2019年1月10日木曜日

平成31年1月10日

[神奈川での濃密なプログラム]

 昨日9日、日帰りで4つの施設を連続視察し、貴重な知見を得ることができました。

(横浜市立北山田小学校)

 平成8年創立の学校でしたが、学校や市教育委員会の高い意識により、授業のIT化や働き方改革が大変進んでいました。

 授業においては、デジタル教科書の活用や、ICT支援員を伴った高学年でのプログラミング学習などの他、算数でどのレベルの子も充実した学びができるコース別学習の推進が印象的でした。

 働き方改革においては、ICカードによる出退勤管理、教職員間の情報共有のためのグループウェアの導入、ペーパーレス職員会議を進めているほか、残業や休日出勤を減らすための留守番電話や日直なき閉庁日の導入、通知表の簡素化やプール清掃等の外部委託、各種契約のオンライン化、教科担任制を活用して計画的な年次休暇の取得を進めるなどの工夫が印象に残りました。

 その結果同校では先生方のストレスチェックが良好で、健康リスクも全国の健康リスク平均を100とすると54と好成績(昨年は64)となっていることから、こうした取組みをさらに全国展開していくよう、各地の取組みの指標化を進めたりするなど後押しをしていきたいと思います。

(筑波大学附属久里浜特別支援学校)

 昭和48年創設当時は重度・重複障害児教育のメッカとしての役割を担っていましたが、現在は知的障害を伴う自閉症のある幼児・児童に対する教育、教育課程の改善に関する研究を行っています。

 早期からの、かつ的確なアセスメント・根拠に基づく指導が行われ、現場を見て沢山の驚きがありました。障害の態様が個別的で対処法も様々あること、福祉や医療との連携など、しっかり横展開していく必要があります。

(国立特別支援教育総合研究所)

 上記久里浜校に隣接し、わが国唯一の特別支援教育のナショナルセンターとして、国内外の情勢の変化も踏まえ、国の政策課題や教育現場の課題に対応する専門的な研究や、久里浜校での実習を含めた研修を実施しています。

 この日は2ヶ月にわたる研修プログラムの初日で、私から激励の挨拶をさせていただきました。所内では全く音のない「無響室」の体験をはじめ、数々の教材(市販・学校現場での開発)などを見させていただきました。役員との意見交換では、差別解消という意味での健常者と一体のインクルーシブ教育は大事だが、これからは障害の個別性に即した教育の推進が求められるということ、そうしたノウハウの共有のために教員研修の遠隔実施などを適宜活用できるという話をさせていただきました。

(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

 略称JAMSTECのこの施設は海洋分野の研究開発の中核機関で、温暖化・酸性雨やプラスチック廃棄物など大きく注目されている海洋・地球環境の把握と予測、地震や火山活動の研究、海洋資源の持続的有効活用に資する研究などが進められています。

 保有する深海調査研究船「かいれい」に乗船して説明を受け、無人探査機「かいこう」、有人潜水調査船「しんかい6500」、深海巡航探査機「うらしま」や無人探査機「ゆめいるか」も見てきました。

 昨年末、資源探査のための競技会である、Shell Ocean Discovery XPRIZEには、当機構からTeam KUROSHIOが出場しましたが、今年の3月に結果が発表されるとのことで、今から楽しみです。

 実利とロマン、美しい地球を追求すべく、これからも努力を重ねて参ります。