよう、しっかり制度設計をしていきます。

 また、自治体の状況に応じた対策を可能とするよう地方交付金の増額も目指します。

 第2の柱は賃上げ支援です。春闘で大企業は30年ぶりに3.58%の高い賃金上昇となりましたが、中小企業への浸透のためには下請け価格の適正化などをしっかり監視する必要があります。赤字企業に効果が薄い賃上げ税制の改善や、農林水産品の輸出拡大を進めます。

 医療・介護・障害福祉などに関わる方々が報われる報酬改定、幼稚園や保育園で仕事をされる方々の処遇改善、公教育の強化と先生方の負担軽減を着実に進めます。置き配や荷待ち減少の後押しなど、物流2024年問題に対応するとともに、コロナ後の観光戦略を文化振興と併せてしっかり進めていきます。

 いわゆる106万円・130万円の壁を乗り越える給付策を取るとともに今後の社会保険のあり方をしっかり議論し、リスキリングなどと併せて正規・非正規の差をなくし、労働市場を活性化していきます。

 第3の柱は成長力強化に資する国内投資の促進と金融支援です。私が議連活動で進める半導体や電池・再エネの産業強化、認知症や新薬への開発支援、知財収益課税の特例を定めるイノベーションボックス税制の導入、スタートアップ支援、大胆な規制見直しなどを通じ、国際競争力を高めていきます。

 第4の柱は人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の推進です。就学支援拡大に外国人労働者の適正な活用、デジタル技術活用を徹底した地方の活性化や行政サービスの高度化、11月に終わるマイナンバーの検証を経た改善などにしっかり取り組みます。

 第5の柱は国民の安全・安心の確保です。防衛力や外交力の強化をALPS処理水問題など情報発信の適正化も含め進めます。ウクライナ問題と中東問題いずれにおいてもわが国の国益をしっかり守り、自由で開かれたインド太平洋地域の確立に向けて尽力します。防災・減災など国土強靭化、サイバーセキュリティや海洋・宇宙での取組みも先端技術を活用して進めます。子供の性被害防止にも取り組んでいきます。

【自覚を持って】

 今度の人事で党の政調会長代理に就任しました。政局は内向きの問題ですが政策の実施はまさに国民の未来を左右するものです。自覚を持ってしっかり取り組み、丁寧な説明をしていくことをお誓い致します。

2023年9月2日土曜日

令和5年9月2日

 【猛暑続く】

 通常国会閉会後、久々に開催された地元の夏祭りなどの行事に伺う日が続きました。どこも猛暑に見舞われながら沢山の方々で賑わい、コロナ下でいかにこうしたイベントが熱望されていたかを実感しました。

 党の中で設置をずっと訴え、そして新型コロナ特措法の通常国会での改正を受け、ようやく内閣感染症危機管理統括庁が司令塔として9月1日に発足しました。遅きに失した感はありますが、感染法上5類への分類見直し後再び感染者数が増えているとされる中、社会経済活動を極力スムーズに進めるためにも、必要な措置を迅速に講じる体制が今からでも必要だと思います。

 猛暑の中、GX(グリーントランスフォーメーション)の取組みは待ったなしであることを痛感しています。経産省は来年度の概算要求で1兆円の推進対策費を要求。私も再エネ・省エネを進め、バッテリーへの投資もしっかり後押ししていきます。

【中国との関係】

 8月24日、福島第一原発からのALPS処理水の海洋放出が始まりました。IAEA(国際原子力機関)が安全性を確認した処理水を、十分薄め、かつ30年かけて少しずつ沖合1kmの場所で放出することには、韓国はじめ諸外国の理解を得ています。
 中国のみが日本産水産品の全面輸入停止措置を取り、挙句の果てには様々な嫌がらせを放置していることを断じて許すわけにはいきません。私たちとしては国際的な情報発信を強化したり、IAEAの(中国での原発近海を含めた)検査比較を求めたり、WTO(世界貿易機関)への提訴を求めたりするなどを政府に促しています。
 (経済)安全保障面を含め、中国に対する毅然とした対応が必要です。

