2019年5月7日火曜日

令和元年5月7日

[炎の弾丸出張米国編]

 令和への御代替わり当日1日から昨日6日まで、4泊で米国に出張しました。

 ワシントン到着後ホテルに寄ることなく連邦教育省のザイス副長官と、これからの初等中等段階を含む科学技術教育のあり方について中身の濃い議論をした後、駐米日本大使公邸へ。「AIサロン」と名付けた討論会が開催され、平井科学技術担当大臣、クラティオス大統領副補佐官と私がパネリストとなり、FOXのジョン・ロバーツ氏がモデレーターとなって、これからのAIの進む方向やデータ戦略などについて全編英語で討論。多くの日米産官学関係者が参加した有意義なひと時となりました。

 翌2日にはホワイトハウス隣接の国際会議場アイゼンハワービルへ。前日のAIサロン出席メンバーに加え、ドログマイヤー大統領府科学技術政策局長など科学技術分野の各政府責任者とともに、第14回日米科学技術協力合同高級委員会に出席しました。ここでもこれからの日米におけるAIに関する教育改革を柱の一つとした人工知能戦略が話し合われたほか、野心的なムーンショット型研究開発、量子技術分野での実務者を含む協力関係を推進することで一致し、報道でも取り上げられました。理化学研究所などの活用を進めます。

 その後、NASA(米国航空宇宙局)を訪れ、ブライデンスタイン長官と会談するとともに、Gateway(月近傍有人拠点)への参加検討加速など、双方の研究開発協力推進に向けた共同声明を発表し、こちらも報道されました。続いて国家宇宙会議ペース事務局長とも宇宙協力について会談。スペースデブリ(宇宙ゴミ)の処理や法的対応などにも話が及びましたが、日本が価値観を共有でき、かつ「言ったことをやる」信頼できるパートナーであることが先方から強調されたのは特筆できると思います。

 翌3日にはMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪問。
 世界中を対象としたオープンラーニングについてサルマ副学長に説明を受け、知的創造物は共有財産であるという教授陣の使命感と、先端的なビジネスモデルが参考になりました。同大学宮川教授とは、日本における課題解決型ブートキャンプや日米オンライン教育協力などを、レズニック教授とはメディアラボという創造的施設においてプログラミング「スクラッチ」教育などを、それぞれ議論させていただき、是非今後の日本の教育政策に活かしたいと思います。

 その後にボストン美術館を訪問。有名な歌麿や写楽の浮世絵の原画などが所蔵されており、来年の日本博開催に向けてコラボを図っていきたいと美術館側に申し入れました。

 4日から5日にかけてはハワイ島で国立天文台ハワイ観測所を訪問・視察。

 前線が通過して雨天となる悪条件でしたが、夜には南十字星や天の川が見える状況となり、標高4200mのマウナケア山中腹にて天体望遠鏡でイータカリーナ星雲、M87星雲などを観測することができました。
 一旦ホテルに戻って翌日には、こちらも前日の雨で道が凍結して訪問が危ぶまれた山頂のすばる望遠鏡の視察が好天に恵まれ奇跡的に氷が溶けて実現。当該望遠鏡は設置後20年が経ちますが、8.2mの口径で、世界唯一の超広視野観測が可能な貴重な設備。ブラックホール探査に貢献するなど成果も出しており、これからも人的・物的支援をしていきます。隣接地には口径30mという超大型望遠鏡TMT計画が進行しており、日本も先端技術で応援していくことになります。

 今回の出張が日本の国力につながることを期待しています。