2022年5月8日日曜日

令和4年5月8日

 [炎の弾丸出張~佐渡金山編~]


 一昨日6日から7日にかけ、所属する自民党「『佐渡島の金山』の世界遺産登録を実現する議員連盟」の有志で佐渡島の視察に伺いました。


 同所は17世紀における世界最大の金の生産地で、極めてレベルの高い独自の手工業を確立して日本経済や国際貿易に大きな影響を与えました。これまで長らく世界遺産登録申請が検討されてきましたが、今年2月にユネスコの世界文化遺産への推薦書を日本が提出し、秋には委託を受けたイコモス(国際記念物遺跡会議)が審査に入り、その勧告を受けて来年6~7月に21か国からなるユネスコ世界遺産委員会が登録の判断をすることになります。

 来年の世界遺産委員会の議長国はロシア。現在の世界情勢を踏まえ、スケジュールに見通しは立っていません。


 さらに、韓国が「戦時中に韓国人が徴用されていた場所が世界遺産に登録されるべきではない」とクレームをつけています。日本は強制徴用を否定するとともに、登録については江戸時代を対象としていることから、こうした批判は当たらないと反論しています。

 実は私が文部科学大臣時代にフランスにてユネスコのアズレー事務局長に対し、南京大虐殺の資料が世界記憶遺産に登録されたのを受けて「加盟国が登録手続に関与して過度の政治化を防ぐべきだ」と訴えてプロセスの改革が進んでいます。しかしながら韓国がこれを逆手に取って「自分たちは当事者であり、反対の主張を聞いて欲しい」と訴えてくることは十分にあり得ます。


 日本は登録に向けて、議員連盟の中曾根弘文会長の外務大臣時代の秘書官を務めた滝崎官房副長官補をヘッドとした、外務省や文化庁などの局長級からなるタスクフォースを設置して対策を始めました。今回の議連の出張にも同行していただき、色々意見交換をさせていただきました。


 今回の出張では、説明施設のきらりうむ佐渡や復元された奉行所で佐渡の歴史を詳細に学び、さらに江戸期の宗太夫坑道、近代の道遊坑道に現に入って当時の作業場を視察しました。また、南部に位置する西三川砂金山では、山を削り「大流し」という水路で土砂を流して沈殿する砂金を採取した痕跡や集落が今も残る様子を見ることができました。


 また特別企画として真野行政サービスセンターにて拉致被害に遭われた地元曾我ひとみさんと面談し、他の拉致被害者との接触や当時の北朝鮮の状況について、かなり突っ込んだやり取りをすることができました。同席された佐渡市の渡辺市長が「曾我さんがこんなに立ち入った話をするのを聞いたことがない」とおっしゃる充実した質疑応答で、これを何とか拉致問題の解決につなげたいと決意するとともに、引き続き広報啓発することの必要性を痛感しました。


 北朝鮮からは昨日また弾道ミサイルが発射されています。韓国の政権交代で色々状況が変化するでしょうが、しっかり取組みを進めます。

2022年5月5日木曜日

令和4年5月5日

 [野党に安全保障を託せない決定的な理由]


 2日前の5月3日は憲法記念日。私が会長を務める自民党埼玉県連では、党の憲法改正実現本部事務総長であり、私とともに衆議院憲法審査会の幹事を務めておられる新藤義孝議員を講師として憲法フォーラムを開催しました。

 また、第2部として埼玉政治学院オープン講座と銘打ち、ウクライナ問題で連日尽力されている林芳正外務大臣に、これからの日本の安全外交についてお話ししていただきました。


 関係の皆様への急なご案内でしかも連休真っただ中にもかかわらず、会場一杯の400人近い方々にお越しいただいたことに御礼を申し上げます。私から冒頭の挨拶で、「憲法改正は参院選の重要な争点になる。是非今後県内各地区でも同様の集会を開催して欲しい」と申し上げ、大きな拍手をいただきました。


 施行75周年となる憲法は、民主主義の定着と経済発展に大きな役割を果たしてきたのは事実です。しかし世界がどんどん変わる中で、それに対応できない日本の姿を浮き彫りにしてしまいました。