【ウクライナ情勢の膠着】

 ワグネルを率いたプリゴジン氏が飛行機事故で死亡し、NATOの支援を受けるウクライナはロシアに対して善戦するものの戦況は膠着状態が続いています。首都キーウをはじめ、民間人など多くの犠牲者が出続けており、日本も戦争終結に向けてあらゆる支援を講じるべきです。
 そのような中、与党の燃料油価格高騰対策の延長に関する要望を受け、政府は9月末で終了する補助金による価格引き下げ策を年末まで延長することを決定しました。確かに生活への圧迫は大きいですが、諸外国ではこうした価格高騰対策をそれほど講じておらず、ガソリン価格が日本の1.5倍以上になっている例も少なくありません。産油国の需給調整を遅らせる可能性や、脱炭素への逆行も指摘されています。私は政策検証のため延長期間を細かく切り、外交努力やエネルギー政策転換などを怠りなく進めていくべきと考えます。

【IT環境整備に貢献】

 AIの進展に伴う著作権法との関係を検討したり、幹事長を務める党の情報通信戦略調査会で情報と通信の融合に伴うNHKのインターネット配信に関する提言をとりまとめたりしています。また、防衛財源確保の見地からNTT株を売却することについての検討にも参加しています。
 マイナンバーカードの利活用を含め、IT環境整備に向けた議論を進めていきます。

【家族法改正に道筋】

 会長を務める共同養育支援議員連盟が後押ししていた法制審議会家族法部会の民法改正に関するたたき台案が、先月29日に示されました。
 これまで離婚後単独親権のみしか認められなかった法制が大きく変更され、原則共同親権として監護者の単独指定も行わなくてよいという案です。画期的であり、引き続き子のための利益を最大とする法制度の実現に向け詰めを急いで参ります。

【グループ新体制】

 所属する安倍派(清和政策研究会)にて、新たに発足した15人の常任幹事の一人となりました。党内最大政策グループの幹部として、政策形成や党運営に対してしっかり責任を果たしていきます。



2023年6月17日土曜日

令和5年6月17日

 【変化への挑戦】

 昨日16日、今年の政府の骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)が閣議決定されました。

 先月広島で開催され、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加したG7サミットで確認された経済面を含む安全保障の強化がしっかり盛り込まれています。
 しかしもし今後もロシアによる侵攻が長期化すれば食料やエネルギーの価格高騰は続き、円安もあいまって政府が燃料補助などの対策をしてもなかなか効果が身近に感じられないこととなります。

 これを補うためにも、骨太方針に示された30年ぶりの高水準の賃上げを持続的なものとし、かつ中小企業・地方にも広げていく必要があります。グリーン・デジタル分野の改革、スタートアップ支援やコロナ後のインバウンド需要の拡大などを進めるとともに、労働移動の促進や再教育など人への投資、生成AIや医療分野などの規制見直しも含めたイノベーションを起こす必要があります。
 官の投資を呼び水に、過去最高水準の国内投資115兆円の早期実現を目指します。

 そして大きな障害となっている少子化の波をくい止めなければいけません。
元文部科学大臣として取り組んでいる子育て政策の充実や教育の負担軽減と併せて、家族の絆の大切さや暮らしの安心を実感できる社会、多様な価値観を認め合う社会の実現に向けて全力を尽くします。

 防衛費が5年間で43兆円、今後3年間の集中的な少子化対策は年間3.5兆円とされていますが、これからの歳出のあり方の見直し、増収に伴う決算剰余金の活用などを活かし、経済への足かせとなる増税は極力避けるべきだと訴えています。
 解散も遠のき、安定した政治の枠組みの中で私もしっかり役割を果たして参ります。

2023年4月29日土曜日

令和5年4月29日

 【謙虚に結果を受け止める】

 衆参補欠選挙、統一地方選挙が終わりました。

 前者についてはおかげさまで自民党は衆議院和歌山1区を除いて4つの選挙区で勝利を収めることができました。また、後者についても全国的に堅調な結果を残すことができました。


 私が県連会長を務める埼玉県においても、前半戦の県議選・さいたま市議選では現有議席の死守という最低目標を達成でき、後半戦の市・町の首長や議会議員選挙でも悲喜こもごもはありましたが総じて一定の成果を挙げたと言えます。ご支持・ご支援をいただいた全ての皆様に心から感謝申し上げます。


 しかし関西地区を中心に維新の会が躍進したことは重く受け止める必要があります。自民党は保守政党でありつつもいかに成長・改革できるかが問われています。民間の創意工夫を生かし、国・都道府県・市町村が危機感を持ってしっかり連携のうえ未来を切り拓いていかなければいけません。


【飛躍的に進むデジタル化への対応】

 AI(人工知能)の発展や社会のデジタル化が急速に進んでいます。ChatGPTにより、知的労働の多くが不要になるのではないかという懸念が広がっており、大学においては本来の勉強の妨げになるため規制をかけようという動きが出たり、データの扱いが個人情報保護上いかなる問題となるか検討する動きもあります。


