2018年7月22日日曜日

平成30年7月22日

[通常国会閉幕]

 長い通常国会が終わりました。最後はIR(複合型観光施設)法案や参議院定数6増の公職選挙法改正案を巡る混乱がクローズアップされましたが、これからの多様なライフスタイルと生産性向上に資する働き方改革法案や、子育て支援充実と企業の貢献を内容とする子供子育て支援法案、米国を除くTPP(環太平洋経済連携協定)関連法案、18歳を成年とする法案などが成立し、成果の多い国会でした。

 公文書改ざんなど行政の信頼を揺るがす問題も発生しましたが、この欄で紹介したとおり、再発防止に向けた真摯な取組みをしているところです。

 そのような中で発生した西日本を中心とする豪雨災害では死者が200名を超え、自衛隊をはじめ全国から多くの方々が懸命の捜索・救助・支援にあたって下さっています。改めて被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、ご尽力をいただいている皆様に衷心より感謝申し上げます。

 私たち与党も対策本部を設置し、被災地の上下水道や道路・鉄道・橋梁などのインフラ整備、通信や医療・介護などの体制の正常化、避難所にいらっしゃる方々や支援にあたられる方々の暑さ対策、被災された方々の生活再建や各種事業への支援、膨大な災害廃棄物の処理や衛生確保、全てに関わる早急な財政措置など、地元議員や党の視察団を中心として相次いで要望し、徐々に成果をあげているところです。引き続き官民一体の復興を応援して参ります。

[長く厳しい国会改革への第一歩]

 10年前から党派を超えて国会改革に取り組んできましたが、国民の期待にこたえる審議の充実、行政監視機能の強化などにはなかなか至っていないと反省せざるを得ません。
 そうした中、平成のうちに何か成果を着実にあげようという有志の会が立ち上がり、集中的に議論を重ね、この度提言をまとめて衆議院議長に提出する運びとなりました。

 この動きが国会運営を議論する衆議院運営委員会のペーパーレス化に向けた取組みを加速化するなど、着実に成果をあげつつあります。参議院にも波及し、今後国会全体の更なる改革につながっていくことを期待するとともに、以下提言の主文と役員構成を紹介します。事務局長を務めた小泉進次郎議員、各党の皆様、そしてこれまで国会改革に長く携わってこられた方々に心から感謝致します。


平成30年7月 「平成のうちに」衆議院改革実現会議

 平成のうちに、どんな小さいことでも、ーつでもいいから、衆議院改革を実現する。こう した強い覚悟で、「平成のうちに」衆議院改革実現会議を設立した。 第1回の会議には100名以上の超党派の議員が参加した。まさに、国会改革の必要性・緊急性について、与野党を問わず、多くの議員が危機感を共有していることの表れである。 これまでの会議を通じて、幅広い分野にわたり、有意義かつ建設的な意見が出された。これら全てが重要な意見であり、我々は、あくまで有志の集まりとして、国会において、これらの内容を精査の上、実行することを望むものである。 もとより、国会改革は、議院運営委員会において進められることは論を待たない。今国会においても、議院運営委員会は、配布資料の一部ペーパーレス化や質問主意書の調整日数拡大など国会改革を着実に進めて頂いている。しかしながら、「平成」において各党の先人が 衆知を集め、互いの立場を尊重し貴重な合意に至った、国会改革に関する累次の「平成の合意」については、いまだ実現に至っていない。今後は、既に議院運営委員会の下に設置されている、国会法改正等及び国会改革に関する小委員会(国会改革小委員会) において、改革を進めていくことが不可欠である。 特に、平成26年「国会審議の充実に関する申し合わせ」は、国会審議の充実に向け、当時の与野党7党の国会対策責任者が党派を超えて合意し署名に至ったものであり、今後の議論の基本にすべきものである。 その上で、以下についても、国会改革小委員会において早急に議論を開始し、平成のうち に実現すべきである。

提言

1.党首討論の定例化・夜間開催の実現

 平成26年「国会審議の充実に関する申し合わせ」でも党首討論を1力月に1回開催することとされていたが、国民への説明責任を強化するため、例えば、今後は2週間に 1回、討論のテーマを決めて党首討論を開催、また、党首討論は夜に開催し、より多くの国民が視聴できるようにするなど、充実した討議が行われる環境を整備すべきである。

2.衆議院のIT化

 国会のIT化を推進し、国会審議の効率化・意思決定プロセスの透明性向上を図るべきである。例えばーつの手段として、衆議院におけるタブレット端末を導入・活用すべきである。

3.女性議員の妊娠・出産時等への対応

 女性議員が妊娠・出産時等により表決に加わることができない場合、現状では同議員による意思の表明が困難である。今後は、こうした場合に代理投票を認めるなど、必要な対応を速やかに実施すべきである。

 その他の課題については、平成のうちに必ず国会改革の風穴を開ける覚悟で、引き続き実現会議で、継続的・主体的に議論を深めていく。また、臨時国会における議院運営委員会・ 国会改革小委員会での、議論のキックオフを後押しする意味でも、臨時国会開会直後に、実現会議を再開し、改革の機運を更に高めていきたい。各党・各会派においても、国会改革についての議論がなお一層深まることを期待したい。

「平成のうちに」衆議院改革実現会議

会長 浜田靖一

会長代行 佐藤勉 古川元久

副会長 御法川信英 伊藤渉 馬場伸幸 細野豪志

幹事長 泉健太

幹事長代行 柴山昌彦 笠浩史

事務局長 小泉進次郎

各党実務者 山下貴司 笹川博義 福田逹夫 中野洋昌 井上英孝 源馬謙太郎