 新型コロナウイルスの蔓延にあって、迅速な危機管理や国民の権利を一部制限する仕組みが決定的に欠如していることが明らかになりました。東日本大震災の時もそうでしたが、事が起きてから法律を作るのでは間に合わず、しかも議会が一時期開催できないような事態に対応することができません。

 ウクライナ問題では、今なお国益をむき出しにして力による現状変更のために国際法を無視した武力攻撃をする国がすぐ隣にあるという厳然たる事実を目の当たりにし、現在の自衛隊や憲法9条のままでよいのかという疑問を私たちが突き付けられている状態です。


 国民の憲法に関する意識も変わりました。どのメディアでも憲法改正の議論を進めるべきだとの意見が7割を超え、戦後一文字も変わっていない憲法がこのままでよいのか疑問に思う国民がどんどん増えていることがわかります。

 1日に共同通信が実施した世論調査の見出しは「9条改正、賛否が拮抗 改憲気運『高まらず』70%」となっていますが、これは同社の主観の入ったミスリードだと思います。設問には「9条改正の『必要性(括弧は筆者)』があるか」とあり、「9条改正に賛成か」とは問われていません。しかも同じ調査の別項目に「自衛隊の明記に賛成か」という問いがあり、これには賛成が67%と多数を占めているにもかかわらずそのことを記事では紹介していません。さらに、改憲気運が高まっていないとする意見の中では「『どちらかといえば(括弧は筆者)』高まっていない」という意見が70%中7割の48%であり、国民の正確な意思を伝える見出しとしてかなり問題があるでしょう。

 憲法9条改正に反対する団体の支持を受けている野党は、9条のもとでも自衛隊は違憲とされていないと主張します。しかし戦力不保持をうたう同条2項との関係で自衛隊を合憲と解するのは「自衛権は認められている」「必要最小限の実力組織で戦力ではない」など、普通には読めない苦しい解釈を余儀なくされるのであり、現に憲法学者の中にはいまだに自衛隊を違憲と主張する方がいるし、教科書では自衛隊の存在に憲法論争がある旨紹介されています。

 共産党の志位委員長に至っては、綱領で自衛隊は憲法違反だとしながら緊急時には活用すると、自衛隊の方が聞いたら激怒するような理屈を展開しています。しかも防衛力の増強への足かせになったり、日本学術会議が防衛に関する研究を進めることに慎重となる根拠にもなっています。


 特筆すべきは、今回のウクライナ侵攻で、野党が主張してきた「集団的自衛権の容認は憲法違反で許されない」という批判が完全に破綻したことです。

 私たちは、2015年平和安全法制定の際、これまで政府が憲法解釈で認められないとされてきた「他国への攻撃に対しても自衛権を行使する権利」である集団的自衛権を、「自国の存立危機事態」をもたらす場合限定的に認める解釈変更を行い、これに野党は徹底的に反対しました。しかし今回、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切ったのは、ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟せず、米国のバイデン大統領が「ウクライナが攻撃されても米国には参戦義務がない」とコメントしたことが決定的な理由となったのです。

 野党は「集団的自衛権を認めると他国の戦争に巻き込まれるおそれがある。個別的自衛権の解釈で十分だ。」と主張しますが、抑止力とは「やったらやり返される」という計算により相手方に攻撃を思いとどまらせる仕組みであり、集団的自衛権のもとでこそこのような抑止力が強化されるという現実を全く無視しているのです。現に今回のウクライナ侵攻以降、これまでNATOに加盟していなかったフィンランドやスウェーデンが相次いで加盟の意思を表明しました。


 野党が「このような危機時に憲法論議を進めようとするのは火事場泥棒のようなものだ」というのも全く的外れです。日本は残念ながら戦後の平和に慣れ切ってしまい、危機が過ぎたらもはや当該危機が再び訪れた際に備えた議論ができない国になってしまいました。2003年、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行して対策が議論された際に取りまとめた方針や法改正は、流行の収束とともに沙汰止みになり、今回のコロナ対応に生かされることはありませんでした(今後法改正のみで足りるのかは先述のとおりですが)。

 日本では有事に適切に対応する議論を行うのは有事にしかできないのであり、これからは教育でそうした弊害を是正していく必要がありますが、当面の対応としては今議論をするしかありません。


 これまで自民党に反対する勢力は、日米安保条約反対、PKO法反対、特定秘密保護法反対、平和安全法反対とありとあらゆる場面で安全保障案件に反対し続けてきました。

 日米安保条約で日本が戦争に巻き込まれる、PKOで自衛隊が海外で戦争できるようになる、特定秘密保護法で自由な報道ができなくなる・・・実態はどうだったでしょうか?