 AIは非常に利便性が高いですが、データの質や収集時点などによる限界もあり、最終的にはしっかり人間が見極めをする必要があります。そのための新たな能力が人間には必要になってきます。規制というよりは、時代の変化に伴い、教育内容もルールもアジャイル型で(その都度機敏かつ柔軟に)改革していくことが必要な時代になったと言えます。政治の場でどのように対応するか真摯に検討します。


 マイナンバーカードやオンライン決済の急速な普及をはじめ、社会が利便性を増す一方で、第三国からの攻撃などセキュリティの問題やプライバシー保護といった要請もますます高くなります。また、高齢の方や設備投資が遅れている中小企業について、しっかりフォローしていく必要もあります。現場の声を的確に政治に反映させていきます。


【ポストコロナ・ウィズコロナの社会へ】

 新型コロナウイルスの感染法上の5類への移行後は、移動の自由や療養期間の短縮、マスク着用の任意化などにより、対面活動や観光などをはじめ経済が復活することが見込まれます。一方で、人手不足、依然続くウクライナ戦争の影響などで物価高も続く中、生産性の向上・賃上げを進めていかなければいけません。農商工連携も地域で後押ししていきます。


 先に述べたデジタル化に加え、脱炭素・省エネ・再エネに向けた経済の動きを、所属する議員連盟の活動を通じてしっかり後押しします。また、学び直しによる新しい技術の習得、同一労働同一賃金の推進による正社員と非正規社員の格差是正、いわゆる103万・130万の壁の除去、転職市場の活性化などを進めていきます。


 日本を世界の人材から選ばれる国にしていくことや、逆に日本から世界にチャレンジしていくことも後押しします。超党派の日本語教育支援議員連盟会長として関連法案成立に取り組みます。
 世界から外れていると批判された家族法制の改正は、離婚後共同親権の導入に向けて政府が舵を切りました。また、次元の異なる少子化対策に向けて、出産・子育て支援や保育などの充実、育休制度拡大や働き方改革促進なども重要なテーマです。引き続きご支援いただくよう心よりお願い申し上げます。

2023年3月30日木曜日

令和5年3月30日

 【予算成立~春の陣必勝を期して】

 一昨日28日、一般会計過去最大額114兆円の令和5年度予算が参議院本会議で可決、成立しました。

 成長戦略の柱の一つがGX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素政策です。会長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の他に、森山裕議員を会長とする「国産再エネに関する次世代型技術の社会実装加速化議員連盟」が発足し、私はそちらでも副会長を拝命しました。国益を守れる再エネの導入に向けて引き続き尽力します。
 政府では原発政策について、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を再検討するなど、難題を先送りしない姿勢を示しています。しかし次世代原発の開発を含め「走りながら考える」のも結構ですが、所沢で福島の貯蔵土再処理ですら困難を極めていることに鑑みれば、やはり再エネこそ抜本的強化をしなければならないのは明らかだと考えます。所沢環境市民の会のメンバーとしても、地域で再エネ拡大をする取組みを進めていきます。

 また、もう一つの柱であるデジタル田園都市国家構想に関しては、幹事長を務める情報通信戦略調査会で、通信インフラの強化やサイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。しっかり結果を出していきます。

 重要戦略としては少子化対策・子育て支援策が挙げられます。1月のこの欄で、結婚支援も含めた対策の強化について書かせていただきましたが、会長を務める教育・人材力強化調査会では、奨学金の返済免除拡大や出世払い型への移行など教育の負担軽減、そして塾などに通うニーズを減らすという観点からの公教育の充実などについて党の提言に反映させました。これから政府で財源論も含めて議論が進みますが、4月から発足するこども家庭庁でしっかり実施して欲しいと思いますし、教育にかかる財源は将来のリターンが期待できるという意味で「教育国債」の発行を検討していただきたいと訴えています。

 この欄で度々取り上げている防衛力強化については、厳しい国際情勢におけるその必要性を財源の検討と併せてしっかり政治の場で明らかにしていきます。また、幹事を務める憲法審査会において自衛隊を憲法に明記することを訴えるなど憲法改正にも取り組んでいきます。

