2024年9月28日土曜日

令和6年9月28日

【新総裁のもと難題克服へ】

 昨日27日、自民党総裁選の結果、石破茂元幹事長が選出されました。

 前回のこの欄でコメントしたとおり、新総裁には成長戦略を推進するための改革の実行が求められる一方、国内外とも激動の時代を迎える中で多くの方々が将来に対して抱く不安の払拭が求められています。
 この一見すると相矛盾する要請を叶える候補の選定は極めて難しく、多士済々の自民党では過去最多の9人がそれぞれの個性や主張を活かして論戦に挑みました。

 私自身は前者の要素を重視し、1回目の投票は突破力を期待して小泉進次郎候補に入れましたが、決選投票に残ったのは高市早苗候補と石破茂候補で、小泉さんは3位でした。やはり安全保障を含む将来の安心が必要なことを再認識しました。

 全国党員投票は僅差ながら高市候補が石破候補を上回っており、私が県連会長を務める埼玉県でも高市候補の得票が1位でした。こうしたことも踏まえ、私は2回目は高市候補に1票を投じました。

 しかし決選投票では党員票は47都道府県各1票になり、それぞれの県で上位だった候補にカウントされます。石破候補は地方創生に力を入れていることもあり、ここで26対21と高市候補を逆転しました。
 また、議員票でも来年の参院選で勝敗を決する1人区での勝利ということを考えるなど、総合的なバランスの考慮の結果ということでしょうか、結果として189対173で石破候補が高市候補を上回りました。自民党の奥の深さを感じた総裁選でした。

 石破候補は総裁選5度目のチャレンジで悲願達成です。これからは是非その豊かな経験を活かしていただき、挙党体制で内外の山積する難題に取り組んでいただきたいと思います。
 私もいかなる立場であろうと全力でお支えすることをお誓い致します。

2024年8月22日木曜日

令和6年8月22日

  自民党の総裁が変わります。


 8月14日、岸田総理が総裁選への不出馬を表明されてから政局が一気に動き出しました。


 高水準の賃上げを後押しし、72兆円という過去最高の税収をあげて来年度プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化への見通しを開いた総理の功績は大きいですが、物価高対策や政治資金問題などで苦しまれ、支持率が低迷する中で重い決断をされたと思います。新総裁には、内外の厳しい政治課題にしっかり道筋をつけるとともに、私自身も巻き込まれてしまった政治資金問題の再発を防ぐため、抜本的な党改革に取り組まれることを期待します。


 経済面では、物価高対策に加え、中国などの台頭を念頭に経済安全保障を進めなければいけないのはもちろんですが、日本が今後さらに賃上げを進めたり国際競争力を高めたりしていくためには、真に実効性のある少子化対策、国際交流連携やAI・DXなどイノベーションの推進、人材育成をしっかり進めなければいけません。
 世界水準の行動力のある政治が必要なのです。

 無論大企業だけがこうした取組みをするのみでは足りず、7割の方々が働く中小企業が恩恵を受けるようにするため、下請けいじめ是正など取引の公正化や、投資促進のための税制上のインセンティブ拡大など各種施策を講ずる必要があります。


  私は「教育国債」を制度化するべきと主張していますが、全国どこでも、そしていつまでも(生涯学習含む)、高い質の教育が意欲ある誰でも受けられるよう国が責任をもって尽力すべきと考えます。


 少子化対策について言えば、子育て支援策を含む女性活躍推進のため、非正規雇用待遇改善や育休取得支援はじめ社会の仕組みを変えることが必要ですし、健康現役社会を推進していくことも求められます。医療イノベーションや介護との連携をこれもDXなどを活用して進めていかなければいけません。


 ゲリラ豪雨などが相次ぐ今、防災対策・温暖化対策のため、脱炭素をどのように進めていくか、食料の自給率向上をどう進めていくかの議論がとても重要になってきます。世界がCOP28会議など足並みをそろえて温暖化対策に取り組む中で、新総裁にはエネルギー問題に正面から取り組んでいただきたいと思います。


 地方の問題も重要です。私は党の埼玉県連会長を継続することとなりました。新総裁とともに、インフラ整備や地域の産学官連携により、住みよく特色と活力に満ちた地方を作り上げていきます。


 外交・防衛政策では、秋に予定されている米国の大統領選挙が大きな転機となります。ウクライナや中東情勢、東アジア問題などに価値共有国が一体として対応できるよう、新大統領と渡り合い、国益を守れるリーダーが必要です。憲法改正への道筋もつけなければいけません。