 日米安保が中国・北朝鮮・ロシアなどの防波堤となり、PKOは海外で感謝される貢献を日本が行うことに役立ち、特定秘密保護法で日米当局が機微情報を共有して同盟関係がより強固となっています。今はそれらの立法をした時の国論を2分する大騒動がまるで嘘のようです。


 これまでの経験に基づく結論として、安全保障を野党に任せることはできないと断言できます。(維新については憲法改正は賛成してくれていますが、ロシア問題で首をかしげる発言があります。)防衛問題に造詣の深い議員は続々と野党を離れ、自民党に加わってきています。こうした実態を多くの方々に知っていただく必要があります。

2022年4月7日木曜日

令和4年4月7日

[力による侵略を止めるものは]


 ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャにおける市民400人以上の虐殺は世界中に大きな衝撃を与えました。


 ロシアはこれはロシア軍が撤退した後のものだとか捏造だとか主張していますが、米紙ニューヨーク・タイムズによる衛星写真や動画の解析によれば、それらはロシア軍撤退前の同軍管理下で行われたとのことです。もしロシアが自らの責任を否定するのであれば、現地調査に協力すべきです。


 ブチャ以外の地域でもウクライナ市民の虐殺が報告されており、これは深刻な戦争犯罪と言わざるを得ません。既に日本などがICC(国際刑事裁判所)に提訴していますが、ロシアが同裁判所の管轄に服することを拒否すれば法廷は機能しません。


 国連安全保障理事会がロシアに対する制裁措置を決議しようにも、拒否権がある常任理事国であるロシア(またその支援をしているとされる中国)が拒否権を行使すれば、こちらも機能しません。この事態を受けて世界的に、恣意的な拒否権行使を禁ずるなどの安保理改革を求める声が沸き起こっていますが、残念ながらロシアなどが自主的に応じない限りいくら国際世論が圧倒的に改革を求めてもそれは実現しないのです。


 つくづく感じるのは、法は強制力を持たない限り絵に描いた餅だということです。


 この事態を打開するには、以前もこの欄で書いたとおり、自由主義諸国が結束して「力による現状変更を許さない」というメッセージを、ロシアへのさらなる有志連合による経済制裁、場合によってはウクライナへの人道・軍事支援によって実現するしかないように思います。
 これは私たちにも一定のコストと犠牲をもたらすものではありますが、外交による仲介や努力を続けつつも実施する必要があると考えます。それが第二・第三の悲劇を生じないようにさせる唯一の手段だからです。この事態が相当程度長引くことも覚悟しなければいけません。


 現在、政府や党ではこの事態を受けた経済対策も真剣に議論されています。また、各種制裁実施のための法改正や、緊急事態対応に向けた憲法改正論議についても、国民にオープンな形で進めていきます。

2022年3月16日水曜日

令和4年3月16日

 [本気度が問われる日本]

 ロシアのウクライナへの侵攻が続いています。首都キエフはウクライナへの自由主義諸国による支援もあり、かろうじて持ちこたえていますが、同国南部のへルソン州はロシアにより全域が制圧されたと発表されました。西部の軍事施設にもロシアによる攻撃が実施されています。


 ウクライナ軍の死傷者は1300人、民間人の犠牲者も400人を超えました。民間の病院や住宅などが破壊され、ザポロージェ・チェルノブイリなど原子力発電所も制圧されて危険な状態です。

 一方ロシア軍の死傷者も12,000人以上と言われており、双方に甚大な被害が出ています。


 両国が和平に向けた協議を断続的に実施していますがなかなか折り合う様子がありません。ウクライナからの避難のための人道回廊が設けられていますが安全が確保できていない事例が多いとも報告されています。ただし3月13日時点でウクライナを出国した避難民は約281万人にのぼるとのことです。


