2022年9月14日水曜日

令和4年9月14日

[説明のあり方]

 安倍元総理の国葬への反対意見が大きいと報じられています。

 お亡くなりになったエリザベス女王の葬儀がまぎれもなく「国葬」であるのに対して、安倍元総理の葬儀は既に終わっていますから、上記「国葬」は海外の弔問客を迎え、かつ故人の業績を偲ぶ「お別れの会」に近い性質のものと考えます。

 これまでの首相のお別れの会となぜ差を設けるのか、岸田総理はこう説明されています。
1.国政選挙を6回にわたり勝ち抜き、国民の信頼を得て憲政史上最長の8年8カ月にわたり総理を務められた。
2.東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした戦略的外交など、多方面で歴史に残る業績を残された。
3.諸外国で議会の追悼決議など様々な形で敬意と弔意が示されている。
4.民主主義の根幹である選挙活動中の非業の死であり、こうした暴力に屈しないとの国としての毅然とした姿勢を示すべき。
 また、国民に弔意を強制するものではないとされています。

 国葬とするかどうかの基準が曖昧だとか、巨額の国費がかかるなどの批判がありますが、上記理由や、過去吉田元総理以外に国葬儀を行った例がないこと、現在のふさわしい儀礼の規模や警備の検討などからして、決して不当なものとは言えないと考えます。無論、総理には引き続き説明に努めていただくようお願いします。

 統一教会と元総理との関係を問題にする意見も大きくなっています。

 旧統一教会が霊感商法などで大きな社会問題を起こしてきたことは事実であり、そこに政治との関係が影響していたことはしっかり見直していく必要があります。
 安倍元総理のみならず、与野党を含め数多くの議員が当該団体に何らかの関与をしてきた事実が明らかになっており、きちんと精査したうえで今後のそうした関係の見直しや消費者被害の救済・予防の取組みをしていかなければいけません。安倍元総理の国葬儀は予定どおり行い、残された私たちが責任を持って進めていくべきと考えます。

 私個人も昨年1回、今年1回、地元での集会での挨拶依頼があり、統一教会との関係の検証を十分行わないまま冒頭のみ出席しました。(その他祝電、メッセージ、講演、寄付やパーティー券の購入依頼、ボランティアの依頼などは一切行っていません。)当時は当該団体についての報道もなく、脇が甘かったことは反省しております。今後は一切関係を持たないように心がけます。

[炎の弾丸出張~北海道編]

 使用済み核燃料を活用する大間原発、プルトニウムを取り出す六ヶ所村再処理工場、それぞれの完成が延期となり、さらに高レベル放射性廃棄物の最終処分についてもまだ文献調査が決まった段階ですので、政府が今般方針を決めた原発の新増設を行うのはまだまだ困難な状況と言えます。

 このような中で脱炭素を進めるためには、前回この欄で触れたとおり会長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の活動を強化して政府にしっかり働きかけないといけません。

 これから大きな進展が見込まれる風力発電について、一昨日12日から2日間で北海道の寿都町と室蘭市の先進的な取組みを視察しました。

 寿都町に関しては、大阪ガスグループ会社が昨年高台に設置した10基の風車(計27メガワット)を視察した後、湾沿いに1999年から2011年にかけて町により順次建設された11基の風車(計17メガワット)を視察しました。1989年に運転開始した5基は老朽化のため既に運転を停止しているとのことです。現在年間9100世帯分の発電を賄っています。
 町立の風力発電所はローターの直径が初期の30メートルから比較的新しい71メートルまで幅がありますが、これは世界水準からすれば小規模な風車で、今は大きさも強度も上がっています。現在もさらなる洋上風力発電所の設置に向けた調査をNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が行っています。

 課題は送電網の強化やFIT(固定価格買取制度)終了後のビジネスモデルの再検討。ただ町にとって収入の1割となっているこの事業は温暖化対策のみならずこれからの地方創生にも役立ちます。蓄電池の活用などより安定電源とするための取組みと合わせて応援していきたいと思います。

 片岡春雄町長は、上記した高レベル放射性廃棄物の最終処分場候補地としても文献調査に応募しています。その熱意には感心するばかりです。

 昨日13日には室蘭市を訪問し、海の深度や沿岸の用地などが風車材料の搬入や建設作業に適した「基地港湾」として注目されている室蘭港を青山剛市長たちともども視察させていただきました。
 併せて、ベルギーの会社と合弁で大規模なSEP(自己昇降式台)船を導入し、海底に着床させて風車組立作業を行う準備をしている五洋建設株式会社の新工場で、SEP船に活用する足場組みの作成現場を視察させていただきました。

 室蘭市には私も2017年に視察に訪れた北海道内初となる移動式水素ステーションが導入されるなど、再エネや蓄エネに対する意識が高く、今後漁業組合などとの権利調整など難しい課題は残りますが、全国的に是非参考にしていただきたく、またその動向が今後の北日本の洋上風力発電の入札に与える影響も想定されるため、今後議連でも取り上げていきたいと思います。