 新総裁、すなわち新しい総理とともに、これからどのような行動が私に求められるかも真剣に考え、そして行動していく決意です。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。


2024年6月23日日曜日

令和6年6月23日

 【真摯な反省とともに】

 今日で通常国会は閉幕です。今国会は政治資金問題が大きく取り上げられた国会となりました。

 私自身の問題については既にこの欄で説明したとおりで、改めて心よりお詫び申し上げるとともに、再発防止を徹底していきます。

 政治資金規正法の改正については、各党の政治活動の性格の違いによりなかなかかみ合わない議論となりました。企業・団体献金を禁止する政党は、事実上個人名で団体候補者の支援を受けている所があります。パーティー禁止を訴える政党幹部がパーティーを開催しようとしていたりもしました。

 献金者のプライバシーや政治活動の自由といった要請と、透明性の確保といった要請をどう調和させていくかは難しい課題です。私自身は公募で選ばれた議員で、党の議論ではかなり厳しい指摘もさせていただきましたが、結果としては国会議員本人の責任強化、パーティー券販売公表額の引き下げ、政策活動費の一定の開示などにとどまりました。これはあくまで第一歩で、これから不断に改革を継続する必要があります。

 社会は大きく変わっており、民間のガバナンスも強化されています。政治も変わらなければいけません。

【その一方で成果も】

 閣議決定では骨太方針をはじめ、新しい資本主義の方向が示されました。企業に眠っていた資金で賃上げを加速化し、消費の活性化を促して企業収益を増加させ、設備投資により生産性を高めて更なる賃上げに結びつける。なかなか物価高を上回る形で、また下請けの中小企業で、これらを行きわたらせるのは困難ですが、6月からの定額減税などで対応します。

 この議論の過程で私がこだわったのは人づくりへの投資です。教員の働き方改革や処遇改善に加え、教育機関の質の向上と生涯学習を含めた学びの機会の確保・負担軽減に大きく予算を振り向けるよう活動してきました。

 また、超党派の共同養育支援議員連盟で取り組んだ離婚後共同親権制度は、初めて法改正が実施され、今後は制度の精緻な実現に向けた対応を政府や自治体、関係団体の方々に求めていきます。

 筆頭提出者としてのカルト救済・法テラス特例法は、おかげさまで野党の多くも含めて賛同をいただき、成立しました。

 弾劾裁判でも、指定訴追委員として初めてのSNS不適切投稿について先例を導くことができました。

 超党派のえん罪被害者救済議員連盟の会長に就任したところ、加入者は300人を超えました。今後再審法改正に向けたよいキックオフになりました。

 その他、再エネ議連会長として新たな布陣で政府への安価・安定で国益を図る再エネの拡大の提言を申し入れたり、司法制度調査会にプロジェクトチームを立ち上げて国際紛争の解決に仲裁制度を積極的に活用するよう申し入れたりと、私としては結果を出し続けた国会だったと自負しています。

【政局は不透明】

 しかし来月の都知事選や秋の総裁選を控え、政局は混とんとしています。信頼回復にはまだ遠い状況だと肝に銘じ、これからも全力を尽くす所存です。引き続きのご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

2024年3月17日日曜日

令和6年3月17日

 【全国に豊かさの実感を】

 昨日16日、党大会前日の全国政務調査会長会議に、政調会長代理として出席しました。

 岸田総裁も冒頭挨拶され、党が政治資金の問題で国民の信頼を失っていることを重く受け止め、政治資金規正法の改正や関係者の処分、ガバナンス改革などを行っていくとおっしゃった一方、政策に関しては賃上げの兆しが本格化してきたことなどを挙げ、与党として全国に、また中小企業に、その流れを行き届かせようと決意を述べられました。

 令和6年度予算は、能登半島地震に対する予備費を5000億円増額し、令和5年度の予備費と併せて一日も早い復旧・復興に向けた支援を実施します。生業の回復も急務です。

 コロナが落ち着き、日本国内へのインバウンドが着実に戻りつつある中、日経平均株価が過去最高を更新しました。

 ただ、これが個人の豊かさに結びついているかというとまだその実感があるとは言えません。
 物価高が続く中で賃上げがその痛みを上回って実施されるよう、企業に生産性向上のための投資を促したり、地方や下請け企業の労務単価や原材料価格への転嫁対策を進めることが必要です。