 わが国もウクライナからの退避者について在留者の家族など3月13日時点で47人受け入れ表明しており、一時就労資格取得についても便宜を図ることにしています。

 一方、60人ほどまだ残っている在留邦人の退避をはじめ安否確認についても、同国西部リヴィウ市連絡事務所などを通じて行っています。


 これから必要なことは、一日も早い停戦を目指し、自由主義諸国が結束して経済制裁をはじめ強いメッセージを出していくことと、それに伴う経済的な打撃を最小限にしていくことです。しかし後者に重きを置くあまり、またこれまで積み上げてきたロシアとの関係を過度に悪化させないようにするために、日本の姿勢が弱いと世界に取られることは避けなければいけません。


 前回もこの欄で触れたとおり、中国も北朝鮮もこの状況をじっと見ています。ロシアがウクライナにしたことを台湾に対してもするのでないか、また米国がアジアに労力を割けずかつ韓国の政権が保守政権に代わったこの機会を捉えて、北朝鮮が日本に対して軍事的挑発の度合いを強めるのでないか、懸念は尽きません。万一の時に日米同盟や自由主義諸国との連携がしっかり機能するようにするためにも、日本は今回旗幟を鮮明にするとともに、日本独自の防衛力強化を行わなければいけないのです。


 既にロシアやベラルーシの金融機関を対象とした資産凍結、仮装通貨業者への取引停止要請をはじめ、各種制裁措置を講じています。また、外国為替及び外国貿易法に基づく輸出貿易管理令等の改正によるこれらの国への半導体等の輸出禁止も行います。

 もちろん、いくら私たち自由主義諸国が制裁しても中国などを通じた迂回支援がなされれば効果は減殺されます。国際社会がしっかり世論形成しなければいけません。


 こうした制裁とロシアによる対抗措置により、自動車などの輸出産業、また原油・ガス・魚介類などの輸入に与える影響はありますが、影響を受ける事業者に対して迅速に支援措置を講じるよう政府に働きかけていきます。ガソリン元売り業者を通じた1リットルあたりの支給額は3月10日以降17.7円とされました。ガソリン税に関するいわゆるトリガー条項凍結解除についても迅速性に難はありますが検討はされています。


 ウクライナに対しては、資金支援に加え、防弾チョッキやヘルメットをはじめ防衛装備品の提供も実施します。一部野党が軍事支援となるのでないかと懸念を表明していますが、躊躇すべきではありません。


 ゼレンスキー大統領のオンラインによる日本の国会演説も、私がこれまで主張してきた国会のオンライン化で何とか工夫の余地はないか検討すべきです。ロシア国内での反戦活動など表現の自由に対する弾圧を非難することも必要です。

 議論にしっかり加わり、全力を尽くして参ります。

2022年3月1日火曜日

令和4年3月1日

 [試される結束]


 1カ月前の前回のこのブログで懸念を示していたウクライナ情勢ですが、2月24日ついにロシアにより武力侵攻が開始されました。


 プーチン大統領はこれまでの歴史を持ち出して攻撃を正当化していますが、明らかに人道上も国際法上も許されない暴挙であって断固非難します。現時点で既に300人を超えるウクライナ人が犠牲になっており、首都キエフも空爆にさらされています。

 ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国でないため、欧米諸国は直接ロシアに対して戦闘行為を行っていませんが、人的・物的にウクライナ軍を支援しており、当初軍事力の差からあっさり陥落すると見られていたキエフは善戦しています。


 このような中、日本時間の2月28日夜にロシアとウクライナの代表団による停戦交渉がベラルーシとの国境ゴメリで実施され、双方が結果を持ち帰ったと報じられています。

 ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアの主張するNATO非加盟・中立化を容易に承諾するとは考えられず、交渉は長期化する可能性があります。ここで必要なのは、自由主義諸国が結束してロシアの暴挙を許さないという強い姿勢を示し続けることです。


