2021年4月25日日曜日

令和3年4月25日

 [辛抱、その先に]


 菅総理が4月25日から5月11日まで17日間となる緊急事態宣言を、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に発令しました。


 前回のこの欄で紹介した緊急事態宣言解除からひと月(大阪は先行して2月末に解除)。まん延防止措置の活用はありましたが、コロナに慣れるとともに続く自粛に疲れている国民の方々の行動にはさほどの変化はなく、一方で変異株の猛威により、特に大都市圏では急速な感染拡大が問題となっていました。


 今回の変異株は感染力の強さに加え、従来型と異なり若年層の罹患・重症化事例が多く、既に大阪で入院対象者の病床が足りなくなっている状況に鑑みても同地区や周辺自治体への発令は当然と考えますし、東京でも第3波以来の感染者の急速な伸びを考えるとこのタイミングでの発令はやむを得ないものと考えます。


 内容も実効性を考えてかなり厳しいものとなっています。まん延防止措置ではオプションとなっていない休業要請を、生活必需品売り場を除く百貨店やショッピングセンター、テーマパークや遊園地などに行い、飲食店は午後8時までの時短営業に加えて酒類やカラオケの提供ができなくなります。

 スポーツの試合やコンサートなどの大規模イベントは、これまで入場客の規制緩和を検討していましたが一転原則無観客とし、公共交通機関の減便要請やテレワーク強化による出勤者7割減を目指します。


 新たにまん延防止措置の対象に愛媛県を加えるとともに、宮城・沖縄についても5月11日まで期間を延長します。また、埼玉県などでまん延防止措置の対象区域を拡大し、私の地元の所沢市・ふじみ野市・三芳町各自治体も範囲に含まれるようになるうえ、東京での酒類提供の禁止を免れる客の流入がないよう、この地区でも酒類提供自粛が要請されるとのことです。


 大切なのはやはり科学的根拠に基づく合理的な説明だと思います。これまでは飲食の場を主に制限してきましたが、先述した変異株の猛威に加え、ゴールデンウィークに伴う人流の大幅な移動そのものを制限するために短期集中的に対策を講じる必要があること、その趣旨に鑑みれば集団での路上飲みなども自粛せざるを得ないこと、見回りや罰則(過料)による徹底が求められることなどです。


 また、それに伴う支援措置も迅速で適切なものでなくてはいけません。既にまん延防止措置のもとで支援対象となっていた飲食店に対するものに加え、休業要請される大型商業施設については1日あたり20万円、テナントは2万円とのことですが、金額の算出根拠に加え、既存の支援策との関係についてしっかり説明をお願いしたいと思います。また、返済猶予や新規融資などの金融措置が遺漏なく行われることが急務です。


 多くの方々から「このような事態になってもまだオリンピック・パラリンピックの開催にこだわるのはおかしい」というご批判があり、また与党の中からも開催中止に言及する声があります。

 しかし今回の措置が大きな効果をもたらすと期待しています。また、前回この欄で紹介したとおり、ワクチンの接種が今後飛躍的に拡大し、高齢者向けの接種こそ7月までずれ込む見通しとなってしまいましたが、今後歯科医師の方々による接種をお願いしたり、なかなか予約ができない状況に自治体や施設と連携して対応したりして、五輪までに状況の改善が見込まれます。病床の確保についても、それぞれの自治体と医療機関がよく連携して行うことが、改正感染症法で知事の病院に対する勧告権が付与されたことに伴って見込まれます。それぞれの機関の機能分化と連携に、しっかり国としてもサポートをしていきます。

 たとえ海外からの観客がいなくてもオリンピック・パラリンピックがもたらす気運の盛り上がり、それがもたらす世界的報道の充実や消費の拡大などに鑑みれば現在経済的苦境に立っている日本にとって大きな意義があると確信しており、辛抱の先に明るい光が見えることを信じて日々頑張りたいと思います。


 今日投開票となる衆参の補欠選挙・再選挙は、これまでの政府与党の不祥事やコロナの拡大が影響して厳しい戦いとなっていますが、一丸となって今後の政局にも臨んでいくことが必要です。国民投票法について議論する憲法審査会も衆議院でようやく審議が再開されました。デジタル化やグリーン化を含め、国の抜本的な改革を進めるためには大きなパワーが必要です。自らその一員として精一杯尽力する所存です。