 農業や医療、地方行政を含めたデジタル政策の推進をはじめ、脱炭素、イノベーションを着実に進めていきます。

 子育て支援策については、児童手当の拡充などに加えて教育負担軽減についても各党が姿勢を示しています。
 私が会長を務める党の教育・人材力強化調査会では、ルール無き無償化では教育の質や多様性の推進にかえって逆行しかねないとの観点から、機関支援や再編などによる教育の質向上を大きな方向性として打ち出していきます。

 定額減税措置が夏に実施を予定される中で、財政は経済回復によって再建されるよう政府には求めていきますし、ウクライナや中東、日本近海の厳しい安全保障環境や相次ぐ災害への対応のためにも、防衛力確保や国土強靭化に力を入れていきます。道は決して容易ではありませんが、元祖改革派としてこれからも全力を尽くします。

 また、超党派の共同養育支援議員連盟会長として取り組んできた家族法改正案が今国会に提出されました。
 わが国で初めて共同親権制度が導入されることとなり、それが家族にどう影響するか不安だという声や実効性確保をどうするかという声が寄せられています。国会審議を通じて子の最善の利益が確保できるよう、しっかりチェックするとともに、今後も幅広くこの問題に携わって参ります。

2024年2月1日木曜日

令和6年2月1日

政治資金に関する件につきまして


 平素よりお世話になりありがとうございます。

 本年1月1日の能登半島地震により、200名を超える尊い人命が失われ、また翌2日には、被災地へ救援物資を届けようとしていた海上保安庁の航空機事故で5名の方がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみを申し上げます。

 また被災された方々、現在も避難生活を余儀なくされている方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 そのような国難ともいえる大変な時期にありながら、昨年末からの政治資金問題で国民の皆様への信頼を大きく損なう事態が続いておりますことは、誠に遺憾であり率直にお詫び申し上げます。

当該問題につきまして、以下のとおりご説明させていただきますとともに、対応致しましたのでご報告申し上げます。


 まず、柴山事務所は平成25年まで「清和政策研究会との懇親の集い」におけるパーティー券のノルマ以上の販売超過分は清和政策研究会(以下、清和研)から寄附という形で受領のうえ収支報告書に明確に計上し、清和研側の収支報告書にも支出として計上していただいたうえで、法的にも問題のない対応をとっておりました。

 しかし平成26年頃、清和研側より「今後は寄附について収支報告書に計上しないので、貴事務所でも受領について同様の対応を行ってほしい」旨の話がありました。

その後複数回にわたり「本当に法的に問題がないか?従来通り寄附として双方で計上する運用をお願いできないか?」と問い合わせましたが、清和研からは「法的に問題ない処理を行っており、貴事務所だけを特別に寄附扱いとすることは出来ないので従ってもらいたい。」との回答がありました。

私は弁護士でもあり、「とにかく法に触れないように」との強い思いがありましたが、かつて清和研所属の先輩議員が同様の記載をしてかえって国会で追及を受けた際、政策活動費としての処理は寄附として記載をしないのが正しいと派閥で整理していたこともあり、弊事務所としては本意ではありませんでしたが、いずれ清和研に納付することを念頭に、販売超過分の還付金を預り金として事務所内で保管する対応を取っていたとのことでした。

私自身は以後、秘書に対し清和研パーティーに関してはノルマ達成の確認はしておりましたが、販売総額や、ノルマをいくら超えたのかの報告は受けておらず、また還付分の保管を継続していたことについては今回の事態を受けて初めて認識しました。

 しかしながら、本来は私自身が確認し、適切な対応を指示すべきであったと猛省しております。


今回、捜査当局の要請を受け、柴山事務所としては上記の説明を行うとともに、事実関係を示す資料も全て提出し、捜査には全面的に協力してまいりました。

そして今般、清和研が収支報告書の修正を行うにあたり、所属議員においても当該政治団体の収支報告書の修正を行ってほしいとの連絡を受け、弊事務所でも対象年の収支報告書を修正致しました。

 これまで私や事務所では、政治資金を含め公明正大な運営を心掛けて参りましたが、結果的に修正の運びとなりましたことは誠に申し訳なく、国民の皆様に心からお詫び申し上げます。

  

 今回の件を教訓として課題を徹底的に洗い出し、外部監査を更に強化した上で、国民の皆様から今一度信頼していただけるよう襟を正して真摯な活動を続けるとともに、被災者に寄り添い、復旧・復興に向けて全力を尽くして参ります。

