[炎の弾丸出張~佐渡金山編~]
一昨日6日から7日にかけ、所属する自民党「『佐渡島の金山』の世界遺産登録を実現する議員連盟」の有志で佐渡島の視察に伺いました。
同所は17世紀における世界最大の金の生産地で、極めてレベルの高い独自の手工業を確立して日本経済や国際貿易に大きな影響を与えました。これまで長らく世界遺産登録申請が検討されてきましたが、今年2月にユネスコの世界文化遺産への推薦書を日本が提出し、秋には委託を受けたイコモス(国際記念物遺跡会議)が審査に入り、その勧告を受けて来年6~7月に21か国からなるユネスコ世界遺産委員会が登録の判断をすることになります。
来年の世界遺産委員会の議長国はロシア。現在の世界情勢を踏まえ、スケジュールに見通しは立っていません。
さらに、韓国が「戦時中に韓国人が徴用されていた場所が世界遺産に登録されるべきではない」とクレームをつけています。日本は強制徴用を否定するとともに、登録については江戸時代を対象としていることから、こうした批判は当たらないと反論しています。
実は私が文部科学大臣時代にフランスにてユネスコのアズレー事務局長に対し、南京大虐殺の資料が世界記憶遺産に登録されたのを受けて「加盟国が登録手続に関与して過度の政治化を防ぐべきだ」と訴えてプロセスの改革が進んでいます。しかしながら韓国がこれを逆手に取って「自分たちは当事者であり、反対の主張を聞いて欲しい」と訴えてくることは十分にあり得ます。
日本は登録に向けて、議員連盟の中曾根弘文会長の外務大臣時代の秘書官を務めた滝崎官房副長官補をヘッドとした、外務省や文化庁などの局長級からなるタスクフォースを設置して対策を始めました。今回の議連の出張にも同行していただき、色々意見交換をさせていただきました。
今回の出張では、説明施設のきらりうむ佐渡や復元された奉行所で佐渡の歴史を詳細に学び、さらに江戸期の宗太夫坑道、近代の道遊坑道に現に入って当時の作業場を視察しました。また、南部に位置する西三川砂金山では、山を削り「大流し」という水路で土砂を流して沈殿する砂金を採取した痕跡や集落が今も残る様子を見ることができました。
また特別企画として真野行政サービスセンターにて拉致被害に遭われた地元曾我ひとみさんと面談し、他の拉致被害者との接触や当時の北朝鮮の状況について、かなり突っ込んだやり取りをすることができました。同席された佐渡市の渡辺市長が「曾我さんがこんなに立ち入った話をするのを聞いたことがない」とおっしゃる充実した質疑応答で、これを何とか拉致問題の解決につなげたいと決意するとともに、引き続き広報啓発することの必要性を痛感しました。
北朝鮮からは昨日また弾道ミサイルが発射されています。韓国の政権交代で色々状況が変化するでしょうが、しっかり取組みを進めます。