 前回のブログで書いたとおり、今回の事態の推移を中国や北朝鮮は注視しています。現に2月27日、北朝鮮はこのタイミングで日本海に向けて弾道ミサイルを発射しました。中国は台湾の独立を阻止するためロシア同様軍事侵攻するのではないかと懸念されています。今ここで「力による現状変更は決して許されない」ということを日本も含めて自由主義諸国が行動で示し、そうした企てが挫折するしかないことをこれらの国に学ばせなければ、私たちの暮らしも将来危険にさらされかねないのです。


 ロシアは燃料・エネルギー・食糧などの一次産品を多く輸出し、原油価格はこの事態を受けて1バレル100ドル超となっていますが、幸い日本の石油備蓄は国と民間合わせて240日分あります。先月末出演したテレビ朝日の「朝まで生テレビ!」でも議論しましたが、戦争の私たちへの影響を最小限にするための努力が必要です。岸田総理はガソリン税の価格高騰時のトリガー条項凍結解除を含め、あらゆる手段を選択肢に入れて対策を取ると国会でも答弁しています。当面は現在の元売り業者を通じた1リットル5円の補助を大幅拡大したり、貿易保険金の迅速な支払いを行うなどの対処を行います。


 実効性のある制裁措置を実施することも必要です。既に特定個人・団体の査証発給停止、資産凍結、ロシアの軍事関係団体へや半導体などの物資にかかる輸出制限といった措置をとっていますが、ここでSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの大手銀行を締め出す措置への参加、外貨準備高活用制限などの金融制裁を実施します。

 既にルーブルの暴落と、これに対するロシア中央銀行の主要政策金利の大幅な引き上げなど、様々な効果は出つつあります。問題はこうした制裁の効果を失わせる中国などのロシアに対する支援をいかに食い止めるかで、近日実施されるであろう国連総会などで諸外国の結束を訴えるとともに、私も党の会議などで制裁の穴がなくなるようしっかり主張を続けていく所存です。


 邦人退避につき隣国ポーランドなどを通じて行っていますが、ウクライナの苦しむ方々や欧州への支援も実施する必要があります。結束を保ち、でき得る最大限の措置を講じていかなければいけません。

2022年1月30日日曜日

令和4年1月30日

 [絶望が最大の敵]


 1月27日夜、地元ふじみ野市大井武蔵野の住宅で、92歳の高齢の母を亡くした男が弔問に訪れた在宅クリニック関係者たちに発砲するというショッキングな事件が発生しました。


 犯人は負傷した医師の方を人質として立てこもり、付近は住民が避難するなど騒然。翌日警察が突入して犯人を逮捕しましたが、残念ながら人質のお医者さんは帰らぬ人となってしまいました。亡くなられた方は熱心に地域医療に取り組まれていて人望も厚く、本当に残念でなりません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。


 昨日29日、所沢の別の在宅医療機関を訪問したのですが、医師の方が「こんな事件が起きたら在宅医療の担い手がいなくなってしまう」と嘆いておられました。高齢化が進み在宅医療のニーズが高まっている中、コロナ下で医療従事者の負担もピークに達しています。このような身勝手な事件が二度と起きないようにしなければいけません。


 容疑者は高齢の母がいなくなり、介護などに不満を持っていたとのことですが、自分自身66歳で無職。報道によると自殺してクリニックの人たちも殺そうと思っていたと供述しているということです。


 1月15日には、大学入学共通テストの会場である東大前で、高校2年生の男子生徒が受験生3人に切りつける事件も発生しました。こちらも希望する医学部への進学が厳しいと絶望し、自暴自棄になっての犯行だと報道されています。


 銃規制を改めて議論する余地もあるかもしれませんが、こうした自暴自棄になっての犯行をいかに防ぐかがより本質的な課題に思えてなりません。

 絶望しても多くの場合そこから立ち直る道はあります。もし周りとのコミュニケーションがうまく取れていれば悲劇が避けられた可能性は高かったのでないでしょうか。また、自殺の際に他者を巻き込むという身勝手な凶行も、孤独や孤立から他者への思いやりが薄れてしまうのが一因だと感じるのです。


 現代社会において孤独・孤立対策は重要なテーマです。官・民・中央と地方も連携して、しっかり進めていかなければいけません。教育の果たす役割にも注目し、尽力していきます。