 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げ、ご報告と致します。

以上


衆議院議員 柴 山 昌 彦


2024年1月5日金曜日

令和6年1月5日

 【悲しい年明け】

 令和6年の元日午後4時過ぎ、能登半島沖を震源地とする大震災が発生しました。

 石川県の各地で震度7の揺れを観測し、建物の倒壊や火災など大きな被害が発生。他県でも液状化など被害が広がりました。多数の犠牲者も出てしまい、言葉がありません。

 国でも被災各県でも対策本部が設置されて消防や自衛隊の方々を中心に懸命の救助活動が行われ、復旧活動も進められています。道路が寸断され作業は難航していますが、被災各地の議員や政府が現場と密に連携して対応しています。

 救援物資(薬や生活物資)や給水車、電源車両の手配や、DMATの出動、被災者の方々の生活面のケア等々、私たち他地域の議員も予算面の尽力や募金活動の実施などでしっかり応援していきます。

 そんな中で救援物資を搬送しようとした海保機がJAL民間機と衝突したのは余りに悲しく、亡くなった隊員の方々に心からお悔やみ申し上げます。ただ、あれだけの火災でJAL機の方々が全員無事だったのは本当に幸運でした。こうした事故の再発防止にも努めなければいけません。

 改めて被災地の皆様に心からお見舞い申し上げます。

【明るい明日を】

 令和6年度予算案、税制改正大綱が閣議決定され、既に実施されている令和5年度補正予算から切れ目ないコロナ後の社会経済の回復を後押ししていきます。

 まずは深刻な物価高対策の継続です。4月末までガソリン代を最大30円以上引き下げ、電気・ガス代の抑制も実施します。

 5000億円の重点支援地方交付金の追加により、自治体がプレミアム商品券発行や食料品価格高騰分支援などを実施できるようになります。

 そして物価上昇を超えるさらなる賃上げを後押しします。賃上げを行う企業への法人税減税を強化するとともに、6月には一人4万円の定額減税を実施します。その恩恵が行きわたらない世帯への給付金もお届けします。
 いわゆる106万円・130万円の壁での収入減を防ぐとともに、キャリアアップ助成金を中小企業で一人当たり80万円、大企業で60万円に拡充します。
 医療・福祉分野で働く方々の報酬・公的価格の改定により着実にベースアップを目指します。

 下請け企業が着実な価格転嫁を実施できるよう、下請けGメンの強化も行います。

 子育て支援策の充実に関しては、児童手当の所得制限撤廃と高校までの延長、第3子以降の3万円への引き上げを行うとともに、高等教育の負担軽減と改革、幼児教育・保育や公教育の質及び教師・保育士の地位の向上、医療的ケア児などの支援や育休取得促進などを実施し、それによる実質国民負担を増やさないよう歳出改革や財源の工夫を行います。

 そして思い切った投資により日本の成長力を強化しなければいけません。
国産再エネ促進・電気自動車購入補助・断熱住宅改修やヒートポンプ設置などのGX(グリーントランスフォーメーション)を進めます。生成AIの開発力強化や国際的ルール形成の主導、ビヨンド5G等研究開発、半導体・蓄電池・物流デジタル化などへの支援や投資減税を行います。イノベーションボックス税制やスタートアップ推進、交際費の基準見直しや事業承継税制にかかる特例承継計画のコロナを受けた2年提出延長などを実施します。

 円安を活かした観光産業の再生、農産物の輸出拡大を行います。転作支援や飼料の国内生産拡大も実施し、地方創生のためのマイナンバー・デジタル利活用を加速化します。

 ウクライナ戦争・中東戦争が長期化し、隣国の軍事的脅威が高まる中、防衛力の強化とともに、APS処理水処分に伴う国際的な風評被害対策など、国際的な情報発信や交渉力を高めなければいけません。
 今回の震災もそうですが、急速に進む温暖化に対しては脱炭素ももちろん、激甚化する風水害対策・消防力強化も急務です。

【政治の信頼回復に向けて】

 この度生じた政治資金をめぐる問題で国民の皆様に政治への不信感を増大させてしまったことにつき、率直にお詫び申し上げます。
 柴山事務所としてはこれまでも、そしてこれからも、信頼を守るために全力を尽くしており、また尽くして参ります。これから岸田総理のもと課題を洗い出し、党の再生に向かって真摯に取り組むことをお誓い致します。