 新型コロナウイルス・物価高対策の予備費から2.2兆円が支出されることも決まりました。コロナが落ち着く中で、社会経済活動の再開を進めていますが、住民税非課税世帯への3万円の支援、低所得子育て世帯への児童一人あたり5万円の給付、特別高圧契約向けの電力料金やLPガス利用者への支援策に充てられることとなります。
 ひとり親家庭の養育費の充実などの観点からも私が会長を務める共同養育支援議員連盟の活動が大切だと考えています。原則共同親権を内容とする家族法改正を法務省に働きかけていますが、パブリックコメントの集計などに手間取り、今国会での法案提出が厳しくなっています。どのような内容の法案をいつ提出するか、日本の配偶者に子供を連れ去られた外国人の母国からの注目も集まっています。子供の未来がかかっており、引き続きしっかり活動を展開していきます。

 間髪を置かずに春の統一地方選挙、そして衆参の国政補欠選挙が4月に実施されます。上記した様々な政治課題は地方との連携なく前に進めることはできません。地方それぞれには特有の課題・事情もあり、それに対応することができるのは地方の首長・議員です。
 私も党の埼玉県連会長として、全ての公認・推薦候補の必勝を期して尽力する所存です。何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。


2023年2月22日水曜日

令和5年2月22日

【日本を選ばれる国に】


 昨日21日、私が会長を務める党の教育・人材力強化調査会がまとめた提言書を首相官邸にて岸田総理に手交させていただきました。


 折しも政府では総理を議長とする省庁横断の「教育未来創造会議」にて、グローバル人材確保について集中的に議論を重ね、この春にも取りまとめを行い、骨太方針に反映させることにしています。
 私たちは並行して仲間の議員や有識者たちと独自の提言を練り上げ、その政府の議論に高めのハードルを設ける趣旨で今回の申し入れをした次第です。


 私たちの提言の副題は「内向き志向からの脱却・日本を選ばれる国に」です。日本の学生の海外留学への熱意は他の先進国やアジアの国々と比較してかなり低くなっています。一方、現在日本に来る留学生はコロナの鎮静化に伴い再び数が増えつつありますが、ベトナムなど送り出し国に偏りがあり、わが国の成長を後押しする先進国の高度人材から選ばれているとは言えません。円安傾向が外国人の低賃金をもたらしてこの傾向に拍車をかけています。


 今回の提言では、日本人の留学促進策として、初等中等教育段階からの語学教育強化やグローバルチャレンジの促進、英語教員の指導力強化のための研修充実や留学、海外において修士・博士の学位を獲得した人材の国内での就職の円滑化といった施策をうたいました。「トビタテ!留学JAPAN」の発展的推進や奨学金充実も行います。
 また、戦略的な外国人留学生受入れの推進については、G7サミットを前に先進国や普遍的価値を共有する国を念頭に置いた留学生受け入れのための重点分野・重点地域を再設定すること、私が超党派議員連盟会長を務める日本語教育推進、留学生の生活環境の充実やオンラインキャンパス充実、一方での在留管理強化や技術流出防止などを行うとともに、これまでの「留学生30万人計画」に代わり、質を伴う高めの目標(KPI)を設定し、進捗管理を行うことを訴えました。


 秋入学やクォーター制の促進、海外大学との連携強化やジョイントディグリー、単位互換制度の促進、インターナショナルスクール卒業生のその後の進学の円滑化、日本型教育システムや学校の海外展開、在外邦人の日本人学校に対する教師派遣や海外での日本語習得希望者への対応強化など、盛り沢山なメニューを掲げています。
 これから少子化が進むわが国にとって、グローバル人材の確保は重要です。地方においても共生社会を実現し、日本の若者との相互交流をしていくことは活力の前進につながります。きちんとした制度設計をしていく所存です。

2023年1月22日日曜日

令和5年1月22日

 【「転機」の年に】

 皆様にはご清祥にて新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は大変お世話になりました。

 昨年は予測もつかなかった様々な困難に見舞われた年でした。今年は明るい未来につながる「転機」の年となるよう尽力します。


1.経済対策待ったなし


 ウクライナ情勢の長期化に伴い、穀物・資源価格をはじめ物価高騰が続いています。22年の貿易赤字は19.9兆円に達したという報道もあります。さらに日本の円安がこれに拍車をかけているのは否めません。

 ただ、今の日本の円安は、日本銀行の金融緩和政策に一因があるのは事実ですが、海外における大幅なコロナ対策支出とそれに伴うインフレ・対策としての金利引き上げが寄与しているのは間違いありません。1月18日のFRB(米連邦準備理事会)地区連銀報告は、米国での景気は弱含みと発表しており、米国の金融引き締めがずっと続くとは考えづらいです。