[対岸の火事と捉えるな]


 ロシア軍がウクライナ国境付近に集結し、これに対してアメリカが東欧に8500人の派兵の準備に入るなど、現地は緊迫しています。既にウクライナの各国大使館や在留邦人に退避勧告が出される動きとなっています。


 1月24日、党の安全保障調査会で慶応義塾大学の礒崎敦仁教授と東大先端科学技術センター小泉悠専任講師から、国際情勢に関するヒアリングをしました。

 北朝鮮が米国の圧力をかいくぐって人道物資を手に入れながら着々と最新軍備を行い、ミサイル発射を連続して外交カードを手に入れているのは日本にとって脅威です。しかし一方でロシアも、これまで日本が示した対話姿勢には結局応じず、対ヨーロッパの死活的利益として現在親米政権となっているウクライナのクリミア半島確保を真剣に考え、北朝鮮との接近も行っていること、決して見過ごすわけにはいきません。


 もしウクライナで不測の事態が発生してしまった際に、日本がロシアに配慮して経済制裁などにおいて西側諸国とあまりにかけ離れた不干渉の対応を取ると、将来台湾有事の際にアメリカがしっかり対応せず、結果日本に重大な損害が及ぶ危険もあります。

 中国が台頭する中、米国はもはや中東と極東の二正面に軍事展開をする余裕はありません。日本や西側諸国が連携をして安全保障を強化することが急務となっています。


[実態に即したオミクロン対策を]


 昨日1月29日もコロナ感染者は全国で約8万5000人。オミクロン株の急拡大が続いており、病床使用率も11府県で50%を超えました。

 これまでコロナ対策には様々な経験が積み重なっていますが、重症化率が低く感染力が強烈なオミクロン株には新しい発想で対処しないと、社会経済が立ち行かなくなってしまいます。


 まずワクチンの3回目接種を加速化するとともに、エッセンシャルワーカーなど緊急性のある方々がなるべく早く打てるよう尽力すべきです。

 治療薬の確保を急ぎ、専門家の知見を得て感染症分類を5類相当に引き下げるよう努力しなければいけません。


 現在、発熱者と学校での大量の濃厚接触者がコロナ検査を求めて発熱外来のクリニックに電話をし、クリニックも保健所もパンク状態となっているとのことです。まずは早い診断の必要な高熱者・高齢者に検査を提供し、濃厚接触者は症状が出たら検査を実施するという方向を取るべきです。


 また、ほとんどの感染者が若者と子供で、数日で解熱し喉の痛みが残る程度です。こうした方々については発熱があった時点でコロナ感染者とみなして1週間程度の自己隔離を守るようにし、解熱剤を確保すればよく、重症化しそうな方に医療資源を振り向けるようにすればよいのではないでしょうか。


 イベント参加にPCR検査陰性やワクチン接種証明などを求める例もありますが、それが大きな感染拡大をもたらすものでなければ、十分な感染防止対策をとることで置き換えることも考える余地があります。


 極力医療や経済の負担を回避していく工夫をしていきましょう。

2021年12月22日水曜日

令和3年12月22日

 [最大規模の対策がもたらすもの]


 昨日12月21日、冬の臨時国会は閉幕しました。12月20日、歳出36兆円の令和3年度補正予算が成立し、与党の税制改正大綱も12月10日に決定しています。


 最大課題はやはりコロナ対応の病床や治療薬の確保です。オミクロン株の急拡大を極力抑える努力をしながらも、今後、第5波ピーク時に比して3割増しとなるよう、全国で3万7千人の入院が可能になる計画に向けて準備します。

 ワクチンについては3回目の接種が極力早期に進むよう、自治体とも連携して在庫や入荷数、接種システムの管理を行います。


 新規感染者数が減少し、徐々に経済活動は復活しつつありますが、まだ厳しい状況にある方々に寄り添うことも必要です。

 これまで支給された給付金についての要件・金額・スピードなどへのご意見を踏まえ、新たに地域・業種を問わない最大250万円の事業復活支援金、資金繰り支援、雇用調整助成金特例措置の3月までの延長、米の需要減に対応する15万トンの特別枠設置・保管や販売の促進などの事業支援を行います。また、生活にお困りの個人の方々への給付や、緊急小口資金等特例貸付、住居確保給付金などの延長も実施します。