2023年10月27日金曜日

令和5年10月27日

 【真摯な受け止め】

 去る10月22日に開票となった所沢市長選挙で、応援していた現職藤本正人候補は残念ながら結果を出すことができませんでした。

 ご支援いただいた皆様に心から感謝申し上げるとともに、候補の過去12年の実績や地域への思いを十分伝えられず、ご期待に応えられなかったことをお詫び致します。選挙結果を真摯に受け止め、今後の糧として参ります。

 また、同日実施された衆参補欠選挙では、長崎4区では議席を死守したものの、高知・徳島選挙区では野党統一候補に苦杯を喫しました。

 選挙直前に埼玉県議会で自民党が提出した虐待禁止条例改正案が影響したのではないかとの報道もあります。選挙結果には様々な要因があると思いますが、住民の皆様の信頼を得る努力は国・県・市あらゆるレベルで不断にしていかなければいけないと肝に銘じなければいけません。

【しっかり詰めなければいけない経済対策】

 20日に始まった臨時国会で総合経済対策の議論が行われています。コロナ後経済は好転しつつあり、需要が回復してきていることから、経済対策は効果のある物に絞っていくことが必要です。過剰な財政措置はインフレを加速させるおそれもあります。

 経済対策第1の柱は物価高対策です。前回のこの欄で述べたとおり、燃料、電気やガス、食料品などへの支援は、いつまでも続けるわけにはいきません。今回はやむを得ず4月末まで期間を延長するものの、脱炭素との関係など不断に検証し、外交面での改善や省エネ政策の推進などに本気になる必要があります。

 そして注目されているのが空前の税収増の国民への還元です。国民の多くは防衛費の増額や少子化対策の充実により将来負担が増えることに不安を感じており、税収増はそうした取組みの財源に充てるという意見もありますが、当面の物価高を超えて賃上げが浸透し、手取りの増加を実感できるまでの間に国民に対する給付を行うことに合理性はあると考えます。

 野党は手厚い給付を所得制限付きで実施する方針を示していますが、国民に減税への要望が強いことから、一定の給付を中低所得の方に対して行うとともに定額減税を組み合わせる方針は(後者の効果が法改正などで遅れるとはいえ)理解はできます。不公平や過大な事務負担とならないよう、しっかり制度設計をしていきます。

 また、自治体の状況に応じた対策を可能とするよう地方交付金の増額も目指します。

 第2の柱は賃上げ支援です。春闘で大企業は30年ぶりに3.58%の高い賃金上昇となりましたが、中小企業への浸透のためには下請け価格の適正化などをしっかり監視する必要があります。赤字企業に効果が薄い賃上げ税制の改善や、農林水産品の輸出拡大を進めます。

 医療・介護・障害福祉などに関わる方々が報われる報酬改定、幼稚園や保育園で仕事をされる方々の処遇改善、公教育の強化と先生方の負担軽減を着実に進めます。置き配や荷待ち減少の後押しなど、物流2024年問題に対応するとともに、コロナ後の観光戦略を文化振興と併せてしっかり進めていきます。

 いわゆる106万円・130万円の壁を乗り越える給付策を取るとともに今後の社会保険のあり方をしっかり議論し、リスキリングなどと併せて正規・非正規の差をなくし、労働市場を活性化していきます。

 第3の柱は成長力強化に資する国内投資の促進と金融支援です。私が議連活動で進める半導体や電池・再エネの産業強化、認知症や新薬への開発支援、知財収益課税の特例を定めるイノベーションボックス税制の導入、スタートアップ支援、大胆な規制見直しなどを通じ、国際競争力を高めていきます。

 第4の柱は人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の推進です。就学支援拡大に外国人労働者の適正な活用、デジタル技術活用を徹底した地方の活性化や行政サービスの高度化、11月に終わるマイナンバーの検証を経た改善などにしっかり取り組みます。

 第5の柱は国民の安全・安心の確保です。防衛力や外交力の強化をALPS処理水問題など情報発信の適正化も含め進めます。ウクライナ問題と中東問題いずれにおいてもわが国の国益をしっかり守り、自由で開かれたインド太平洋地域の確立に向けて尽力します。防災・減災など国土強靭化、サイバーセキュリティや海洋・宇宙での取組みも先端技術を活用して進めます。子供の性被害防止にも取り組んでいきます。

【自覚を持って】

 今度の人事で党の政調会長代理に就任しました。政局は内向きの問題ですが政策の実施はまさに国民の未来を左右するものです。自覚を持ってしっかり取り組み、丁寧な説明をしていくことをお誓い致します。