 日銀の10年物国債買い入れ指値オペの金利が昨年末に0.25%から0.5%に引き上げられたことから、日銀の金融緩和政策が終わるのでないかと、投機筋が国債の売りに走り、市場金利は上昇局面となりましたが、今月4日に私も出席した全国銀行協会での新年会で黒田総裁は「引き続き金融緩和の基調は変わらない」と断言されており、17~18日の金融政策決定会合でもその姿勢が確認されました。

 あくまで0.5%への引き上げは、指値オペ対象の10年物国債の利回りだけ極端に低くなってイールドカーブ全体が歪んでしまうのを改善してオペの柔軟性を確保するという意味合いと捉え、これからも日銀の緩和政策の基調は変わらないとするのが妥当でしょう。

 金融緩和は借り換えをしやすくし、株価を支えるなど景気の回復を本格化する効果もあります。また、円高時代に中国などに海外生産拠点を置いていた企業が、サプライチェーン国内回帰の動きに出れば、国内の雇用を生み出すことにもなります。円安が海外旅行客の訪日を加速する動きも、コロナ後の水際対策緩和とあいまって進むでしょう。2022年には前年から15.6倍という訪日外国人383万1900人を記録しており、明るい兆しと言えます。農産物などの輸出も増やし、地域の稼ぐ力を強化していくことにつなげたいと思います。

 一方、岸田総理が「物価高を上回る賃上げを目指す」とおっしゃったのは、方向性としては正しいとしても、それが大企業の正規従業員にとどまって、例えば中小企業への外注費の圧縮・ひいては中小企業の賃上げの停滞をもたらしてしまっては格差は広がる一方です。是非政府にはもっと中小企業などに目配りをしたメッセージを出して欲しいと願います。

 また、前回のブログでも触れたとおり、防衛費の確保のために安易に増税するという方針を決めると、企業の賃上げや設備投資の意欲に冷や水を浴びせることになりかねません。幸い昨年の党税調では、具体的な増税時期は今後決定するとされました。党では今般、防衛費財源を検討する会議が立ち上がり、私は歳出改革や増収による決算剰余金のさらなる活用、国債発行余地も検討して極力増税にかかる割合を減らしていくよう主張し続けたいと思います。


2.劇的に進む少子化への対策強化・子育て支援を


 4日に東京都が所得制限なく子供一人あたり毎月5000円の給付を行うと決定したことは、迅速な実行を要件とすれば、賃上げを行うまでの物価高対策・子育て支援対策として有効だと考えます。岸田総理は異次元の少子化対策として、経済的支援の充実・学童や病児保育などのサービスの充実・ジェンダーレスな働き方改革や育児休暇取得支援などについて、小倉担当大臣を中心に各省が連携して早急に取りまとめをするよう指示を出されました。

 いずれの対策も重要ですが、異次元という以上、より深掘りをした対策が必要です。かつて「希望出生率1.8の実現」という目標が掲げられましたが、現在の希望出生率は1.6とも言われています。早期に結婚すればその後の出産も順調に進む傾向があるというデータもあります。私は婚活・ブライダル議員連盟のメンバーでもあり、地方も含めた出会いの場やマッチングの充実、教育も含めた家族の大切さの確認、若い女性が地方から都会に出ていく現実を変えるための地方での活躍の場の確保など、さらなる政策の充実を、4月からのこども家庭庁の発足に向け、党の「こども・若者」輝く未来創造本部で検討していきます。

 一方、高齢の方々の健康現役社会の構築とセットとした年金支給年齢の引き上げオプションの普及などの工夫を進めていきます。


3.温暖化・自然災害大規模化に備えを


 会長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟における脱炭素に向けた取組みを、経済安全保障を意識して国産材料を使って加速します。太陽光パネルのメンテナンスや廃棄を着実に行う法制度を充実させ、市民や自治体の力をいただくとともに、電気代の高値をもたらすと言われたFIT(固定価格買取制度)後の制度設計にも関わっていきます。

 消防の人的物的強化や、護岸・貯水池や避難道等のインフラ整備など国土強靭化も進めていきます。


4.コロナ対策と社会経済活動の両立を


 水際対策の緩和、コロナの感染症指定の5類への変更など、社会経済活動を推進しつつ、新たな変異株に対応するための治療薬の充実や医療体制の整備、中国などの感染拡大国からの春節に伴う大量入国に対するメリハリの利いたチェック体制構築といった対策を講じ、ニューノーマルな社会の実現を目指します。


 新たな社会は、コロナ前と違い、ITの利活用が進むなどイノベーションを伴う、地方も輝く社会とならなければいけません。今年も全力で頑張りますのでよろしくお願い致します。