 主たる生計維持者の960万円未満の世帯に高校3年生までの子供1人あたり10万円相当の支給を行う件については、こうした各種支援策と別に、また自治体の負担や工夫を加味して実施する子育て支援策としてご理解いただければ幸いです。


 また、今後はこども家庭庁の創設により、子供の教育・健康などについて省庁の垣根を超えて、また自治体とも連携して取り組む体制を整えます。人材育成はこれからの日本にとって最大の課題の一つであり、しっかり予算を伴って進めていかなくてはいけません。


 これからの社会は一定期間、「ウィズコロナ」となることは避けられません。安心・安全を確保しつつニューノーマルの経済活動を確立します。

 電子ワクチン接種証明の年内発行、予約不要・無料のPCR・抗原検査の拡大を行います。旅行・宿泊・イベントなどの需要を喚起するとともに、キャンセル料の支援なども行います。


 岸田内閣は「新しい資本主義」を掲げました。「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」の価値観をもとに、税制・経済政策を実施します。

 賃上げを行う企業については大企業で最大30%、中小は最大40%の税額控除を行う一方、賃上げに消極的で設備投資の少ない大企業には投資減税の優遇を停止します。

 看護・介護・保育・幼児教育など現場で働く方々の収入を引き上げます。


 しかしここで必要なのは成長戦略です。私も党の会議で幾度となく主張してきました。

 まずは科学技術立国の実現に向け、大学ファンドに補正予算で6000億円を拠出し、財政投融資の追加と併せて10兆円規模にします。高速通信規格「5G」通信網の税制による整備支援を2024年度まで控除率を段階的に引き下げながらも延長するとともに、ポスト5G情報通信システム基盤強化に向けた研究開発を進めます。量子技術や宇宙・海洋分野の研究開発も加速化します。

 世界で進む人に優しいデジタル社会の推進を加速化します。デジタル田園都市国家構想を地方のデジタルインフラ整備などを通じて進めていくとともに、マイナポイント第2弾として、マイナンバーカードの新規取得・健康保険証の利用登録・預貯金口座の紐付けで、最大2万円相当のポイントを付与します。

 もう一つの大きな柱は環境です。化石燃料の高騰を補助を使って抑えつつも、私が会長を務める再生可能エネルギー普及拡大議員連盟で、安価・安定の再エネを拡大していきます。蓄電池の国内生産基盤の確保やグリーン水素(再エネで生成する水素)の利活用も進めていきます。住宅ローン減税についても環境性能の高さに応じて借入残高の上限に差を設けました。

 経済安全保障についても、そのための重要技術の育成や秘密特許の仕組みの開発、先端半導体の国内生産拠点の確保、重要土地取引規制などを通じて進めていきます。

 防災・減災など国土強靭化については5か年15兆円の計画的な投資により、事前防災の観点で大地震や自然災害に備えます。


 私は今日本に必要なのは、かつて昭和の先人が発揮していたアニマルスピリッツの育成と多様性の尊重だと思います。

 中小企業の事業再構築、生産性向上のための投資、リカレント教育と人材の流動化などを進めていかなければいけません。農林水産業の輸出力強化も進めていきます。オープンイノベーション税制として、非上場企業への出資額の25%を課税所得から差し引く措置を24年3月まで延長し、出資要件を緩和します。それ以外にも大胆な規制緩和をしっかり行うよう主張し続けます。


 目を世界に転じると、これからの複雑な情勢に鑑み、自由主義陣営の連携を安全保障面でも経済面でも進める必要があります。

 DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ トラスト)を世界で進め、サイバーセキュリティーも確保します。

 憲法を改正し、自衛隊の活動をしっかり規定するとともにコロナをはじめ危機管理の仕組みを構築します。


 私はコロナ対応を見ても日本の底力は並みならぬものがあると信じています。今こそその良さを生かしつつ、大きな飛躍をする2022年にできるよう全力を尽くす所存です。